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心の余裕と読書量は比例する
「心の余裕と読書量は比例する」
と、ふと思った。心や生活に余裕があるときは、じっくりと読書をしたくなる。自宅で、カフェで、移動中に。少しの時間であっても、心を穏やかにさせる読書の時間を愛していられる。
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一方で、心に余裕がないときは、いくら物理的に時間があったとしても、まったく本を読む行為から離れてしまう。ソワソワ落ち着かない気持ち、イライラした焦り、とたんに落ち込んでしまう揺れ幅の大きい感情。そんな気持ちをもってして、じっくりと本の世界に入り込めるわけがない。
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そして、いまは心に余裕がないターンだ。4月に読んだ本はいまだ1冊。時間はあるはずなのに感情の浮き沈みが激しくて、それに振り回される自分に呆れて、とうとう4月も後半にさしかかってしまった。
なんとか自分を明るい方へと導いてあげようと、スタバに行っていつもは頼まないケーキを食べたり、わけもなく自転車を漕いで遠くに出かけてみたり。4月初めから不安定だった私は、少しずつ少しずつ、本当に少しずつ、回復を続けて。今日ようやく図書館へ足を運んだ。
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延滞していた本を(そして、ほとんど読めなかった本を)返して、新しい本を10冊借りる。何を読もうか。じっくりと本棚を順番に辿りながら、しだいに気持ちがスッと落ち着き、そしてワクワクしていることを実感する。「あぁ、じわじわと気持ちが回復してきているなぁ」と。
本が並ぶ環境で、「この本読んでみたい」「ずっと読みたかった本だ」「こういうジャンルも読んでみようかな」と思い巡らせる時間。心に余裕がないときは、そんな時間ですら持てないでいるし、そもそも持ちたいとも思えないでいる。30分も40分も本棚の前で悩みワクワクできる状態は、まさに心に余裕がある、ということではないか。
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ほかの区の図書館に来たら、いつもの図書館よりも広くて明るくて本の数が多くて、しまいには山が見渡せるテラスもあった。新しい場所を見つけたときの高揚感もしっかりと味わった。少しずつ大丈夫になっている。だから、大丈夫だ。
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家に帰ってどの本から読もうかと胸を弾ませる。夜寝る前に読もうと思っていたのに、待ちきれずに夕食前に読み始めてしまった。少しずつ心の余裕さを取り戻していることが、本を読みたいかどうかという気持ちではっきりと分かる。少しずつ、私は大丈夫になっている。
これからも、本を読みたいと思えるか、本を読む時間を確保したくなるかというバロメーターを持って、私自身が満たされているかどうかを時々観察したい。本を読み始めれば、きっと大丈夫。
少しずつ回復をして、いつしか本の世界に没頭して、離れられなくなっているから。
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