マガジンのカバー画像

水の空の物語 第2章 空の上に湧く泉

31
第2章をまとめました。 夏澄の夢に憧れる風花。ますます魅かれていきます。
運営しているクリエイター

#出逢い

水の空の物語 第2章 第9話

 夏澄の優しげな仕草も、透きとおった瞳も、やはりまぶしい。  風花は目を細めた。 「久し…

近江結衣
1年前
6

水の空の物語 第2章 第11話

「う、うん……」  風花はそれだけしかいえなかった。  まっすぐな視線を受けると、どきど…

近江結衣
1年前
8

水の空の物語 第2章 第13話

「……どんな泉だったの?」  自然と、風花の声にも感情がこもった。 「水の精霊の国の、空…

近江結衣
1年前
6

水の空の物語 第2章 第20話

 夏澄にいわれ、風花は結界の中で、息を潜めるようにしていた。 「スーフィアさんたち、だい…

近江結衣
1年前
7

水の空の物語 第2章 第23話

「ここから出ていけば、だいじょうぶだよ」 「ありがとう、夏澄くん」 「じゃあ、今度は蓮峯…

近江結衣
1年前
7

水の空の物語 第2章 第26話

 夏澄は風花とローフィを重ね、違うと分かり、また絶望したのだろう。  ああなった夏澄に、…

近江結衣
1年前
7

水の空の物語 第2章 第28話

 スーフィアは風花を振り返った。そっと窺ってみる。  やはり、風花はローフィとは印象が違う。大体、ローフィが持っていた強大な霊力を感じない。 「ねえ、飛雨……」 「なんだよ」 「なんであの娘は、七回も夏澄のところに来たのかな」 「知るかよ」  飛雨は苛立ちを隠さない。 「飛雨はしっかり見張っていたんだでしょ」 「ああ、あの女……、じゃない、風花は、隙間から入り込むみたいにして、いつの間に網を抜けてるんだ」  飛雨は苦々しくいう。 「昨日だって、オレがちょっとよ

水の空の物語 第2章 第30話

 そうだ、もうひとつと、月夜はもう一度ぽんぽんする。 「パパが『お客さん』連れてきたぞ。…

近江結衣
1年前
4

水の空の物語 第2章 第31話

 霊泉の南にある山の中、ひとつの影が闇に紛れていた。  影は樫の木の枝に身を乗せている。…

近江結衣
1年前
9