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真似されて 思考を少し 時を置き そして本物 やはり違うか

施設にヤギが戻ってきた。以前にもヤギがいた場所だが、施設のいろいろな関係が理由なのだろう。一時期、別の場所に行ってしまったのだ。だが、戻ってきたと聞いたので見に行ってみた。すると確かにヤギがいる。こちらの存在に気付くことはない。黙々と口を動かしている。口の上と下を左右に一定の速度で動かしていた。餌を食べているのだろうか?

しばらくすると、ヤギの鳴き声を真似する声が聞こえる。真似た声の主は子供のようだが、一般的に知っているヤギの鳴き声をまねたのだ。だがヤギはその反応をスルーして黙々と口を動かしていた。聞こえないのかもしれない。また似ているようで全く違う音階なので、それが自らの発する鳴き声とは別物と理解しているのだろうか?

子供はしばらく眺めていたが、ヤギが相手にせずにひたすら口を動かしているので、飽きてしまったようだ。そのままヤギのいる前から立ち去った。その時だ。突然ヤギが口を動かすのを止めた。そしてしばらく固まっている。何があったのか、子供がいなくなった気配を感じたのだろうか?

数秒の時が流れた。突然ヤギが姿勢を正すと、ひと声大きく鳴く。遠くに響き渡る鳴き声は子供の真似とは大いに違う。ひとつだけ鳴いたらまたヤギは口を動かし始めた。いったい何を意味するのか?ヤギと本当のコミュニケーションは取れないからわからない。だた一瞬止まって数秒後に鳴いたとなれば、本当の鳴き声を子どもに対して示したのではないか?そんなことを想像した。

真似されて 思考を少し 時を置き そして本物 やはり違うか
(まねされて しこうをすこし ときをおき そしてほんもの やはりちがうか)

本日の記事「河内長野にいるヤギ(記事内部)」を参考にしました。

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