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サブカル大蔵経 日本編

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2021年5月の記事一覧

サブカル大蔵経665森和也『神道・儒教・仏教』(ちくま新書)

「江戸時代を受け継いでいる我々の日本の仏教」を読み解く大河の如き書。新書のレベルを超え、…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経663八幡和郎『本当は謎がない「幕末維新史」』(ソフトバンククリエイティ…

通産省官僚から江戸時代の著述家になり、その双方の知見から論客としてネットでも提言をされる…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経662大谷光淳『ありのままに、ひたむきに』(PHP新書)

若き〈西本願寺 門主〉の著書。周りから気を使われる立場の中での〈ホンネ対談〉で垣間見える…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経661コリン・ジョイス/谷岡健彦訳『「ニッポン社会」入門』(NHK生活人新書…

読む日本人が気持ちよくなるツボを抑えまくる筆致に少し身構えましたが、そのうちに、日本に住…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経660プチ鹿島『教養としてのプロレス』(双葉新書)

文春オンラインで最も読ませる記事はプチ鹿島さんだと思います。政治的な出来事の背景を新聞記…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経659見波利幸『心が折れる職場』(日経プレミアシリーズ)

組織・上司も人間。その細かなやりとり。 帯の師岡とおるさんのイラストとコピー。 飲み会な…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経658鎌田東二『南方熊楠と宮沢賢治』(平凡社新書)

ありそうでなかった二人の共演は、フィクションでは柴田勝家『ヒト夜の永い夢』(ハヤカワ文庫)くらいでしょうか。 日本人ばなれした感性と世界観。断片の多い、現代人も追いつかない永遠の未完成。 二人の背景にある密教と法華経の世界。熊楠と賢治がよりどころにした仏教にこそ、今までの法脈にない日本仏教の可能性があるのではと昔から思っていました。それを学生の頃『翁童論』に感銘した鎌田先生が独自の観点で読み説いてくれました。 博物学的生命主義から人間世界を見る南方熊楠と、法華銀河生命主

サブカル大蔵経657筆坂秀世/宮崎学『日本共産党vs.部落解放同盟』(にんげん社モナド…

暴力対決では、一方的に共産党がやられているだけ。解放同盟は、そういう点ではゲバルトは強…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経656今泉忠明『猫脳がわかる!』(文春新書)

倫理の授業で「今あなたは人間ですか?」という問いから始めています。〈六道〉を毎日行ったり…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経655加藤由子『ネコ好きが気になる50の疑問』(ソフトバンククリエイティ…

Yahooでネコのしぐさの記事を一度見ると、毎日次々と新しいネコのしぐさ情報がページに届くよ…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経652塙宣之『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社新書)

ナイツ塙が満を持して新書のマウンドに立つ。受け手は中村計。『佐賀北の夏』や『勝ちすぎた監…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経651佐久間宣行『できないことはやりません 〜テレ東的開き直り仕事術〜…

「ゴッドタン 」と「あちこちオードリー」を〈TVer〉で毎週観ています。どちらも佐久間宣行さ…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経650蛭子能収『ひとりぼっちを笑うな』(角川oneテーマ21)

エビス・ブッダ。蛭子菩薩。 今までネタとして笑われたり、奇人として恐れられていた思考や発…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経649ロマン優光『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン新書)

マウンティングする。p.69 コミュニケーション至上主義の現代の中での〈マウンティング〉という醜悪さを言語化したこの本が出てから、芸人や一般社会でも〈マウンティング〉いうことばが使われるようになったと思います。それは、〈サブカル〉の醜悪さの本質さをえぐる言葉でありながら、そのサブカル性が政治や学校などの他分野にまで拡大していく現代論評にもなりえたからだと思います。 ロマン優光の批評的な文献学・書誌学の手法で俎上に上がったサブカルの先輩たち。サブカルチャーで育った者だからこ