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時間にまつわる物語 番外編

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時間にまつわる不思議な物語。ひとつひとつがショート・ショートになっていますので、どこから読んでも大丈夫です。 「『本当の自分』殺人事件」の中の「時間にまつわる物語」の番外編です。
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記事一覧

時間をあやつる女の物語

時間をあやつる女の物語

私は坂倉なぎさ、高校二年生で、野球部のマネージャーをしている。
野球部のマネージャーになったのは、大好きな佐藤光太郎君がエースで四番バッターだったから。
でも自分から話しかけることはできずに、いつもベンチから光太郎君の活躍する姿を応援するだけだった。

ある夕方、ユニフォームの洗濯をしているときに、光太郎君が私の側にやってきて、「いつもありがとう」と言ってくれた。私は顔を赤くしくてうつむいてしまっ

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時間に追われる男の物語

時間に追われる男の物語

「君、悪いけど明日の朝一番の会議資料を作ってくれないか。担当者別の顧客ランクを決めなければいけないんだ」
「わかりました」
男はそう返事をして、腕時計に目をやった。
時計の針は4時半を指している。会議資料を作るには最低でも4時間以上はかかる。
「今日も残業か。でも、久しぶりに終電前には帰れそうだ」
男は誰にも聞こえない声でつぶやいた。

男のスケジュール帳は、真っ黒に塗りつぶしてあるのではないかと

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時間を繕う女の物語

時間を繕う女の物語

あなたは夜十一時に眠りにつきました。そして朝七時に目覚まし時計の音で目覚めました。あなたは今日も八時間たっぷり睡眠が取れたと晴れやかな気持ちになるでしょう。しかし、あなたは本当に八時間眠ったのでしょうか。寝ているのだからわかるはずがありません。あなたは時間を信じている、つまりは時計を信じているだけなのです。でも、時間も時計もそもそも人間が作り出したものです。人間が作ったものに完全なんてありません。

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時間を切り貼りする男の物語

時間を切り貼りする男の物語

年甲斐もなく、大変恥ずかしいのですが、私の恋物語を聞いてください。

私はある会社の営業課長をしていました。当時の年齢は四十八歳で、まだ独身でした。別に結婚しない主義というわけではありません。ただ、若い頃からもてなかっただけの話です。

二十六歳の女性が、中途採用で私の部下として配属になったのが始まりでした。明るくてかわいらしい子だな、というのが第一印象だったのですが、一緒に仕事をしたり、会社帰り

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時間を暖める女の物語

時間を暖める女の物語

私は三十六歳で結婚しました。相手は会社に出入りしていた取引先の営業担当者で、私より二つ年上です。彼が子供を欲しがっていたので、付き合い始めて半年で結婚しました。しかし、結婚して二年が過ぎても、なかなか子供に恵まれませんでした。医者にも相談したのですが、夫婦ともに問題はないようなのです。子作りにご利益のある神社にも参拝しました。やはり駄目でした。もうすぐ四十歳になります。残された時間は少ししかありま

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時間を測る男の物語

時間を測る男の物語

私はある会社で、経理を担当しています。もう25年間この仕事一筋でやってきました。

今の若い人たちには信じられないでしょうが、私の若い頃は帳簿はすべて手書きでした。伝票を手で書き、一日の締めが終わると、それを元帳に書き写していきます。科目ごとの合計の計算はすべて算盤で、計算結果をまたもや手書きします。最後に試算表を作成して、やっと一日の業務が終了するのです。もちろん、計算間違いがないか、もう一人の

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時間を貯める男の物語

時間を貯める男の物語

<これも『時間にまつわる物語』の番外編です。実経験から作りました。>

僕が時間を貯めようと思ったのは、まだ僕が二十歳を超えたばかりの、ある出来事がきっかけだった。

ある朝、僕は通勤のため最寄り駅まで歩いていた。すると、身長が2メートルはあるかという大男が僕を抜き去っていった。

よし、同じペースで歩いてみよう。気まぐれにそう思った。右足、左足と、大男と同じリズムを刻みながら、僕は歩いた。イチ、

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時間を繰り返す女の物語

時間を繰り返す女の物語

<『時間にまつわる物語』(『「本当の自分」殺人事件』の中の短編小説)の番外編です。もし気に入ってもらえたら、是非『時間にまつわる物語』も読んでみてください。よろしくお願いします。>

あの日に戻りたい。

誰もがそんなことを思ったことがあるでしょう。
あの日に戻って初恋の人に自分の気持ちを伝えたいだとか、あの日に戻って喧嘩別れした友人に謝りたいだとか、あるいはあの日を境に自分の人生がうまくいかなく

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