編集者二年目、適応障害と診断された日
体調不良で早退したのが木曜日のこと。
金曜日行けるのか行けないのか…なんてことをnoteで悩んでいたと思うが、もう自分でわかっていた。
金曜日は行けないし、なんならもうしばらく休むか辞めるかってところまできてしまっていることに。
というのも前回の経験があるからだ。
編集者一年目の去年の12月、いまよりも心身ともに壊れてしまったことがあった。
このときもすごく辛かったけど、
まだ一年目だし、そんなすぐに辞められない。
という気持ちが強くて、どうにか続ける方を選んだ。
そして処方された薬のおかげか、最近は症状も落ち着いていた。
だけど数ヶ月後のいま、結局また同じような症状がわたしを悩ませている。
・呼吸がしづらい
・胸が圧迫される
・嗚咽、吐き気がすごい
・胃が痛い
・蕁麻疹で身体中が痒い(夕方になると絶対でる)
・音が大きく聴こえる
・人混みでパニックになる
・無気力で何もできない
結局金曜日も休ませてもらったが、
では月曜日からはどうしよう。
業務は相変わらず忙しい。
ここで戻ったら、また深夜0時までの残業パレードが続くだろう。
そして、それはいつまで?
一年前のあのときより、わたしは確実に仕事ができるようになった。
だけどできるようになったら今度は、あれもこれも、さらには他の人の仕事まで任されてしまうもんだから残業は一向に減らない。
この会社にいたら、ずっとそんな風に働くの?
一体どこまでやればいいのだろう?
この身体で、モチベーションで、もうそんなに働けないと思った。
ここで頑張ってしまったら、きっと本当に壊れてしまう。
もう無理だ。続けられない。
だけど辞めるとなると2ヶ月前に言わないといけない。
あと2ヶ月、これを続けられる?
それに辞めた後だって転職活動をして、新しい職場で新しい業務を覚えて…
そんな気力、いまのわたしにある?
…。
休んでいても、月曜日からどうする?その先は?と考えることがありすぎて
もう何もかも疲れてしまった。
休みたくても休めない。
先のことを考えると億劫で死にたくなった。
いま死んだら、もう何も考えなくてよくてラクなのに。
口に出すと心配されるので口には出さなかったが、頭の中ではずっとこんなことを考えていた。
わたしはどこから間違えたんだろう。と考えては悲しくて悔しくて涙がでた。
◇
仕事を休んだ金曜日の夜。
体調が悪くて一日中寝込んでいたわたしに
夫がこんな話をしてくれた。
「すぐに仕事を辞めなくても、休職っていう方法があるよ。それにはまず医師の診断書が必要みたいだから心療内科に行ってほしい。
いまのmimiちゃんの状態を、ちゃんとしたお医者さんに診てもらった方が安心する。
今後のことは自己判断で決めないで、お医者さんと相談してほしい。
心配だから、心療内科に行くって約束してほしい。」
心療内科は前回症状があったときに一度行ったが、医師がだるくて良い印象がないので、もう行きたくなかった。
でも夫に言われて、ようやく再び心療内科に行こうと思った。
たしかにここまでくると自分でどうにかできるレベルではないのだ。
「大丈夫。一人じゃない。いつも味方だよ。」
と言ってくれる、やさしい夫。
そのやさしい夫が悲しそうにしてる。
とても心配してる。
わたしが苦しいと、この人も苦しめることになるんだよな…
そう思うと、行かなきゃ。何とかしなくちゃ。と思った。
そして夫が調べてくれた心療内科へ
月曜日に仕事を休んで行くことにした。
(前回の心療内科は嫌なので変えることにした。)
◇
初診ということもあり、何から話していいのかわからなくなりそうだったので
Webの問診票にあらかじめ詳しく入力しておいた。
そのおかげであまり説明しなくても医師は状況を把握してくれていて、少し会話した後に
【適応障害】と診断された。
こうなったのは、何かわたしに問題があったのでは?とも思っていたが、医師からは
「ほとんど労働環境のせいです。環境が改善されたら、症状も改善されます。」と説明された。
そして診断書を書いてもらい、12月末までの3ヶ月間、仕事を休職することにした。
…とはいえ会社には簡単に説明しただけで
実際休職の許可が下りたわけではない。
手続き含め、これから面談があるとのことだ。
そしてその面談には、人事の副部長や係長など
お偉いさんが総出らしい。
…怖い。
いまの自分がそんな人たちに囲まれて、上手く話せるだろうか。
そして本当に休めるのだろうか。
適応障害と診断された直後、
休職なんて迷惑だとクビになったり
3ヶ月は長すぎるから早めに戻って来い、
などと言われないだろうか。
休職したい、なんて人生で初めて申し出たため
これから何が起こるのか不安でいっぱいだ。
だけどここまで事が大きくなった以上、もう何もなかったことにして戻ることはできない。
ああ自分は良くも悪くも、取り返しのつかないことをしてるんだなと感じた。
心療内科の帰り道、気持ちのいい日差しの中で百日紅を見つけた。
大きな木にたくさんの花が咲いている。
百日紅って、この時期に咲く花だったんだ。
穏やかな秋の光が木を照らし、花も葉っぱもキラキラしている。
きれいだなあ…
百日紅を眺めながらこの一年のことを思い返した。
思えばこんな風に季節を感じることも、花をきれいだと思う余裕も、ほぼなかった。
たくさんたくさん、自分を犠牲にして働いたからだ。
朝は急いでいたし、夜はいつも真っ暗だった。
もうこれ以上自分を犠牲にできないし
自分の身は自分で守らないといけない。
これから何が起きようと、進まないといけない。
それは怖くて不安でいっぱいになるけど、
最後くらい会社や業務ではなく、自分のことを大事にしようと思った。
「大丈夫だよ。何とかなるよ。」
未来に不安でいっぱいのわたしに、
百日紅がそう言ってくれている気がした。
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