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終戦のエンペラー(2012年)【やはりそうか。G2のウィロビーからもそういう映画感想が上がってきている】

アメリカ側から見た日本占領開始秘譚。

主人公はマッカーサーから命じられて、
昭和天皇が東京裁判で被告人として告訴できる可能性を調査します。
面接する日本人たちはみんな反対しますが、
言ってる話がそれぞれ矛盾するので、真実をつかむのに苦労します。

もちろんそれだけだとつまらん。

主人公は、私的な問題をそこに持ち込みます。
それは、かつての恋人だった日本人女性を探せ。
廃墟の中を探し回り、彼女の安否を探る。
はたして・・・

****

占領期の日本を舞台にした珍しい映画。

昭和天皇が思ったより決断しており、
君主というより政治家よりの顔を見せています。

この君主は勝ち誇る敵軍の司令官のところに、
徒手空拳で乗り込んでくるタイプですね。

ダモクレスの剣のエピソードのように、
王様とか皇帝というのは、こういう時のためにいるのです。
それはともかく、

全体としては「羅生門」的な、
真実はわからないまま風のお話となっています。

この映画のクライマックスは、
天皇とマッカーサーが、お互いにひとりの人間として、
握手するシーンを写真で撮る場面です。

***

ソクーロフの太陽なんかでも、そんなんありましたね。
そっち紹介すればよかったかな?

ソクーロフはロシアインテリゲンツィアの伝統として、
捕まらないギリギリの辺りを今でも攻めているみたいです。

最新作は「独裁者たちのとき」

ちなみに「終戦のエンペラー」は「日本側に近すぎ」と批判され、
ソクーロフの「太陽」は逆に日本をバカにしてると批判されましたが、
私はどっちもスキです。
まあ、映画ってドキュメンタリではないので。
監督の主観が入るのは前提だと思います。

***

やはり歴史映画として衣装や雰囲気を楽しむ作品だと、
私は思いました。
まだ日本人たちも戦前戦中の装いをしており、
空襲の被害を受けてない場所も結構と残っています。
ほらGHQが接収して使っていたホテルなんかも、
焼け残ったモダン建築のひとつですから。

建築、歴史、衣装、言葉遣い、
日本人俳優たちもたくさん出てきます。

歴史スキの消化試合として観たので、
まあとくに深い感想はないのですが。
基本的にはフィクションの要素が強いです。

フェラーズ准将には日本人の彼女なんていなかったし、
お話を盛り上げるためにだいぶ脚色している感じ。
事実に基づく物語と言いつつ、だいぶ脚色しちゃってた時代の作品。

売れなかったので、埋もれているのですけど、
そういうレア映画を紹介してみたいと思ったのでした。

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