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夏の本屋

あーやられた。
困った。本当に困った。

気づけば喜びと興奮で満たされた頭の中で、そんな言葉を繰り返していた。

読書するのと同じくらい、本屋に行くのが好き。
中でも夏の本屋がもしかしたら1番好きなのかもしれない。
出版各社が行う文庫本のサマーキャンペーンが書店を彩り始めると、いつも以上に多くの本を手に取ってしまう。
気になっていた本。
特に理由はないけれど、なんとなく読むのを躊躇っていた有名作品。
様々な作品が目を凝らすまでもなく目に留まる、それが夏の本屋の様相。

新潮社のキャンペーンが7月1日から始まると、先日小耳に挟んだ。
いつ始まるかまでは気にしたことがなかったけれど、そうか、夏のキャンペーンが始まるのは7月なのか。


だから今日は油断していた。


たまに行くお気に入りの本屋へ目的も決めず偵察に立ち寄っただけのつもりだったのに、なんと集英社や角川のキャンペーンがもう始まっているではないか。
書店に入った誰もが意識せずとも目に付くであろう目立つ一角で、私の興味を惹きつける本がたくさん平置きで並べられている。

あーやられた。
困った。本当に困った。

高ぶった気持ちを落ち着けるために一度そこを離れてみても、もう頭の中はあれ買おうかなこれ買おうかなでいっぱいだ。

こんな不意打ち、ありなのか。

やっぱり夏の本屋は心躍る。

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