マガジンのカバー画像

SF、読書のよろこびマガジン

161
大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

【読書日記】米澤穂信の黒牢城がスゲくてスゲくて声も出ねえよ

【読書日記】米澤穂信の黒牢城がスゲくてスゲくて声も出ねえよ

まだ読み終えてないのでネタバレしません、できません。

いくさのあと、誰がより上の位の敵を討ち取ったか、誰に褒美をさずけるべきかを検分する「首実検」をテーマに一章書いた着眼点がすごい!
生首が常に出てくるから映像が手をつけにくかったところに踏み込んだ面白さにくわえて、かぶとの形の流行とか、身分の低いものが上の者と会話するときにどんな姿勢でどんな態度だったのか、どれだけ取材したのかわからない細かいネ

もっとみる
【読書メモ】蜜柑と檸檬、どっちかを食ってどっちかを読みました

【読書メモ】蜜柑と檸檬、どっちかを食ってどっちかを読みました

梶井基次郎の檸檬を読んで、蜜柑を食べました。
本好きを名乗っている割に教科書に乗るような古典を全く知らないんですが、ひとつひとつハードルを跳ぶように読む。
ふと手にしたレモンを爆弾に見立てた人らしい、という認識でしたが、本当にその通りでした。

ただし、その表題作が唯一の愉しい想像で、あとはずっと、30代前半で死んだ作者が、病をわずらって寝込んだまま冬の景色を静かに描写している。

その静かな迫力

もっとみる