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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
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記事一覧

北風(詩)

北風(詩)

ビュルーリ ビュルーリ
北風吹いた

ビュルーリ ビュルーリ
ためらう僕の

ビュルーリ ビュルーリ
背中を押した

ビュルーリ ビュルーリ
あなたの前で

ビュルーリ ビュルーリ
「あなたが好き」と

ビュルーリ ビュルーリ
初めて言えた

大涌谷(詩)

大涌谷(詩)

地球が煙を吐いている
硫黄の煙を吐いている
風に流れて飛んでいる
僕の回りを飛んでいる
君の回りを飛んでいる
僕の鼻の中に
君の鼻の中に
臭いけど、これが地球の匂いなのだ
臭いけど、これが地球のエネルギーなのだ
僕は大きく息を吸い、地球のエネルギーを肺いっぱいに詰め込んだ

ススキと僕(詩)

ススキと僕(詩)

ススキが風に頭を下げている
ススキの中を僕は歩いてゆく
ススキがみんな僕にお辞儀をしてくれる
僕もススキにお辞儀を返す
ススキのお辞儀はいつまでも繰り返される
だから僕も何度もお辞儀する
終わりにしようと僕はさらに歩き出す
それでもススキはお辞儀をやめない
「ごめんね」と言って
僕はススキの草原を後にする

かくれんぼ(詩)

かくれんぼ(詩)

今日も一人で、かくれんぼ
鬼がないのに、かくれんぼ
ここにいるから、かくれんぼ
誰か見つけて、かくれんぼ

5時の鐘が鳴ったなら
ママが迎えにきてくれる

だからそれまで、かくれんぼ
ママが来るまで、かくれんぼ
一人ぼっちの、かくれんぼ
誰か探して、かくれんぼ

生まれ変わり(詩)

生まれ変わり(詩)

私は夜の街を歩いた。
私は雨の中を歩いた。
私は傘もささずに歩いた。
傘など必要なかった。
私は雨に濡れたかった。
雨が私の中から染み込んで、私の中にしがみついている過去と一緒に、足先から流れていってほしかった。
滴り落ちた雨が水たまりを作った。
水たまりが過去の色に染まっているかは暗くてわからなかったが、水たまりは黒く濁って見えた。
私は走って家に帰った。
濡れた服をすべて脱ぎ去ると、重い毛皮を

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揺れる(詩)

揺れる(詩)

星が揺れる 涙に揺れる
夢が揺れる 涙に揺れる

月が揺れる 雲に揺れる
光が揺れる 雲に揺れる

氷が揺れる 酒に揺れる
心が揺れる 酒に揺れる

みんなが揺れる 不完全に揺れる
すべてが揺れる 不条理に揺れる

虐待(詩)

虐待(詩)

捨て子だったら良かったのにと
両親から殴られた夜はいつも思ってた
捨て子ならば殴られても納得できるから

どんな虐待を受けても
僕を捨てた両親だけ怨めばいい
今の僕は今の両親を怨まないで済むから

僕はいつか
まだ見たことのない両親を探し出して
きっと殺すだろう
今の両親に殴られた分だけ殺すだろう

だから今僕は我慢する
大人になるのを待っている
僕を捨てた両親に復讐するために

笑って(詩)

笑って(詩)

お笑い芸人は

笑われてはいけない

笑わせなければいけない と言うが

私は笑われてでも

みんなに笑ってもらいたい

タイムトンネル(詩)

タイムトンネル(詩)

必然は偶然の現在進行形であり
ためらいと譲り合いのあいだにはストレスが充満している
悲しみは憎しみに酸化して
触れるものすべてを腐らせる
あきらめがひとつ増えるごとに歳を重ね
忘却は新しい過去から排出される
生まれたときのままに死ねればいいと
自分の墓を掘ってきたけれど
どこまで深ければこの身を埋めることができるのだろうか?
ここはどこ?
わたしはだれ?
記憶は霧のように広がり
薄れてゆき
いつか

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埋没(詩)

埋没(詩)

僕は今城の真下にいる
もし今地震が起きて
城が崩れ落ちたとしたら
僕は城の下敷きになって死ぬだろう
そして歴史の中に埋もれるだろう
(小田原城にて)

ジャンプ(詩)

ジャンプ(詩)

昔の僕に連れられて
田んぼに挟まれた田舎道を歩く
カエルの合唱があちこちから聞こえるが
僕たちが近づくと静かになる
田んぼを覗いてカエルを一匹捕まえる
「鳴いてごらん」と言ってみても
カエルは大きな目で僕の顔を不思議そうに見ているだけ
手のひらを広げると
カエルは僕のシャツに跳び移り
肩まで這い上がると
田んぼに向かってジャンプした
そうだ 今がジャンプのときだ
泣いてばかりもいられない
昔の僕が

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ため息の分析(詩)

ため息の分析(詩)

ため息とは
二酸化炭素の大量排出
過去の悲しみと孤独の寂しさ
自己嫌悪と自己否定の象徴
長い人生で溜まった垢
絶望とあきらめ
恋わずらい
人生の区切り
そして
ため息とは心機一転
新たな人生のスタートのための号砲

口下手(詩)

口下手(詩)

素直な言葉で伝えるのが恥ずかしくて

オブラートで包んだような言い方をして

それが誤解されて相手に伝わって

人間関係がうまくいかなくなって

自己嫌悪に陥って

人と話すのが恐くなって

それってみんな私が口下手だからなのかな