上堂本店醬油蔵 ~お醬油づくり、今と昔~
先日河内長野駅近くにあるイベントに参加してきました。醤油をテーマにした内容。実は河内長野ではかつて小さな醤油蔵があって醤油を醸造していたそうです。ただ今は行っておらず、古い醤油蔵だけ残りました。そこで行われたイベントです。
こちら「上堂本店」というところ。場所は河内長野駅前にある古いアーケードの長野商店街内です。食料品店がかつてここで醤油が作られていましたが、いつしか醸造を止めて酒や食料品の販売店のみなったとか。しかし近年、古い醤油蔵を整備してそれを使ってライブなどいろんなイベントを行っています。
こちらが、上堂本店のフェイスブックページです。
こちらがイベントの内容。黒板に書かれた手書きの看板がいいですね。
こちらが当日のプログラム。兵庫県養父市で昔ながらの醤油づくりを行っている、大徳醤油の方の公演がメインのようです。
少し早く会場に入りました。昔の写真が登場しています。ラブリーホールと言えば、河内長野の中心にある大型のホールですが、昔はこんな雰囲気とのこと。これだけでも見る価値がありました。
ここは元々しょうゆを醸造していたところをこうやって講演会やライブができるように整備したもの。古い木の桶やレンガなどの建物に伝統的なものを感じます。
そして始まりました。醤油についての講演会です。
こちらが大徳醤油の会長。同じような醸造のモノとして日本酒やみそがあります。又それとは違ったしょうゆについての作り方や醤油業界について熱く語られていました。
こちらが大徳醤油のホームページです。
中には醤油業界におけるいろんなエピソードが登場して、終戦直後のGHQとの関係や、大手メーカーとのやり取りなど、こちらで書くのは流石にまずいかなと思えるような、生々しい話を聞くことができました。
いったん休憩ののちは、醤油蔵について、昔の写真や整備される前の状況などの解説がありました。
こちらは下河内麹屋の志賀野恵さんの講演。しばらく休眠していた醤油蔵で残された道具を使って醤油づくりの再興を2019年から始めたとのことです。再興といっても、商用で作っているのではなく、手作りで少量を作ってみようという試みとのこと。
河南町で下河内麹屋というのをやっているそうです。さて河南町の位置を確認しましょう。河内長野から見て東北の方角に千早赤阪村があり、そのさらに北隣にある自治体です。
そして2021年からは醤油の主要原料でもある醤油麹の仕込みまで始めたそうです。そのレポートの説明があり、質疑応答を経てこのイベントは終了しました。
終了後に、実際に仕込んで発酵・熟成をしている樽を見せてもらいました。1年かけてこの工程を行てから、最後に搾って醤油ができるそうです。
これは熟成が終わった諸味の状態から醤油成分だけを搾り取るための装置。少量を作る装置がないから。このときのために特注で作ったそうです。
このイベントは1000円でしたが、お土産がついていました。それがこちらの醤油です。この醤油は2019年から始まった上堂本店で再興され、作られた醤油。長い年月休眠していた蔵が再稼働して作られたという非常にレアな醤油といえます。冷蔵庫保管が必要とのことで、現在保管中。さて市販の醤油とどう違うのか? 実際に試したときに楽しみです。