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秋山に 古き旅館 再生へ 必要無きは 成仏宴
「先生、成仏宴ってどいう事ですか」研究生の質問に教授は得意げになる。「ここでいう成仏は人のことではない古い建物だ、例えばあれ」
教授が指さしたのは古い空き家である。「あのまま古民家が放置されたらいずれ朽ちてしまうだろう。その前に宴会をすれば建物が成仏できると私は信じている」と、教授は自ら命名した成仏宴について語った。
「そうそう、この近くには著名人も泊ったことのある松中亭という旅館があったが、確か廃業したと聞く。そこも空き家でだれもいないなら、いずれあるべき成仏宴を行うべきところだろうなあ。どうなっているか行ってみよう」
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教授に伴われて研究生が向かった先は河内長野の観心寺の近く。「お、おお!」教授は驚きのあまり声を出す。てっきり空き家で放置されていたと思われていた旅館に工事が入っていたから。
「まさか建物取り壊すのか、まて、成仏宴が先だ」教授はそう言って中に入ったが、担当者の話では建物を生かした再生に向けての工事中とわかった。「教授、意外でしたね」研究生の一言に教授は短歌を口ずさむ。
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秋山に 古き旅館 再生へ 必要無きは 成仏宴
(あきやまに ふるきりょかん さいせいへ ひつようなきは じょうぶつえん)
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今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:あるべき成仏宴)
今日はこちらの記事「旧松中亭旅館の再生」をモチーフにしています。
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