集団CBT~認知行動療法をグループで行う~
認知行動療法(CBT)は、とっても簡単にいうと「心」と「行動」のつながりについて学び、気持ちが楽になるように助けてくれる方法だ。
個人の思考パターンや信念が、感情や行動にどのように影響を与えるかを理解して、否定的な思考や非適応的な行動を修正することを目指す。
そんなCBT、個人のセラピーでも用いられることもあるのだが、グループで実施することもある。
私はうつ病もしくは適応障害の方を対象とした集団CBTに昨年から携わっており、先日今年度の1クール(3ヶ月間 全12回)が終了したので、ふりかえっていく。
グループでCBTを行う際には、心理教育→実践の流れで行っていく。
心理教育では、認知行動療法ってなんなの?うつや適応障害ってなんなの?ということを深く理解する。
実践では、ワークシートを用いて、自分の思考や感情、行動に焦点をあてていく。そしてグループワークで検討していく。
そうすることで、自分の「考え方のクセ」に気づき、これまでの考え方や対処法を反証して、新しい考え方や対処法を考えていく。そんな流れである。
具体的には、自分が嫌だなと感じた状況を取り上げて、その時にどんな考えが浮かんで、どんな感情が沸いて、結果どんな行動をとったのか、ということを書きだす。そして、グループで話し合って、こんな考え方もできるんじゃないか、こうしてみても良いかもしれない等と話しあう。
毎週やっていると、だんだん前向きな対処が出来てきたりして、それをまた皆で称えたり、難しかったことは再検討したり、そんなことを繰り返していく。
普段、自分がモヤモヤした出来事について、自分自身でもこんなにじっくり振り返ることはないし、他の人に共有して、じっくり皆で考えるという機会もあまりないだろう。
こうしてふりかえり、メタ視点で見つめなおすことは、ものすごく効果を感じている。
渦中にいると、どうしても視野が狭まって苦しさがある。
こうして少し距離をとってみると、それだけでほっとするし、新しい対処法もみえてくる。
そして集団CBTの良いところは、人の温かみも感じるところである。
3ヶ月間、毎週顔を合わせて、日頃の出来事をシェアしたりする仲間となる。
毎回メンバーは違うけれど、いつもそのメンバーでしか形成されない、温かい時間が流れることを実感する。
12回のプログラムが終了すると、3ヶ月後にもう一度だけ集まって近況報告をして、グループは解散する。
もう集まることはないが、メンバーそれぞれが今日もどこかで日々を生きているんだろうな、と思いを巡らせることも感慨深い。
来クールも楽しみである。
さいごに、生成AIに認知行動療法の「自動思考(出来事に対して勝手に浮かぶ考え)」「感情」「行動」のつながりを表すようなイラストを作ってみてとお願いしたら、以下のイラストを作ってくれた。
ちょっと矢印が変だったり、腕や脚がところどころないのが気になるが(笑)全体的には可愛い。ありがとうAI。