「1mm成長ノート」とは
マイクロ人事部長の髙橋実です。
仕事柄なのか、多くの社会人の方や若手人事の方からキャリアのご相談をお受けすることが多いのですが、その中でも、こんな悩みをよく聞きます。
・自分には、誇れるものがない
・周りと比べて、自分は実力がない
・足りないものが多くて、どうしたらいいのかわからない
そんな人には、「1mm成長ノート」をつけることを、オススメしています。
「1mm成長ノート」とは?
たいしたものではないです(笑)
要は、日記です。
でも、ただ、漠然と日記をつけるのではなくて、毎日昨日より今日頑張ったことを1つだけ書き留めていくものです。
たいしたことでなくてもいいのです。
・電車でおばあさんに席を譲った
・同僚の悩み相談に乗ってあげた
・取引先のプレゼンで褒められた
・新しい仕事にチャレンジを始めた
昨日まではできなかったけれど、今日頑張ったことを、毎日ちょっと書いていくのです。はじめは「こんなことでいいのかな」と思うことでも、あえて書いてみる。
そして、そんな自分を、思い切り褒めてあげてください。
もし、「今日は、成長できるチャレンジができなかった」と思ったら、「今日は全然気分が乗らずに、1mm成長できることが一つもなかった」と書いてください。いいんです。それで。恰好をつける必要はありません。ありのままに、素直に、書いてあげればいいんです。
日記なので、毎日続けてください。
1年続ければ、365回成長できる
こうして「1mm成長ノート」を、1年続けていたら?
なんと、365回も、成長したことになる!
これって、すごくないですか?
あなたは、たった数行かもしれない、日記を書き続けていただけ。でも、それを1年続ければ、自分でも知らないうちに、365回も成長し続けていられるのです。
できない日もあったかもしれないけれど、1年経って見返してみてください。365日で、何勝何敗だったか、計算してみてください。「すごい勝ってるな」そう思えば、自分が思った以上に成長しているはず。「負けが込んでいるな」そう思ったら、さらに続けてみてください。いつか必ず、勝ち越すことができるはずです。
僕は、30代の時に、とても悩んでいました。
今思えば、本当に「イケてない」30代だったと思っています。
20代は、目の前のことに一生懸命注力して、頑張っていたつもりです。でも、ふと周りを見渡したら、あれ?自分ってそんなにイケてないじゃん。学生時代からの同級生は、明らかに自分よりいい仕事をしていたりする。そんな自分に本当に嫌気がさしていて、自信が全くありませんでした。
そんな時、この「1mm成長ノート」を始めました。
競争相手は、他人ではない
この1mmノートを書き始めて数か月したら、うまく言えないのですが、ふっと抜けたような感覚になった時がありました。その時、気づいたのです。
ああ、僕は、周囲の人と自分を比べてばかりだな。
そうなんです。自信がない、というのは、周囲のすごい人(なりたい姿だったりする)と自分を比べているのです。そして、そんな人と自分を比べてできていないと感じてしまい、ああ、自分はなんの努力もしていないとか、努力しても報われないとか、全然実力が追い付かないとか感じて、さらに自信を喪失してしまう。
これ、本当に悪循環。
自信をなくして、さらに、やる気までなくしてしまう。
グータラな日々を過ごしたりしていました。
そうなんです。そんなすごい人にポジティブな気持ちを持つことはいいけれど、自分が憧れていたりすごいと尊敬している相手が、いつの間にかできない自分をクローズアップする材料になってしまっている。
いいんです。自分なりで。
これに気づいてから、少しだけ、気が楽になりました。
こんな経験をした自分が今感じているのは、周りの人と自分を比べることは、人生で一番無駄な時間だと思っています。
(そうは言っても、今でも比較してしまうことはあります。僕の周りの「すごい人たち」も、みんな、同じ悩みを抱えています)
いいじゃないですか。あなたは、あなたなりで。
努力ではなく「歯磨きをするように」
この「1mm成長ノート」をつけていると、そのうち「これ、本気でやってみようかな」と思うことが、少しずつ見えてくるはずです。
でも、そこで「頑張ろう!」と思わない方がいいと思っています。
僕は「努力」という言葉が、嫌いです。
だって、努力って、辛いじゃないですか(笑)。
辛いことを続けろって言ったって、辛い(笑)。努力を続けられる人は、ほっておいてもできる人なので、この記事は読まなくてもいいかもしれません(笑)
ちなみに、夜寝る前には必ず「歯磨き」しますよね?
僕は、頑張ることは、歯磨きくらいのレベルでやるべきだと思っています。
さすがに歯磨きは、辛くないですよね?
大事なのは、続けること
努力よりも大事なことは「続けること」だと思っています。
中谷彰宏さんも言っています。
したい人、10000人。
始める人、100人。
続ける人、1人。
そうなんです。続けていれば、周りは勝手に辞めていく。
だから、続けていれば、いつの間にか、すごい人になっている。
「プロフェッショナルになる」
これは、すごいことをやらなくてもいい。
それよりも、続けていること。唯一頑張るとするならば、「続けること」だけ頑張れば、そのうちプロフェッショナルと呼ばれるようになります。
みんな、続けている
どんなプロフェッショナルだって、みんな、続けている人。
僕は、常にこの3人のレジェンドは、すごいと思っています。
でも、3人とも「自分は普通な人(もちろん才能もあるけれど、それよりも「続けること」に頑張った人)」だと言っています。
①イチロー
もう言わずもがなのレジェンドですよね。
でも、そんな彼が一番こだわっているのは、続けることです。
「よく、人より頑張ったからとか、何倍も練習してきたからこういう結果が出るんだって言われますけど、そうじゃない。
人の何倍もの努力なんて、できっこないんです。ただ、自分の限界を少しだけ超えることを重ねてきたんです。
(中略)そうやって歳を積み重ねてきただけの自信があったから、心が折れようとも泰然としていられた」
(Number 2018年5月17日号より)
②安室奈美恵
20周年の彼女のライブにひょんなことから行って、そこから大ファンになりました。残念ながら引退してしまいましたが、彼女のライブはMCが一切なし。歌って踊る。そしてそのステージを「続けてきた」だけ。でも、そんな彼女もずっと悩んで今を確立しています。
周囲に流されず自分の原点・強みに立ち返り、徹底的にこだわり抜く「覚悟」。同時に、安住せずに挑戦に身をさらしつつも世の反応に学び修正していく「謙虚さ」。
③三浦知良
僕より年上で、それでも現役Jリーガーを続けている彼には、尊敬しかありません。続けていくことになによりも拘る。でも、その原点は「大好きなこと」だからなんですね。
「もちろん、続けていくことは大変です。でも、大好きなことだったら、楽しいじゃないですか。
それはサッカーに限らず、普通の会社勤めをしている人でも同じだと思います。
好きだから、大変なことでも嫌にならないし、こだわれるし、楽しめる。サッカーが好きだ、楽しいっていう気持ちには年齢もキャリアも関係ないと僕は思います」
それぞれ、タイプは違うけれど、この3人の共通点は「続ける」ことにあるのではないかと僕は思っています。
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