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完璧で究極の人事評価制度

完璧で究極の人事評価制度、既に字面から昭和臭さが漂っています…。

ここ数か月間、新規のお客様からの人事評価制度についてのご相談に対応しております。これら新規のお客様ですが、新型感染症の影響をあまり受けていない業種業態の企業さんで、世間一般の逆風とは逆(?)に業績は好調、ただし、不思議なことに社員さんのモチベーションが目に見えて低下しているそうです。

「在宅勤務が難しい職種なので在宅勤務ができない。新型感染症予防を気に留めながらの通勤や勤務は面倒でストレスが溜まる一方」

「現在の繁忙は一時的なものかもしれない。新型感染症の影響が小さくなったときに自社の業績はどうなるのか」

社員さんのご意見としては他にもあるようですが、経営トップの方としては業績好調なこの時期に社員さんのモチベーションが低下するようでは、先に来るかもしれない業績不調時にはいったいどうなるのかと大きな不安を覚えられたようです。

「社員さんのモチベーションアップを考えたい」

「業績が好調なので決算対策として外部業者を使って施策を実施したい」

で、お声がかかりました。ありがとうございます。

経営トップの方にお話しをお伺いする中、次のようなありがたいご意見も頂戴しております。

「予算の心配はしなくていいので(決算対策がメインだよ♪)、完璧で究極の人事評価制度をお願いします」

このあたり、昭和の人間同士なので、完璧で究極の人事評価制度のイメージは一致するのですが、私たちの考えは別の方向を指していました。

おそらく経営トップの方のイメージは、等級制度を中心に給与制度(退職金なども含む)、評価制度(目標管理や昇進昇格アセスメント、360度評価も含む)を体系的に設計し、さらに運用システム(外部業者システム利用もあり)も開発、全体が完成後、導入・運用・定着に向けた社内広報なども合わせて実施…。

「だって社長! あるでしょ? 今、既に人事評価制度が!」

「いやだってあれは使い難いというか…」

このような状況において、経営トップの方が目指す「完璧で究極の人事評価制度」なんて策定して実施しようものなら、今回、本質的な目的である「社員さんのモチベーションアップ」に機能しないどころか、反対にモチベーションダウンにつながること間違いなしですよね。

ということで私たちの提案は、次のような内容となりました。

・今ある人事評価制度はそのまま使用、現状、給与制度は曲りなりにも運用されているので、この2年間は等級制度も含めリプレースは実施しない。

・今から実施する「人事評価施策」は、等級制度と給与制度と連動させないし、既存の人事評価制度とリンクさせない。つまり人事評価施策は年度内にいくつか実施するものの、狭い範囲での建付けを前提とする。

・いくつかの人事評価施策は、実施した後、必ず社員の皆さんにフィードバックを行う。経営トップの方、上司の方、人事部門の方、あるいは私たち、または外部のキャリアコンサルタントの方、「誰がフィードバックを行うか」を問題とせず、「フィードバックを行う」というシンプルさを追いかけるとともに、このフィードバックに予算を含めてリソースを集中する。究極は、社内の人間がフィードバックを行うだけでなく、社外の人間である私たち、あるいはキャリアコンサルタントの方々もフィードバックを行うものとする。

さすが経営トップの方は私たちの意図をすぐに理解していただき、OKとGOを出していただけましたが、人事部門の方はご自身たちの鍋にある既存の人事評価制度とセパレートするということを、理解できないというかしたくないというか…。

結局、社員さんだって理解しているはずです。全員が納得できる完璧で究極の人事評価制度(給与制度や等級制度含む)なんてないってことを。そして人事評価制度の中の給与制度や等級制度については、社員さんにとっては前提であり、与件であり(中長期で大変動する場合はありますが)、当該に対する不満はあまり大きくないことが各種の調査で明らかになっている(?)はずです。

社員さんの不満の射的は「人事評価制度」にほぼ向かいますよね。

一方、制度の建付けに対する不満に比べて、運用、つまり「何を評価されたのか」、「誰が評価したのか」、「いつを評価したのか」、「いつ評価したのか」、「なぜこのような評価結果になったのか」、「結果、どうなるのか」、「結果、どうすればいいのか」などが事前に明らかにされていない、もしくは事後に明らかにされない。こちらに対する不満が圧倒的である現実があります。

このような現実を背景に、ここ数か月の新規のお客様からの人事評価制度についてのご相談、実行する施策についての質量は異なりますが、このような本質で実施させていただくことになっております。

またあらためて結果についてご報告できる機会はあるかと思いますが、完璧で究極の人事評価制度、これも何を目的にするのかによって姿が大きく異なるのではということをお伝えさせていただきました。

そしてある1社の経営トップの方から苦言を頂戴したこともご報告します。

「今回のこの見積書だけど前に言ったよね」

「決算対策として外部業者を使って施策を実施したいって」

ありがとうございます。

では有難く膨らませていただきます

今回の記事、いつもの人材アセスメントや昇進昇格アセスメントを含む大きな切り口からご案内させていただきました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、上記の私たちのサイトでも、情報発信を進めております。合わせてこちらもよろしくお願い申し上げます。

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