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町屋良平 最高日記

金原ひとみのインタビュー記事を読んでいた。
文藝の「私小説」の責任編集にあたり、自身と小説がオーバーラップされることをおそれてか男性の小説家に何人か断られた、と言う話を読んだ。

その翌日、私は定時で打刻し、地元でいちばん立派な総合図書館へ自転車で30分かけて赴いた。

総合図書館、レンガ調の建物がかっこいい。小さい頃からレジャーランドとしてよく行っていた。近くに福岡タワーがあるんで路肩に車を停めて記念撮影してる人がいた。一人一花という福岡市の緑化活動ののぼりが掲げられた公園でちびっこサッカーが行われている。なぜナイターなのか……?

平日夜の図書館は本を物色している人は少なく、立ちながらカウンターに並列された新聞を見ている人がずらりといて全く訳がわからない。私はこの光景がいつも奇妙で新聞ゾンビって心の中で読んでいる。あんたが立ちっぱなしで足を疲れさせてまで読みたい新聞を毎月取らずに図書館で読んでタダで済ませてることでいずれ新聞社が潰れて読めなくなるんじゃないの? うちは朝日新聞とってるので内内で御託を並べられる。

そういう私も文芸誌はほんとうに繰り返し読むであろう号しか買わないし常に文学界への罪悪感がある。近所の本屋も最近つぶれたし……ごめんなさい。

文芸誌が並んでいる戸棚を開けるとバックナンバーが並んでいて、運良く「文藝 2022 秋」があった。

ぱらぱらして、あっ町屋良平の作品あるやん!と思って気軽に読み始めた「私の推敲」……

まじでこの私小説がいつまでもいつまでも紙面を超えて永遠に続いてほしいと思うほど衝撃的に面白かった。

図書館の椅子に座って満面の笑みを浮かべてしまうくらい……警備の人にめちゃガン見された……そのあと尊すぎてなみだでた。

noteとかで人の書いたエッセイ等読むのが好きだけど、終わらないでこの文章!!って思ったことなんて当然なかった。
もはや小説が好きなのか町屋さんの存在が好きなのかわからない、とにかくこの世に存在してくれてこの世で小説を書いてくれてありがとうございますと言いたい……

とりあえず文芸誌に町屋良平の私小説載ってたら絶対買おうって戒めた平日夜だった。

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