シェア
夏澄の優しげな仕草も、透きとおった瞳も、やはりまぶしい。 風花は目を細めた。 「久し…
「う、うん……」 風花はそれだけしかいえなかった。 まっすぐな視線を受けると、どきど…
「……どんな泉だったの?」 自然と、風花の声にも感情がこもった。 「水の精霊の国の、空…
夏澄にいわれ、風花は結界の中で、息を潜めるようにしていた。 「スーフィアさんたち、だい…
「ここから出ていけば、だいじょうぶだよ」 「ありがとう、夏澄くん」 「じゃあ、今度は蓮峯…
夏澄は風花とローフィを重ね、違うと分かり、また絶望したのだろう。 ああなった夏澄に、…
スーフィアは風花を振り返った。そっと窺ってみる。 やはり、風花はローフィとは印象が違う。大体、ローフィが持っていた強大な霊力を感じない。 「ねえ、飛雨……」 「なんだよ」 「なんであの娘は、七回も夏澄のところに来たのかな」 「知るかよ」 飛雨は苛立ちを隠さない。 「飛雨はしっかり見張っていたんだでしょ」 「ああ、あの女……、じゃない、風花は、隙間から入り込むみたいにして、いつの間に網を抜けてるんだ」 飛雨は苦々しくいう。 「昨日だって、オレがちょっとよ
そうだ、もうひとつと、月夜はもう一度ぽんぽんする。 「パパが『お客さん』連れてきたぞ。…
霊泉の南にある山の中、ひとつの影が闇に紛れていた。 影は樫の木の枝に身を乗せている。…