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記事一覧
8回目:「神技」を一旦忘れて
3回目でも触れてみたが、古代の民間の武装集団は、武器の改良にはあまり資金面や政治面の投資ができないから、逆に良い武器に頼らない技を磨くしかいないのではないかと推測してみた。その技の磨きには、伝承の手段(拳譜、秘伝)と絶えない実践(山賊などからの自衛)以外、もう一つ不可欠なのは、優秀な選抜制度だと思う。
「科挙」という文化人の制度があるこそ、中国は二千年あまりの皇帝制度を維持できた。それは、皇帝本
7回目:本場を一旦忘れて
緊急事態宣言がやっと終わって、次いつ来るか誰も分からない。幸いに理系人は元気で、無事2回ワクチンも受けた。ワクチンを信用するかどうか、人それぞれの観点があるが、理系人としては、メリットがデメリットよりずっと大きく、接種するのが今のところ一番合理的な判断だと思う。まあ、その話はさておいて、過去の一年半の間、外食はだいぶ減った。「理系人の太極拳」の次を書く前に、ちょっと外食の話をする。
日本の中華料
6回目:拳譜をやはり忘れて
前回「拳譜を忘れて」の理由を説明した。それは、そもそも古代人が書いた専門分野の文書は、現代人にとって解読が難しいから。それでも、たまたま現代でも古文や古代のあらゆることが詳しい人がいるかもしれない。だったら、その人は、拳譜を入手したら、すぐ解読できて、優れた武術を習得できるのではないか。
ちょっと待って!それでも「拳譜」だけでは、習得できないよ。なぜかというと、「拳譜」はあくまでも「パズルのかけ
5回目:拳譜を一旦忘れて
前回の最後触れた言葉は「白黒写真」だ。しかし、残念ながら古代、少なくとも太極拳が「発明」された時代には、写真がなかった。
武当山の道士たちは、延命のために、「太極拳」を研究したのか、それとも、陳家溝の農民たちは、保身のために、「太極拳」を研究したのか、伝承していく手段がないと、結局その研究は、一代で終わってしまうのだろう。写真がない時代、一体どうやって「忠実」に伝承が起きていたのだろう。
答え
4回目:分科を一旦忘れて
本日東京では2度目緊急事態宣言が発動された。東京の1日の感染者人数が2000人をも超えたが、理系人にとっては、特に意外ではなかった。だって、去年のグーグル社が出したAIの予測通りになっているだけ。AIがプロの囲碁棋士に勝てる21世紀では、こういう限定されたケースの予測(例えば天気予報)は、古代の占い師の予測ではなく、相当正確になるはずだが、政治家に真剣に参考されてないのは、残念だ。理系人の政治家が
もっとみる3回目:スマホを一旦忘れて
現代人はスマホをポケットから出せば、遠いところの人と会話できるし、調べることもできる。さらに写真撮ったりビデオを撮ったりすることもできる。それは古代人から見ると、魔法みたいな信じられない世界だろう。では、現代の理系人(ロマンチックな文系人を置いといて)は古代人のことをどう思う?遠いところの人とは手紙で連絡し、何ヶ月もかかる。本というものは貴重で、なかなか調べることができない。記録するためには、文字
もっとみる2回目:治世を一旦忘れて
「治世」といえば、あの三国志で有名な曹操(そうそう)への評価に使われる「治世の能臣、乱世の奸雄(かんゆう)」以外は、あんまり現代日本人が使わない言葉だろう。でも現代日本人は、誰もが今の時代、特に今の日本は「治世」、すなわちよーく治まった平和な時代であることは、否認できないだろう。だって、夜の街でも女の子一人で安心に歩けるし、小学生が一人で電車に乗って登校している。何よりも、あっちこっち溢れている自
もっとみる1回目:漫画や映画を一旦忘れて
現代社会で古代の武術を習うことは、いかにロマンチックなことだろう。
だって、どう考えても、文明の進んでいる現代人より上回るものが古代人が持っているのは、理系男子にとっては、ありえないことである。しかし、そうとは言い切れないんじゃないと思っている文系人も少なくないから、「実はアトランティスは超先進文明だ」とか、「ピラミッドはほかの銀河へジャンプできるゲート」とか、小説家や漫画家が倍出する文系人が自