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マインドフルネスは心のトレーニング

マインドフルネスの瞑想は

「リラックス」
「心を落ち着かせる」
「ストレス解消」
「心地良くなる」

といったことを目的に行うものではありません。これらを目的とした瞑想はマインドフルネスではなく、ただのリラクゼーションです。「マインドフルネスもどき」と呼んでもいいでしょう。

私がお伝えしている「本気のマインドフルネス」と「マインドフルネスもどき」は、サッカーとラグビーくらいの違いがあります。共通している部分もありますが全然違う競技。似ているようで似ていないのです。

いつもお伝えしているようにマインドフルネスの瞑想や実践は、リラクゼーション法ではありません。

マインドフルネスの瞑想は「今この瞬間」の気づきを得て、囚われずに自己観察することです。これを継続することで、心が強くなっていきます。

心が強くなることのメリットはたくさんあります。一つはうつ病などの精神疾患を予防できること。

「うつ病は心の弱さとは関係ない」「心が強い人でもなる」と言う人がいますが、それは嘘です。心が強いをどう定義しているのかわかりませんが、うつ病を始めとする精神疾患は、大半が心の弱さが招いたものです。

心が強い人でもうつ状態になることはありますが、それは一時的なものです。囚われずにいれば、自然と回復します。

うつ病は心とは関係なく脳がどうとか、セロトニンの分泌が少ないなどと説明する人もいますが、それは結果であって原因ではありません。

医学ではわざわざ因果関係を逆にして説明しているケースがとても多いのです。理由は薬を飲ませたいから?

心が強いとはどういうことでしょうか?

それは自分の意思とは無関係に浮かぶネガティブな思考や感情、過去や未来に囚われないこと囚われても囚われを自分で手放す能力が備わっていること。

ストレスを感じないとか、不安や後悔が生じないことが心が強いというのではありません。

ストレスは生きている限り当たり前にあるものですし、どれだけマインドフルネスの瞑想に取り組んでも、不安や後悔などのネガティブ思考や感情は浮かんできます。そこに囚われないことが大事。

囚われないために、囚われても自分で手放すことが出来るようにマインドフルネスの瞑想や実践に取り組み、心をトレーニングしていくのです。


心をトレーニングすることで、EQ(心の知能指数、感情知性)もアップします。EQとは簡単に言えば、自分や周りの人の感情を適切に察知し、理解して調整し扱う能力のこと。

EQが高い人ほど、自分の状態を自覚して感情を認めたり、他人を受け入れることが出来ると言われています。人生をより良く生きるためには、IQよりEQを高める方が良いという研究者もいます。

アメリカでマインドフルネスが流行ったのは、企業が従業員のEQを高めることが発端でした。従業員のEQを高めることで、リーダーを育成したり、ハラスメントの予防やメンタルヘルス対策につながると考えたのです。

それがどれだけ生産性を向上させたのか?は議論の余地がありますが、心をトレーニングすることで人生がより良いものになることは間違いありません。


巷に広がっているマインドフルネスの瞑想の9割はリラクゼーションを目的にした「マインドフルネスもどき」です。「マインドフルネスもどき」にいくら取り組んでも心が強くなったりEQがアップすることはありません。

指導者レベルでも「マインドフルネスもどき」をマインドフルネスと誤解している人がけっこういます。そもそも誤解している人達は指導者なのか?

またマインドフルネスでよく用いられる「今この瞬間」「気づき」「囚われない」「自己観察」は概念ではありません。

体感するもの、実感するものです。体感を伴うから心と身体が変化するのです。言葉に囚われてはいけません。

いくら勉強して知識や言葉を詰め込み、理屈がわかっても何も変わりません。それどころか余計な言葉に囚われて、より悩みや問題がこじれていきます。

プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。

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