夫婦関係崩壊のきっかけは「生理前」だった? 月経に“人格”を奪われる女性たちの苦悩
連載「月経に“人格”を奪われる女性たち」
突然イライラしたり、不意に涙が出てきたり、生理前は自分が制御不能になる――。月経に伴う下腹部の痛みや貧血など身体症状については近年、社会でも認知されるようになったが、生理前に起こる心身の症状については、あまり知られていない。体重増加や疲れを感じやすいなど体の変化のほか、緊張感や不安の高まり、注意力の欠如や脱力感などメンタル面の不調を伴うことがあり、医学的には「月経前症候群:PMS(Premenstrual Syndrome )」と呼ぶ。特に心の症状が重い場合を「月経前不快気分障害:PMDD(premenstrual dysphoric disorder)」という。日常生活にも支障をきたすこともあるが、なかなか周囲の理解を得られず、仕事や人間関係の悩みやトラブルを一人で抱えがちだ。
■夫には「サボっている」と見えた
PMDDと診断を受けた中部地方在住の望月莉枝さん(仮名・43歳)は心の症状が重く、自分の感情や気分の落ち込みをコントロールできなくなるときがあるという。生理前は家に一人でいると、「死にたい!消えたい!」と希死念慮が浮かんできて、メールや電話で友人や母親に「死にたい」と訴えることも。ところが月経がはじまると心が落ち着くため、冷静になって謝罪に行く……ということを繰り返していた。
「PMDDの症状で、人間関係がうまくいかないことが増えました。職場でトラブルがあっても、生活のためには仕事を辞めるわけにもいかず、今はコロナのせいで転職は厳しく、その気力も湧きません。八方ふさがりで、希死念慮につながることも少なくありません」
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