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自分にとって大切なものは自分で決めていい。そして、それはプライスレスである。(風に舞いあがるビニールシート/森絵都)
この小説を読んで真っ先に思い出した言葉がある。
「自分が良いと思ったものは誰が何と言おうと良いものだから信じて」
これは、大学生の頃に行ったおいしくるメロンパンのライブでナカシマさんが言っていた言葉だ。
自分が生きる意味とも言えるような心の支えみたいなものを人はそれぞれ持っていると思う。
生きていくのに絶対必須とは言えないまでも、ポッと心に明かりを灯してくれるようなもの。
それがないと
また出会うために生きる(対岸の彼女/角田光代)
私は今のところ結婚願望や子供を持ちたい願望がほとんどない。
実家で家族と暮らすのですら苦痛に感じることがあるし、お願いされたわけでもないのにこの世に産み落とされた自分の子どもが数々の辛いことを経験することを想像するとなんだか申し訳ない気持ちになるからだ。
なぜ多くの人たちがそれほどまでに結婚を望むのか、子どもを持ちたいと願うのか、わからなくはないものの理解しきれない。
だからこそ、この作品の