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走らない 歩みはやめず 夢つかむ ビールづくりも 秋の熱意で

走らない、慌てない、それが良かった。目の前にあるのは醸造用のタンク類、男は1年半の夢を無事に果たした。男はビールの醸造士として修業を積みいろんなビール醸造所を渡り歩いた。だが、ようやく安住の地を見つけたようだ。
良い社長と出会った。社長というのは元々日本酒を作っている家の子孫だが、先代の頃には日本酒造りを止めてしまったのだ。だが当代社長は大きな酒蔵跡を使って何かしたいという強い思いを持っていた。あるひ醸造士と社長は知り合い意気投合した。それが1年半前、昨年の春のこと。

当初は1年という目標を立てていた。だが古い日本酒の蔵をビールの醸造所に帰るというのはそうたやすいものではない。設備投資もあれば古いものを取り換えて新しくしなければならないのだ。ある程度の資金はあったがそれも無限ではなかった。ボランティア的に手伝ってくれる人がいないか、古い知り合いを頼りつつ、夢に向かって歩く。走らない。慌てない。その代わり一歩ずつ確実な壁のクリアを求めて。

「ついに、醸造免許が下りた。後はビールをづくるだけだ」秋になり夢への最後の関門を取ったした醸造士はそう言って胸を張る。そして仕込みの初日、ビールづくりを行いながら、頭の中に次のような短歌が浮かんだ。

走らない 歩みはやめず 夢つかむ ビールづくりも 秋の熱意で
(はしらない あゆみはやめず ゆめつかむ びーるづくりも あきのねついで)

今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。

こちらの本日の記事、富田林の寺内町で新たにクラフトビールを作るブルワリー(醸造所)が稼働したという話題をモチーフに創作しています。

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