サブカル大蔵経661コリン・ジョイス/谷岡健彦訳『「ニッポン社会」入門』(NHK生活人新書)
読む日本人が気持ちよくなるツボを抑えまくる筆致に少し身構えましたが、そのうちに、日本に住むことの特異性がぼんやりと浮かんでくる好著。
著者は英国のジェントルマンを幻想と卑下されますが、私が昔英国を訪れた時の最初の印象は、道路を渡る時、車がスッと止まってくれて横断を促された時、ジェントルマンを感じました。
英国と日本。やはり似ている気がする。
お気に入り日本語表現ベストスリー③勝負パンツ②上目遣い①おニュー。p.42
英国を取り込む日本語。おニューかぁ。
お弁当、整然としている。/新聞折り畳み、折り紙。p.52.62
詰める、折る、畳む。
ケガ、なかった?p.69
市井の自転車屋さんのジェントルマン。
完璧な発明、銭湯。p.74
日本の代表的な残したい空間。
割り箸袋で作る箸置きp.78
何気ないところに芸術・魔術。
移動自由パブ・席固定の居酒屋p.101
「居」酒屋の良さと手持ちぶさた。
日本土産はスルメ、お茶漬け海苔。p.151
乾物・インスタントに日本らしさ。
オート麦お粥にバナナと砂糖。毎日テスコ、カレー世界の首都。p.196
ロンドンの軽さと深さ
形容詞から始めなさい。おいしい、暑い、懐かしい、すごい、きれい、面白い。p.211
形容詞に汚染された日本。
早急に第一印象必ず書き留めておき給え。いかに第一印象と言うものは危険のようにはかない。一旦消えてしまえば二度と君のもとに戻っていく来る事は無い。いかなる異国情緒と比べてもこの第一印象以上に魅力的ものはないのだ。(チェンバレンがハーンに与えた忠告)。p.215
紀行文や書評でも大事なことなのかも。
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