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給料が1/3になって、お金の価値観が変わった理由
「もっとお金があったら幸せなのに・・・」
誰もが一度は思うことなのかもしれません。
かつて私も思っていました。
「お金があれば好きなモノが好きなだけ買える」
「お金があれば好きなことができる」
「お金があれば、お金の心配をしなくていい」
でも、本当にそうなのでしょうか?
転職で、一度は収入が0円になった私が見つけた、お金の本当の価値についてお話します。
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会社員時代の私は稼いでいた方だと思う。
なぜなら、欲しいものを躊躇なく買うことができていたから。
20代半ばから外資系企業に勤務していた。
外資系企業は日本企業と比較すると給与水準が高い。
だから私もその恩恵を受けていた。
ただ裏を返すと、それだけ厳しい環境だということ。
外資系では成果を求められる。
成果を出さなければ、有無を言わさずサヨナラを告げられる。
私が勤務してた会社はモデル企業として有名だった。
世界中から優秀な人材が集まり、グループは世界規模で成長を続けていた。
世界中の名だたる経営者たちが、私が勤務していた企業のシステムを取り入れようとしていた。
私もそんな風土に憧れ、志望した一人。
でも、憧れが現実に打ち砕かれるのに時間はかからなかった。
本国(米国)との時差があるため、深夜、早朝に会議が行われるのは日常茶飯事。
常に寝不足だった。
仕事は人の10倍こなして一人前と認められる。
スピード重視。
返事が送れるなんてもってのほかだ。
深夜まで残業をしていた友人が過労で倒れて、救急車で病院に運ばれたときに、
「あの資料、いつできるの?」
と電話があったくらいだ。
ねぎらいの言葉一つない。
報酬がいいということは、それに値するものが求められるということ。
たくさん貰っていたはずなのに、当時は貯金もできていなかった。
仕事量と、それに付随するストレスやプレッシャーと比例して、
身の回りのものはハイブランドで固められていった。
たまのオフは、同僚とディナーを楽しんだ。
とてつもなく高級なお店だったことは覚えているけど、
料理の味よりも、仕事の愚痴や毒を吐きまくった記憶しかない。
仕事がハードになればなるほど、
私はお金も時間も浪費した。
今思うと、そんな自分を変えたかったのかもしれない。
ある日、会社員であることを手放した。
その時の私の未来は不確かそのもの。
パーソナルトレーナーという、知識も技術もコネもない世界にカラダ一つで飛び込んだ。
運よく第一希望だったフィットネスクラブと契約することができた。
だが、現実は甘くはない。
業務委託のトレーナーなので、自分でクライアントを獲得しなければ収入は得られないのだ。
勤務した初月、私の明細は0円だった。
一生懸命、働いてもパーソナルトレーニングのセッションがなければ無報酬。
フィットネスクラブの会員さんは優しかった。
無料である限り。
込み入ったこと、料金が発生しそうになると、途端にシビアになる。
世の中、無料で教えてもらうことが大好きな人がたくさんいることを、そのときに知った。
初めてセッションした日の感動は今でも忘れない。
お試しの30分のセッション。
クライアントが支払う料金は3,300円。
そこからフィットネスクラブの取り分を差し引かれ、私が受け取るのは2,100円ほど。
そこから経費の交通費を引いたら、いくらも残らない。
それでも、その2,100円はとてつもなく重かった。
2,100円を手にするまでに、どんなに大変だったことか。
会社員時代の私には想像することもできない世界だ。
私が手にした2,100円には、クライアントの想いが詰まっている。
「今よりも良くなりたい。宜しくお願いします。」
私は確かにそれを受け取った。
会社員時代は給与は定期的に口座に振り込まれるもの、程度の認識だった。
何十年も、給与とはそういうものだと思っていた。
初めてクライアントから受け取った2,100円は、私の価値観を大きく変えた。
それは駅伝のたすきのようなもので、クライアントから私に繋がれた。
「クライアントの想いを私はどうするのがいいんだろう?」
初めてお金の使い道について真剣に考えた。
今までは、欲しいものがあれば買う。
食べたいもの、行きたい場所があれば行く。
お金は、私の「したい」を手助けするツールだ。
でも、クライアントから受け取ったお金をそんな風には使いたくなかった。
考えた末、クライアントから受け取ったお金は、自分を向上させるために使うことに決めた。
知識や技術を向上させるための研修、本・・・
それらに惜しみなく投資することにした。
私が向上すれば、それをクライアントに還元できる。
クライアントが満足すれば、また私に想いを託す。
私はそれを受け取り、更に自分をアップデートする。
お金は循環するエネルギーだ。
今まで、お金は仕事をしたことの対価として受け取っていた。
それも間違えではない。
でも、そこから踏み込むと、
お金はエネルギー交換。
しかもそのエネルギーは生き生きと生きている。
そこから良い循環が生まれれば、循環の輪はどんどん広がっていく。
会社員時代、私はお金があれば幸せだと思っていた。
今の3倍の報酬を得ていた。
十分すぎる額だ。
しかし、本当の意味での幸せではなかったと今は思う。
なぜなら、そこにエネルギーの循環の輪はできていなかったから。
会社から報酬を受け取る。
自分のために使う。
その先には何もない。
お金に命は宿らない。
だけど、パーソナルトレーナーになってからは、
お金に命が宿った。
私が受け取るお金は命を吹き込まれ、
エネルギーの輪となって循環している。
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実は、この記事を書こうと思ったきっかけが。
昨日、初めてnoteでチップをいただきました。
「いつか自分が書いた文章で報酬を得たい」
ずっと心に秘めていた(noteではオープンにしているけど)想いが叶ったのです。
この貴重なチップで何をするか考えました。
ワクワクしすぎて、寝不足になったほど。
初めは、もっと良い記事が書けるようamazonで本を購入しようと思っていたのだけど、note内で使用させていただくことにしました。
☆応援したいクリエイターへのチップ
私自身がチップを受け取って、本当に励まされた(うまく表現できないけど、めっちゃ感動×感謝×感動×感謝)ので、誰かの応援をさせていただきたいって思っています。
そして、その人がまた誰かの応援をしたら、応援の輪、ポジティブなエネルギーの輪がnote内に循環したら素敵だなぁって。
今でも、お金はあったらいいなぁと思っています。
それだけ選択肢や可能性が増えるということだから。
でも、お金は誰かのために使うことで生かされる。
よりパワーを持つものだと思います。
生きたお金をどんどん増やしていきたいし、
お金が生きる使い方をしたい。
お金はエネルギーでありパワーでもあるから。