三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

未来社会プロジェクト代表。様々な統計をもとに世論や選挙、社会問題を研究しています。著書…

三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

未来社会プロジェクト代表。様々な統計をもとに世論や選挙、社会問題を研究しています。著書に『武器としての世論調査』。 ツイッター:https://twitter.com/miraisyakai フェイスブック:https://www.facebook.com/miraisyakai

最近の記事

パワーバランス――第50回衆院選を経た各政党の「新集票力」

 ぼくは今、第50回衆院選(2024年)の全体像を把握しようと試みているところです。そのための一助として、維新とれいわ、国民と共産、参政と保守、そして自公と野党など、任意の2つのグループを定めて対比したときに、どちらの票が多くなるのかを市区町村別に概観してみました。  一例をお見せします。次の図は、3年前に行われた第49回衆院選(2021年)の比例代表について、日本維新の会とれいわ新選組のどちらの票が上回るのかを、市区町村別に評価したものです。 「維新」対「れいわ」 第4

    • 第50回衆院選比例代表 全政党地域分析速報

       今回の衆院選の結果をうけて、すべての政党と政治団体の比例票の分布を地図上に描きました。前回からの増減もあわせて示しました。 簡単な見かた この記事に掲載した地図では、全国1892の市区町村を以下のように塗っています。  投票率については、高いほど赤く、低いほど青くなるようにしています。  得票率は、高い地域ほどその政党が強く、低い地域ほど弱いことを意味します。「絶対得票率」や「相対得票率」などの用語が出てきますが、「どこで強くてどこで弱いか」ということはほとんど違いま

      • 第50回衆院選 情勢報道集約

         第50回衆院選の各社の情勢報道を一覧にしていきます。判定の基準や配色は原則として以下の表に従います。詳細な説明や例外的な処理などはガイドラインにまとめられています。 ●それぞれの小選挙区の候補者は、上の表における「階級」の平均値が大きい者から順に並べられています。すなわち、報道が総じて優勢とみなしている候補を上から配置するようになっています。平均値が同じ場合は、最も左の(古い)情勢報道を除外して平均を再計算することを、差がつくまで行って配置します。 ●以下に掲載した各小

        • 情勢報道集約のガイドライン(第50回衆院選改定版)

           第50回衆院選(2024年)の情勢報道集約をおこなう際に用いるルールを明らかにしておきます。  情勢報道集約はこちらです。 情勢報道とは 選挙が近づくと、新聞などで次のような情勢報道を見ることがあります。  これは2024年の小山市長選について下野新聞が掲載した記事です。各候補に何パーセントの支持があるのかといった記述は見られないものの、現職の浅野氏が「先行」し、新人の小川氏が「懸命に追う」ことが読み取れます。  このように、今の日本で選挙情勢を報じる際は、調査から

        パワーバランス――第50回衆院選を経た各政党の「新集票力」

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        • 衆院選、おつかれさまでした

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        • 風邪をひいてちょっと休んでいます

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        • 今日から情勢報道集約をスタートしました

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        • これからの予定など

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          パワーバランス――第50回衆院選を経た各政党の「新集票力」

           ぼくは今、第50回衆院選(2024年)の全体像を把握しようと試みているところです。そのための一助として、維新とれいわ、国民と共産、参政と保守、そして自公と野党など、任意の2つのグループを定めて対比したときに、どちらの票が多くなるのかを市区町村別に概観してみました。  一例をお見せします。次の図は、3年前に行われた第49回衆院選(2021年)の比例代表について、日本維新の会とれいわ新選組のどちらの票が上回るのかを、市区町村別に評価したものです。 「維新」対「れいわ」 第4

          パワーバランス――第50回衆院選を経た各政党の「新集票力」

          第50回衆院選比例代表 全政党地域分析速報

           今回の衆院選の結果をうけて、すべての政党と政治団体の比例票の分布を地図上に描きました。前回からの増減もあわせて示しました。 簡単な見かた この記事に掲載した地図では、全国1892の市区町村を以下のように塗っています。  投票率については、高いほど赤く、低いほど青くなるようにしています。  得票率は、高い地域ほどその政党が強く、低い地域ほど弱いことを意味します。「絶対得票率」や「相対得票率」などの用語が出てきますが、「どこで強くてどこで弱いか」ということはほとんど違いま

          第50回衆院選比例代表 全政党地域分析速報

          比例投票先精密分析【継続更新】

           この記事には過去6年間にわたる政党支持率と比例投票先のグラフを載せています。更新を継続していくつもりですが、大変なので毎週はできないかもしれません。 ※直近の更新は2024年10月9日です。 自民党 以下の図1は、自民党の比例投票先の平均の推移です。  各社の世論調査は方法などの違いによって、特定の政党について高めの数字が出やすかったり、低めの数字が出やすかったりする固有の傾向をもっています。ここではそうした傾向を打ち消すように補正したうえで平均を求めました。一つ一つ

          比例投票先精密分析【継続更新】

          キャッチコピーのはなし

           よみものです。今回はみちしるべ内部での公開とさせてください。

          支持率の長期的推移【継続更新】

           この記事には過去12年間にわたる内閣支持率と政党支持率のグラフを載せています。 ※直近の更新は2024年11月4日です。  各社の世論調査は方法などの違いによって、特定の政党について高めの数字が出やすかったり、低めの数字が出やすかったりする固有の傾向をもっています。ここではそうした傾向を打ち消すように補正したうえで平均を求めました。一つ一つの世論調査を補正した結果は以下のリストの点のとおりで、平均は曲線で示しました。  世論調査が発表されると、近ごろ支持率が上がっている

          支持率の長期的推移【継続更新】

          リアルタイム議席数推定【継続更新】

           もしも今、ただちに衆院選や参院選の投票が行われたとしたら、各政党は比例代表でいくつの議席を得るポテンシャルを持っているのでしょうか。ここでは政党支持率をもとにして、その仮想的な議席数を一日きざみで計算し、毎週更新していきます。この推定の趣旨は、選挙前に報じられる比例代表の獲得議席数について、普段からの推移を継続的に明らかにすることにあります。  これはまだ試作版であり、以下の点に留意をお願いします。  ここで扱うのは比例代表に限ります。参院選は全国比例の議席数を、衆院選

          リアルタイム議席数推定【継続更新】

        記事

          比例投票先精密分析【継続更新】

           この記事には過去6年間にわたる政党支持率と比例投票先のグラフを載せています。更新を継続していくつもりですが、大変なので毎週はできないかもしれません。 ※直近の更新は2024年10月9日です。 自民党 以下の図1は、自民党の比例投票先の平均の推移です。  各社の世論調査は方法などの違いによって、特定の政党について高めの数字が出やすかったり、低めの数字が出やすかったりする固有の傾向をもっています。ここではそうした傾向を打ち消すように補正したうえで平均を求めました。一つ一つ

          比例投票先精密分析【継続更新】

          キャッチコピーのはなし

           よみものです。今回はみちしるべ内部での公開とさせてください。

          はじまりの、そのまえに

           総裁選が始まって自民党が注目を集め、衆院選で野党は厳しいだろうと言われるようになりましたが、それには大きな間違いがあります。  以下に示すのは、総裁選の投票日にむけてカウントダウンするようにして描いた自民党の支持率です。すなわちここでは左端が総裁選の1年前にあたり、右端が総裁選の投票日に対応するものとなっています。菅義偉氏が選出された2020年の総裁選を水色の線、岸田文雄氏が選出された2021年の総裁選をオレンジの線、今回の総裁選を緑色の線でそれぞれ示しました。  この

          支持率の長期的推移【継続更新】

           この記事には過去12年間にわたる内閣支持率と政党支持率のグラフを載せています。 ※直近の更新は2024年11月4日です。  各社の世論調査は方法などの違いによって、特定の政党について高めの数字が出やすかったり、低めの数字が出やすかったりする固有の傾向をもっています。ここではそうした傾向を打ち消すように補正したうえで平均を求めました。一つ一つの世論調査を補正した結果は以下のリストの点のとおりで、平均は曲線で示しました。  世論調査が発表されると、近ごろ支持率が上がっている

          支持率の長期的推移【継続更新】

          リアルタイム議席数推定【継続更新】

           もしも今、ただちに衆院選や参院選の投票が行われたとしたら、各政党は比例代表でいくつの議席を得るポテンシャルを持っているのでしょうか。ここでは政党支持率をもとにして、その仮想的な議席数を一日きざみで計算し、毎週更新していきます。この推定の趣旨は、選挙前に報じられる比例代表の獲得議席数について、普段からの推移を継続的に明らかにすることにあります。  これはまだ試作版であり、以下の点に留意をお願いします。  ここで扱うのは比例代表に限ります。参院選は全国比例の議席数を、衆院選

          リアルタイム議席数推定【継続更新】

          世論調査の解釈について

           世論調査の解釈について思うところがあったので、簡単に書くことにします。  事の発端は、衆院議員の米山隆一氏から次のような引用を受けたことでした。  彼のツイートには、立憲民主党の支持率が先月から2.2ポイント増の12.3%となった共同通信の世論調査を引用したうえで、「私の議論は今の所殆ど全くマイナスに影響していないどころか、今の所立憲の支持は寧ろ増えています」と書かれています。  ぼくとしては世論調査への言及一般に口をはさむつもりはありません。しかしここでは、ぼくのツ

          フランス国民議会選「2回投票制」の攻防――はじめの票は心で入れて、2度目の票は頭で入れる

           今年6~7月に行われたフランスの国民議会選挙では、議席の過半数をうかがうとみられた極右勢力が、最終的に第3党へ追い込まれるという波乱がおこりました。フランスでは日程をかえて2度の投票を行う「小選挙区2回投票制」が採用されており、1回目を終えて極右の優位が鮮明になると、他の各党はその勢いを止めるべく協力して2回目へと臨み、形勢を逆転させたのです。そこで行われた攻防をデータを使って読み解いてみましょう。 小選挙区2回投票制 フランスの国民議会選挙は小選挙区制であるものの、投票

          フランス国民議会選「2回投票制」の攻防――はじめの票は心で入れて、2度目の票は頭で入れる

          フランス国民議会選「2回投票制」の攻防――各勢力の票の詳細

           2024年6月~7月に行われたフランスの国民議会選挙について、各勢力の絶対得票率の分布をまとめました。この記事は図表のみの掲載です。  記事本文は下をご覧ください。

          フランス国民議会選「2回投票制」の攻防――各勢力の票の詳細

          イギリスの政権交代

           今年7月に行われたイギリスの総選挙では労働党が勝利をおさめ、14年ぶりの政権交代がおこりました。この出来事はどのように理解されるのでしょうか。また日本の選挙を考えるうえで、ここからどのような洞察が得られるのでしょうか。若干の検討を行ったのでその結果をまとめました。 獲得議席数 まずは全体の議席がどれほど動いたのかを振り返るとともに、登場する主要な政党を確認してみましょう。図1に前回の選挙(2019年イギリス総選挙)の議席数を、図2に今回の選挙(2024年イギリス総選挙)の

          議席数推定シミュレーション・選挙時の挙動といま

           今月のはじめに公開したリアルタイム議席数推定シミュレーションは、もしも衆院選や参院選の投票が毎日おこなわれたとしたら、各政党が比例で得られる議席は日々どのように推移することになるのかを計算し、追跡するという試みでした。考え方などの詳細は以下の記事を参照してください。  今回は、先の記事でお見せできなかった前回の衆院選や参院選のときを含む長期的な計算を行い、選挙時に起こる激しい動きを考察していきます。また最新の世論調査を反映し、現在までの推移を通して見ていきます。  今回

          議席数推定シミュレーション・選挙時の挙動といま

          リアルタイム議席数推定シミュレーション

           もしも今、ただちに衆院選や参院選が行われたとしたら、各政党は比例代表でどれだけの議席を得るポテンシャルを持っているのでしょうか。今回はその推移を一日きざみで計算し、追跡することを試みました。 政党支持率の平均 議席推定の出発点としたのは、世論の動向で公開している政党支持率の平均です。図1に全政党を含むものを、図2に10%未満の拡大版をそれぞれ示しました。  これらのグラフでは、時間的な解像度を引き上げるために、各社の世論調査を統合して平均をとっています。先月、産経新聞・

          リアルタイム議席数推定シミュレーション

          G7各国の支持率を出せるようにしました

           世論の動向などに掲載している支持率の平均のグラフを、アメリカ、イギリス、カナダ、イタリア、ドイツ、フランスについても出せるようにしました。今回はそれを簡単にレポートします。  外国の世論調査では次の選挙における投票先を聞くのが一般的で、日本で言われる政党支持率とは少し意味合いが異なります。しかしロイターやブルームバーグなどをはじめ、NHKなど日本のマスコミもそれを単に支持率と呼ぶことが多いため、ここでもあえて区別をせずに支持率と書きました。本当は投票意向とでもいうのが正確

          G7各国の支持率を出せるようにしました