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マシンピラティス体験記

少し前にK-POPアイドルがピラティスをやっていると話題になり、都内で歩いていてもピラティススタジオの看板を見かけるようになった。

「キラキラ☆」「オシャレなウェアを着たオシャレ女子が通っている☆」

そんなイメージだったピラティスは、細々とジミィ~に生きているわたしの性格には合わないだろう。そう思い込んでいたわたしにとって、目に入るピラティススタジオの看板はまるで歌舞伎町のネオンのようだった。

元々フィットネスジムには5年ほど通っている。ランニングマシンで走ったり、エアロバイクを漕いだり、ダンベルやバーベルで筋トレしたりするのは好きで長い間続いている趣味の一つだ。最近は年に一回トライアスロンの大会にも出ている。

一般的な人と比べると明らかに運動不足ではないのだが、パソコンと向き合っている時間も長いせいか肩こりだけが治らない。

ネットで調べたり、整骨院で先生に相談してみると、どうやらわたしはインナーマッスルが弱いらしい。

要するに、外側の筋肉は鍛えていて発達しているにも関わらず、中のほうにある筋肉が弱くて姿勢が上手く保ててないということだ。

インナーマッスルを鍛えようと思ってたどり着いたのがピラティスだった。「キラキラ⭐︎」のイメージではあったが、インナーマッスル強化のために心の壁を取っ払うことにした。

ピラティスにもいくつか種類があるのだが、特別な機器は使わずに床の上で行う自重エクササイズの「マットピラティス」と専用の機器(リフォーマー、カダイラック、チェアなど)を使う「マシンピラティス」の2つが有名だ。どちらもバンド、ボール、ローラーなどの道具を使うこともある。

これがマシンピラティス

マシンはついているバネで負荷を調整できることができるのだが、マットは自分の体重を自分で支える必要があるためマシンよりも強度が高いらしい。

インナーマッスルが皆無、体幹ふにゃふにゃのわたしはとりあえずマシンピラティスのスタジオに通うことにした。

「ん~~。スタジオ多すぎ。どこにしよう」

スタジオ選びは思っていたよりも難しい。というのも、スタジオの数が想像していたよりも多く、どのスタジオがいいのかパソコンと睨めっこしてもまったく分からない。

「どこがいいのか分からないなら体験に行きまくってみよう」

家の近く、職場の近く、よく友だちと遊ぶエリア。Googleマップで”マシンピラティス”と検索し、出てきたスタジオのホームページを一つ一つチェックして片っ端から体験の予約を入れていった。

結局、合計20か所ほどのスタジオで体験レッスンをうけた。

インストラクターと一対一で行うパーソナルの体験も受けたが、現時点では値段が高く感じたので候補からは除外。

実際に体験に行ってみるとわたしがイメージしていた「イケイケ⭐︎」「キラキラ⭐︎」なスタジオもあった。キラキラ女子に囲まれると自分とは違う世界にソワソワして落ち着かなくなってしまう。

”周りと比べない”
”自分に集中する”

そう思いながら生きていても難しいときもある。わたしにもあるんだから、誰にでもある。「人はそういうもんだ」と受け入れて生きていけたら少し楽になるかもしれない。キラキラなスタジオでのピラティスも新しい一つの経験になった。

複数人でレッスンを受けるグループでも「インストラクターさんにフォームなどしっかり見てもらいたいので少人数であるところ」「自分の身体に集中したいのでレッスン中に大きな音楽をかけないところ」「自分が居心地がいいと思える雰囲気であること」という条件で絞り込み、費用やその他の条件を比較してやっと一つのスタジオと契約をした。

わたしはヨガもやったことがあるのだが「ヨガ」と「ピラティス」はまったく違う。

ヨガが柔軟性とリラクゼーションにフォーカスしているのに対して、ピラティスはインナーマッスルの強化。つまりは筋トレ。

地味な動き、ポーズばかりなのだが、めちゃくちゃキツい。レッスン中は身体の深部にある内臓周辺の筋肉がプルプルしてくるのが分かるほどだ。

レッスンを受けているのは20~40代くらいの女性が多い。健康維持、ダイエット、ストレス発散。ピラティスをやっている目的は人それぞれだろうが、みなレッスン中の50分間はそれぞれ自分の身体に意識を集中させている。

ピラティスの創設者であるジョセフ・ピラティスさんはこんな格言を残している。

「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で身体のすべてが変わる」

現時点で20回ほどレッスンを受けてきたのだが、レッスン後は毎回心も身体もスッキリしている。

レッスン中はキツくて心の中で悲鳴を上げることもあるが、「自分と向き合う時間」として楽しく続けられそう。

通い始めて5ヶ月たった今もそんな気がしている。

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五十嵐さくら
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