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【上】V系ライブレポ芸人の自伝小説【カサンドラ】

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中年バンギャが綴る9割実話の自伝小説。 ー焼けた肌を露出し、セックスとドラッグに溺れた20代。 音楽に出逢い、ブログを書くことで自分の存在を確認した30代。 気を抜けば消えて無く…
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記事一覧

SOLITUDE-klang 中の人の自伝小説【カサンドラ】

フリーでデザイナーをしていた当時(といっても自力で生計を立てる能力は私にはなかった)東日…

【カサンドラ】Introduction 将来の夢

「将来の夢」      四年三組   渡辺優希 私の将来の夢は、殺人鬼になることです。そ…

【カサンドラ】 ~第1章~1.2019 凶夢

「ちょっと慎ちゃんもう食べないのー?早く食べちゃってよー。 パパもママももうお仕事行かな…

【カサンドラ】 2.1995-横浜-1

緩い弧を描き、指先から長く三角形に尖ったスカルプチュア。 透明から淡いブルーになるグラデ…

【カサンドラ】 3.横浜-2

ガクが自分の車を出して、助手席にいた金髪男と千恵を乗せ 私の家まで迎えに来た。 ”着いたー…

【カサンドラ】  4.踊心

私は3部屋しかない古い木造の平屋に両親と同居していた。 小学校の4年生になった時に与えても…

【カサンドラ】 5.溶涙

ある朝自宅に戻り支度をしていると、いつもは昼まで寝ている母親が起きてきた。 襖を開けっ放しにした私の部屋の前に立って、険しい表情を見せている。 「おはよう」 私は母の顔から目を離し、無表情で一言言い放って、化粧を始めた。 すると母親が低い声で「あんた毎日どこ行ってるの」と重く言葉を投げた。 いつか聞かれると思っていたその問いかけに一瞬ヒヤッとしたけれど 至って冷静に「彼氏ん家」と答えた。 嘘をついているわけではないのに、冷たく尖った空気を感じ取ったので 私は自分を映して

【カサンドラ】 6.退行

私が最後に泣いたのは、7歳の時だったろうか。 物心ついた頃から、狭いダイニングの一角で一生…

【カサンドラ】 7.断愛

「お手紙書いたよ」 小さな方眼用紙2枚を四つ折りにして、ニコニコしながら祐介が私の手に握…

【カサンドラ】 8.逆転

現代は一般男性が女性に声を掛けるのにも後の評価を気にしなければならない時代になってしまっ…

【カサンドラ】 9.拒食

祐介と別れた翌日から、私は何も食べなくなった。 好きな人に振られたからではない。 少しずつ…

【カサンドラ】 10.2019-回想-1

ここのところ仕事で帰宅が遅く、思うように睡眠がとれていない。 窓の外は嫌味のように空が青…

【カサンドラ】 11.2019-回想-2

マンションのエレベーターに乗るのにも、いちいち周囲を確認しなくては落ち着かない。 たかが4…

【カサンドラ】 ~第2章~ 12.1996-夢薬

頻りに後ろを振り返りながら、なんとか自宅の玄関の前に辿り着いた。 震える手で真鍮の丸いドアノブを掴み視線を左に動かすと、 姿形のはっきりとしない黒い影が被さるように私の頭上を覆った。 急いでドアを開け玄関の中に入ったが、何度鍵を閉めてもドアが開いてしまう。 壁に足を掛けながらドアを引っ張り、中央にある四角い小窓から外を覗くと 先ほどの大きな影が次第にはっきりとした人の形となり姿を映した。 不意に外側から強い力でドアを引かれ、私の体はフワッと浮き もうダメだと諦めた瞬間警報のよ

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