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創作の森 エンターテイナー・ストリート

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甘野充プロデュースの創作に特化した共同運営マガジンです。 共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。 自作の小説、詩、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンタ…
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 甘野充プロデュースの共同運営マガジン「創作の森 エンターテイナー・ストリート」です。  共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。  小説、詩、エッセイ、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンターテイメント作品をnoteで公開している人たちが集まって、作品を披露する場となります。  参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。  たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。  参加費は無料!  ぜひともご参加

【連載小説】公民館職員 vol.28「食事」

進藤さんからの返事はこうだった。 『私もいつも楽しく図書室で過ごさせていただいて、いつも感謝しています。お礼と言ってはなんですが、今度食事にでもいきませんか?』 キター(・∀・) リア充展開キター!! 植田さんからもお墨付きだし、これはもしや、長いこと待ち望んだ春がやって来た?! いやいや、ここは慎重に、男に飢えていることを悟られてはいけない。 従って食事にほいほいついていってはならない。 だけど……我慢できませんでした。 『食事、是非是非!いつにしますか?』

【連載小説】公民館職員 vol.27「進藤さん」

それから三日間はぐーたらと寝て過ごした。 いかん。やはり仕事がなくては、私はダメ女になる。 三日間、妹は超アクティブに動いていた。若さがうらやましい。あと、彼氏もうらやましい。リア充め!! 明けて四日からは仕事だ。これでぐーたら女から卒業できる…… ぐーたら女から卒業して仕事の準備を始める。 薄く化粧をし、伸びてきた髪の毛を一つに束ね、正月一日目ということで、ばっちりスーツで決め込む。 私はちずると違って私服派なので、節目節目にはスーツで決めている。本庁のころは制

【連載小説】公民館職員 vol.26「正月」

年末はだらだら過ごした。少しくらい大掃除をしなさいという母の言うことも聞かずに、漫画を読みふける。 大晦日は久しぶりに菅やんと、同期の伊藤ちゃんと、カラオケに行く予定だ。 あんなことがあったにも関わらず関わってくれる菅やんに私は大変感謝している。 伊藤ちゃんは男性で、ちょっとオネエっ気がある年上だ。伊藤ちゃんに会うのは実に三年ぶりとなる。伊藤ちゃんは東京事務所に出向だったからね。超久しぶりに会うので私も楽しみだ。 大掃除を少し手伝うと、母に買い物に乗せていけと言われる

【連載小説】公民館職員 vol.25「菅やん・・・」

マリンタワーへ行って以来、菅やんが公民館へ訪ねてくることが激減した。当然と言えば当然か。せっかく飲み友達ができたと思ってたのに…… 菅やんの告白を受ければよかったのかな?そしたら幸せになれたのかな? 終わってしまったことに思いを馳せる。 でも、好きでもない人とは付き合えないし!! 付き合っていくうちに好きになることもあるかもしれないけど、菅やんはどこからどう見ても友達としか思えない。見た目云々とか、そういうことではないけれど、友達から進展しそうにない。 それなのに付

【連載小説】公民館職員 vol.24「クリスマス」

おっさんにクリスマスプレゼントを贈る準備が整う。 タイピン、喜んでくれるといいな。 東京の住所を書くと宅配便に出した。おっさん、びっくりするだろうな……ふふふ。 菅やんとは次の土曜日に会う予定だ。クリスマスプレゼントのこと、詳しく聞かねば!! 今回のお出かけ先はマリンタワーだ。 一度行ってみたいと思ってたんだよねぇ。 海沿いにあるマリンタワーからは、夜景が一望できるそうだ。ゆえに、今日のお出かけは午後から。 高速で二時間ほど走ると、街中に入った。 大きな大きな

【連載小説】公民館職員 vol.23「クリスマスの準備」

https://note.com/tibihime/n/n373dc9dcdeb6 その日は映画と少しカフェでおしゃべりをして帰った。 映画の趣味がよく似ていることにびっくりした。 音楽の趣味もまあまあ似ている。 これで親友道一直線じゃない? 私は元々女の子が苦手で、あまり女の子の友達はいなかった。 ちずるくらいかな、友達と言えるのは。 今となってはそれもどうかわからないけど、ホントにそのくらい女の子の友達はいなかった。 だから、いつも男子にまみれて遊んでいた

【連載小説】公民館職員 vol.22「映画」

今日は休みだ。 土日に休みなんてほとんどないけど、なにしよう? と思っていたら菅やんからメールだ。 『仕事頑張ってるー?』 ああ、昨日は今日が休みだって言ってなかったっけ。 『今日は仕事休みー。暇だー!』 と返す。 しばらく漫画を読んでいたが、菅やんから返事が来る。 『ドライブにでも行かない?』 いいけど……この雨の中でドライブねぇ。 『行ってもいいけど、どこへ行く?』 『ドライブだけじゃなんだから、映画でも見るか?奢るよ』 奢りで映画、いいじゃん、気

ニーチェ「ツァラトゥストラ」

ニーチェ「ツァラトゥストラ」 (前略) 私は哲学者ニーチェの『ツァラトゥストラ』(手塚富雄訳、中央公論社1973)が自分の極度に緊張した日々の意識状態のバランスを保持するのに適していた。ニーチェの翻訳された著作はほとんど読破した。哲学者はプラトンやアリストテレス、ヘーゲル等々、山頂にいる存在を主に読む。他はその亜流に過ぎない。 近代のニーチェやアルチュウル・ランボオ以降に影響を受けた一般に実存主義と称される哲学、文学は自然科学に依拠する相対的世界観に呪縛され、無方向が方

【連載小説】公民館職員 vol.21「図書室と菅やん」

シャワーから戻ってしばらくすると菅やんが目を覚ました。 「ちょっと、小便」 と言って出ていく。私はあらかじめ買っておいた酎ハイで喉を潤す。 菅やんは戻ってくると、第一声に 「ごめん!」 と言った。 「ごめん!ほんっとーにごめん!俺のせいでこんなとこに寝泊まりすることになって……」 「だーいじょぶだって!ただ、あたし明日って言うか今日仕事だから、一休みさせてもらうね!」 時刻は4時半をまわっている。 菅やんは、 「え?!そうなの?!それなのにこんなに遅くまで

作詞:「🌈夢は死なない🌈」諦めたつもりでも!

夢に背を向け 生きていた こんなものさと 自分をあざむき でもむなしくて 満たされなくて あきらめないで 心のどこかで 声がする 夢は死なない あきらめたつもりでも     夢に蓋して 生きていた 私なんかと 自分をみくだし 生きづらくても ひたすら耐えた あきらめないで 心のどこかで 声がする 夢は死なない あきらめたつもりでも 息ぐるしさに 顔をあげたら のぞみの虹を見た 天の虹 あきらめた夢に 希望の橋かけた あきらめないで 心のささやき キャッチして 夢は死なな

【連載小説】公民館職員 vol.20「ぐでんぐでん」

「菅山!待たせてごめん!」 私が駆け寄ると、菅山は、 「こんな時間まで待たせちゃって、俺の方こそごめん」 「いやいや、いいって。さて、どこへ行く?焼き鳥、串カツ、刺身……」 「焼き鳥いいね!」 その一声で焼き鳥屋に決まった。 街中は夜中すぎまで開いている店が多い。 すこしぶらっと歩いて、一軒目の店に入る。明日は土曜日で休みの人が多いからか、お店は人で一杯だ。 適当に座敷に座ると、まずは一杯。 「「かんぱーい!」」 適当に頼むと飲み始めた。 「いやー、まじ

【連載小説】公民館職員 vol.19「待ち合わせ」

失恋した菅山の姿は私と重なって見えた。 「よし、菅山、今日飲みに行こう!」 「え……今日?今日は残業で11時くらいになりそうなんだけど……」 「そのくらい待つって!」 「そう……?なら、行こうかな」 「たまには羽を伸ばさないと!仕事もうまくいかないって!」 「うん……なんか、ありがとな」 「ううん、なにもしてやれないからさ」 菅山はありがとうと言いながら職場に帰っていく。その後ろ姿をみながら、私はうんうん、と頷く。 よく考えたらちずるも同期で同じ職場なのに声

朝の詩 90

にぎやかに 優しく 鳥が鳴く 光に満ちた朝 緩やかに 夜は明けていき 昨夜の怖い夢を ふーっと 吹き飛ばす 朝の風 澄み渡る空から 溢れ出す 光の筋を掴もうと 生き物たちが 手を伸ばす 朝を纏い 緩やかな風に 髪を弄ばれながら 光を浴び さあ!始めよう 新しい一日を