お金より愛を選んで幸せな板長さん。
先日、盛岡に講演で伺った時の話です。
仕事を終えて、帰りの新幹線までゆっくり時間があったので「よし!盛岡の地酒とお寿司で1人お疲れ会でもやろう!」と駅ビルのお寿司屋さんに。
時は夕方まだ4時。カウンターだけの粋なお店でしたが、お客様は私だけ!
「ラッキー!」お寿司屋さんではカウンターに座って板前さんとの会話が美味しいお寿司に更に彩りを加えてくれるもの。
早速、美味しい地酒やおススメのネタをお聞きしながら色々話をさせて頂きました。
元々、東京に住んでいたという板長さん。そして、なんと本籍が私の自宅のすぐ近く。
「えーっ!なんでまた盛岡に?」図々しくお聞きすると、「家内が出身なんです。実は東京に住んでいた時、大病を患いましてね。で。空気がいい所に引っ越そうと、家内の実家がある盛岡に引っ越したんですよ」と。
あの「あまちゃん」で有名になった三陸海岸エリアだそうです。
「いい所ですよね、羨ましいなぁ」なんて地酒ですっかりほろ酔いの私でしたが、この後のお話に目が覚めた!
「実は、東京で板前をしていた時に、ある人から中目黒に出店しないか、と誘われましたね。出資してあげるから、オーナーでって。すごく条件がいい話だったんです。でも、家内の病気がちょうど重なりましてね。それで、お断りして、家内と一緒に盛岡に引っ越しましたが、今は本当に良かったと思います。」
そして、
「更によかったのが、実はこの時期にサリン地下鉄事件がありましてね。
ちょうど、私が東京で働いていたら築地に魚を買い付けに行く電車がその時刻だったんですよ。だから、命拾いまでしちゃって。」と、笑いながら仰いました。
人は「お金」が絡むとどうしても自分の心が揺らぐもの。
中目黒での出店をしていたら、もしかしたら大稼ぎしていたかもしれない。
でも、彼は「本当に今はやめてよかった」と最高の笑顔で仰いました。
そして、今では奥様もすっかりお元氣になられたそうです。
「もう、東京には帰りませんよね?」とお猪口を傾けながらふとお聞きするや否や、間髪入れずに「絶対に帰りません。盛岡が最高です。」と仰った板長さん。
命と愛をお金と引き換えにした結果のご褒美は、お金では買えない物なのでしょうね。
氣学で学ぶ!マインドフルネス 山本 忍でした。