人間の美しさは偽物である(短編小説)
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人間の美しさは偽物である。
「人は、自分よりも美しいものに嫉妬する」と、誰かが言っていたように、自分の醜さを嫌というほど自覚している私は、他人が自分より美しくあることを妬むのである。
私は、自分が醜いことをよく知っている。
だから、私のような醜い者が、他人を羨んだり、その美しさを褒め称えたりする資格などないのだ。
でも、それでもなお、私は、私の理想とする美しさを持つ者に、憧れてしまうのだ。
私が本当に求めるのは、『美』ではないのかもしれない。
それは、き