支持率の長期的推移【継続更新】
この記事には過去12年間にわたる内閣支持率と政党支持率のグラフを載せています。
※直近の更新は2024年11月19日です。
各社の世論調査は方法などの違いによって、特定の政党について高めの数字が出やすかったり、低めの数字が出やすかったりする固有の傾向をもっています。ここではそうした傾向を打ち消すように補正したうえで平均を求めました。一つ一つの世論調査を補正した結果は以下のリストの点のとおりで、平均は曲線で示しました。
世論調査が発表されると、近ごろ支持率が上がっているとか、下がっているといった議論がされるのが常となっています。それは支持率を介して、人々が何に関心をもち、どのような方向にどれくらい動くのかを探ろうとする見方だといえるかもしれません。
他方で支持率には、選挙に対する具体的な効力というもう一つの見方が存在します。たとえば前回選挙で5議席を得た政党があったとき、この政党の最近の支持率が前回選挙の時よりも高ければ、次回の選挙は5議席を上回る可能性があるはずです。逆に前回選挙の時よりも低ければ、次の選挙では5議席を下回ることが見込まれます。それは漠然とした「近ごろ」にどう変わったかということではなく、前回選挙から今までの様々な増減の結果として、蓄積した支持率の落差が問題となります。
現在は参考として、第49回衆院選(2021年)当時の水準を表示しています。第50回衆院選(2024年)は終わりましたが、選挙の振り返りのために、第49回衆院選(2021年)との落差を確認することが目的です。
なお、国政選挙の前後では、支持率が急激に動く現象がしばしばみられます。そこで当時の水準としては、投票日だけでなく解散時のものも示すことにしました。グラフには「49回衆解散時」「49回衆投票日」と表記してあります。
解散時の水準は、衆議院が解散されて、そこから実質的に選挙が始まっていったというスタートの時の支持率です。もしもそれを上回るならば前回よりも有利なラインから選挙戦を始めることができますが、下回るなら不利なラインからのスタートとなってしまうでしょう。
そして、選挙運動を通じて支持者を増やして、投票日にやっと到達したのが投票日の水準にあたります。こちらは前回並みの結果を得るために到達するべき水準として、目標の目安となるはずです。
内閣支持率
まず内閣支持率から見てみましょう。この図には左から安倍内閣、菅内閣、岸田内閣、石破内閣の支持率が表示されており、その曲線は首相が交代するところで切れています。石破内閣はまだ発足したばかりなので曲線が短いことに注意してください。右端の[支持]のラベルがついているところが最新です。
安倍内閣の発足時には平均62%、菅内閣の発足時には平均65%、岸田内閣の発足時には平均50%の支持率があったことがわかります。
石破内閣の当初の支持率は平均46%で、岸田内閣を下回る結果でした。衆院選の敗北に前後する形で急落が起きましたが、第二次石破内閣の発足を受けて現在は上昇に転じています。
内閣の不支持率
次に不支持率ですが、この図に示された安倍、菅、岸田、石破内閣の発足時を見ると、石破内閣の不支持率は高めであったことが読み取れます。
その不支持率は衆院選を経て上昇しましたが、第二次石破内閣の発足を受けて下落に転じているようです。
無党派層の占める割合
無党派層の占める割合を見てみましょう。ここからの図は内閣支持率や不支持率と違い、縦軸の上端を65%として描いていることに留意してください。
無党派層の平均にはところどころに深い溝が刻まれていますが、これは主に衆院選と参院選に対応するものです。こうした大規模な選挙のたびに無党派層は平均30%前後まで降下してきました。
無党派層は政党を支持しない層なので、それが減るということは、そのぶん政党支持層が増加することにほかなりません。つまり衆院選や参院選の際には政党支持率が鋭く上がる現象があるわけです。これが政党支持率の「選挙ブースト」で、普段は無党派層である人たちが、投票日が近付くにつれて改めて政治を考えて、各党の支持者へと分散していくことのあらわれです。また、選挙後には躍進した政党の報道が増えることから、有権者への認知が進むことで新たな支持者が生まれ、選挙ブーストに上乗せされる傾向もみられます。
今回の第50回衆院選(2024年)でも選挙ブーストは発生し、無党派層は第49回衆院選(2021年)並みに下降することとなりました。
ここからは、現存する全ての政党の支持率を同様に解説していきます(ただし現在はまだ日本保守党に対応していません)。今後の選挙に向けた情勢認識としてクリアなものをお見せできると思います。全文公開の形でなくて申し訳ありませんが、これを作るのはかなり大変なので、読んでいただけたらとても嬉しいです。