編集者の時代★3【10冊読むまで帰れま10・7月①】雑誌作りはスポーツだ
「編集者の時代」マガジンハウス編【評価★3】
※評価は独断と偏見、5段階
創刊号のPOPEYEの巻末に収録されていた、初代編集長の木滑良久(きなめり・よしひさ)氏の「フロム・エディターズ」というコーナーをまとめて編集されたもの。1号から100号まで収録されている。スタートは1976年6月25日とあり、本巻最後の掲載は1981年3月25日。
なんせ、私が生まれる前に書かれたコラムなのだが、古臭くないのには驚いた。
木滑氏の文体は「が」の切り返しが多くて読みにくい。でもそれ以上に面白いから、サクサク読める。
それにしても、約40年後のトレンドを予見しているのが凄い。
POPEYE自体に恩恵を受けて生きてきたわけでもないし、直接の読者でもないけど、初期の編集方針はアメリカかぶれと、見受けられた。
その中でも興味深いのは、ニューヨークのセントラル・パークでは老若男女、ランニングに勤しんでいるというコラム。今の健康志向からしたら当たり前なのだが、メタボという単語が出てくる40年前からランニングの有用性を説いているのは恐れ入った。
だが、1つだけ読み切れてなかったのは、廃れゆく紙媒体の行く末だ。
紙に代わるメディアは「ビデオデスク」と言っているが、iPhoneが出現した現代からすると、隔世の感がある。さすがに80年代頭に、携帯電話📱の登場を予見していたとなると、予言の書になっちゃうもんね。
とはいえ、今のトレンドに通じるという意味では、十分予言の書と言えますけどね。
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