今後の人生において「必読の書」かもしれぬ…
大学時代、図書館司書の免許を取得するために温泉宿に2ヶ月下宿したことがあります。たまたま司書資格を取得できる大学が温泉地にあったため、下宿は温泉宿を大学側から斡旋してもらいました。「温泉宿に」というと一見贅沢な感じですがこれがなかなか過酷でした。
なぜかって…
8畳の部屋に女3人で。
2ヶ月過ごしたからです。
司書資格を取りたい大学の友人と3人で申し込んだら、そういうことになりました。2ヶ月丸々住みますからね、安い方が良いわけで、当時1泊2食付きで5000円くらいだったかな?それに申し込んだら、8畳1間に3人で住むことになったわけです。
友達3人で同じ部屋で過ごすんです。同じ部屋で寝て起きて大学に行って帰ってきても・・・寝る時間までずーっと一緒なのです。温泉宿なので和室に布団3つ敷いたらそれだけでいっぱいになる8畳に。それが2ヶ月です。同い年でも朝起きて見るテレビが違うんですよ。朝イチから微妙な空気が漂います。楽しいこともありましたが「人と住むのというのはとにかく大変だ」という少々ネガティブな思いが私の中に残ってしまいました。
そんな「人と一緒に住むのはムーリー」と思っていた私が、
昨年noteで開催された「読書の秋コンテスト」の課題図書を眺めていると衝撃的なタイトルの本を発見!
『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』
(幻冬舎単行本)
いやいやいやいやいや!!
オタク女子が4人で、って。タイトルだけでビビる私。3人でも大変だったのに4人って。
いや、待てよ・・・
こういうのって奇数より偶数の方がうまくいくのかも。3人だとどうしても1人になる人が出てきますからね、3人より偶数の2人や4人の方がバランスもとれますかね。
そして私は女芸人さんの「阿佐ヶ谷姉妹」が好きなんですけど、お2人が「女芸人2人暮らしよりオタク女子4人暮らしは益々楽しそう~」と帯に書かれてましたから、ちょっとそこにも興味を持ちました。
この本は4人のうちの1人のフリーライターさん(この本の筆者、藤谷千明さん)が「4人暮らしを始めようと思ったきっかけからお家探し、契約、引っ越し、実際の生活」を書かれたものです。
現実の話なので超リアル!
若かりし頃、二ヶ月の女3人下宿生活で「みんなで住むって大変。もう無理無理」と思っていた私ですが、実は・・・シェアハウス的なものに淡い憧れがあったようで。
憧れの気持ちと「とは言っても大変なんじゃないの~?」という疑心の間で揺れ動きながら、この本を読み進めました。
読んだ結果として・・・
もしこれから(誰かと住んでみようかな)という気持ちが少しでもある方は絶対に読んだ方が良いです!!
いや、今(他人と住むなんて無理~)と思っている人も「暮らしの教科書」のつもりで読んでいただきたい。
勉強になることがいっぱい!!
たとえば、本書に出てくることをチラッとご紹介すると・・・
*【犬猫可】より少ない【ルームシェア可】物件
これ、知らなかったですね~。ルームシェアはトラブルが多いので「可」の物件が結構少ないらしいです。しかも「可」だとしても住人たち全員の要望に叶う物件はなかなか見つからないとのこと。ただのファミリー物件では簡単に補えないみたいですよ。家賃も折半ですからね。これは物件探しから大変そう。しかし本書を読んでいると「その物件探しの大変そうな過程」さえ楽しそうに思えてきます。
今の時代、そしてこれからの時代はますます「結婚して家族を作って死ぬまで一緒に住む」って難しいかも。
今結婚している人だって1年後はわかりませんよ。将来1人になる可能性は誰にだって平等にあります。
そしてその時「他の誰かと一緒に住む」という選択肢が出てくるかもしれない。「シェアハウス」のメリット・デメリット、そしてそのやり方、気を付けておくことを頭に入れておくのはとっても良いことだと思います。
それを「オタク女子4人の実際の生活を覗きながら」学ぶことができる本書。
私は・・・
(こんなに楽しそうなら住めそう!)(いややっぱり大変そう)(でも楽しそう!)(そうはいっても大変そう)と心情がコロッコロ変わりながら読みました。読み終えても結局答えは出ていませんが、
状況次第でこの本が必要になる日がきっと来るはず!!と思っております。
「家庭の医学」みたいな位置づけで『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』を常備しておくことをおすすめします。
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◎この記事は幻冬舎さんのフェア「#電本フェス2021秋読書」に応募するために2020年11月の記事「憧れと疑心の間で~【オタク女子が、4人で暮らしてみたら】読書感想文」に加筆修正したものです。タイトルや内容を少し変えております。
#オタク女子が 、4人で暮らしてみたら