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中田英寿選手が好きすぎるあまり、中二病だったあの頃を振り返る

今から30年前、世はJリーグブーム真っ只中。

私のクラスメイト達は、みな大してファンでもない癖に、毎日毎日サッカーの話ばかりしていたっけ。

あの頃は、どの子もそんなにサッカーのルールすら詳しくないにも関わらず、Jリーグチップスの付録としてついていた選手カードのコレクターだった。

イケメン選手のカードが当たると、他の女の子に自慢するのが醍醐味だった。「いいなぁー!」という声を友達に貰えば、その日1日は優越感で満たされた。

ちなみに私は、といえば。

いつもラモス瑠偉選手と、今じゃおバカキャラで人気の武田選手のカードばかり当てていたように思う。

いつもお目当ての選手カードが当たらず、「またラモスかよ!これで三枚目なんだけどっ!」と、ヤキモキしていたのを覚えている。ラモスさん、武田さん。あの時はごめんなさい。

なお、ラモス選手とはそれから20年後、偶然名古屋駅でロケしている姿を見かけたことがあるので、もしかしたら私と本当に縁があった人なのかもしれない。

まあ向こうからすれば、私なんて縁もゆかりもない、知らない人なんだろうけども。

なお、その頃サッカー選手以外に女性達から人気があったのは、光GENJIやSMAPといったアイドル。

TOKIOの長瀬君に至っては、まだ出てきたばかりではあったものの「ジャニーズに、凄くカッコいい人がいる!」と女の子達が色めきたっていたのを今でもは忘れない。

そういや、うちわに「長瀬智也LOVE」と書いて仰いでる女の子もチラホラいたっけ。今となっては、彼女達にとってそんな行為は黒歴史かもしれないけど。

あの頃はアイドル派、サッカー派で女の子達の間で派閥があった。

そして、なぜか男の嗜好による謎のマウント取り合いも静かに行われていた。全く、いつの世も女のやることは大して変わらない。

サッカー選手を押す女の子達は、いずれも「ジャニーズのような男性アイドルが好きな女の子とは、私は少し違うのよ」「顔じゃないところで私は男を評価してるの」と言わんばかりの顔をしていた。

ただ、私からすれば。

結局誰を応援しようにも、自分とは遠い存在であることは間違いないし、サッカー選手を応援してる同級生達も、結局サッカーのことなんて何にもわかっちゃいないのである。

そもそも、つい最近まで光GENJIキャーキャー叫んでいた中学生の女の子達が、選手のスキルの高さとか、誰がどう凄いのかもわかる訳がない。

彼女達が評価していたのは、見た目の良さとか、インタビュー時の対応の良さとか。結局、アイドルが好きな女の子達と何も変わっちゃいなかった。

今の時代はどうかわからないが、30年前の日本には学年の女の子達のなかにアイドルそっちのけでサッカー選手に熱狂していた女の子がたくさんいた時代が、確かにあったのだ。

ちなみに、あの頃は三浦知良選手全盛期の時代。

三浦選手は、ブラジル仕込みのスキルと爽やかなルックス、カズダンスといった個性的なパフォーマンスや奇抜でユニークなコメントの数々で、多くのファン達を虜にしてきた。

まさに、サッカーブームを世に巻き起こした大スターだ。

ただ、どちらかというと三浦選手は女の子より男の子達から圧倒的な支持を集めていたように思う。

対して、当時の女の子達に人気があったのはGKの川口能活選手。端正なルックスと誠実そうな喋り方は、まさにサッカー界のプリンス。

それからしばらく経ち、前園真聖選手、中田英寿選手が登場。技術のみならず、ルックスも良くてオシャレ、スタイリッシュな雰囲気の選手が次から次へと増えていった。

そういえば、学校の友達とも「どの選手が好き?」という話をしたものだ。懐かしいなぁ。

親友は前園派、私は中田派で、お互いに選手の良さについてダラダラと語り合ったのも懐かしい。

ちなみに高校生の頃は、中田選手が好きすぎるあまり、恥ずかしながらコンパスの針で机に「中田英寿」と彫るなど、実に中二病な行為も犯していた。

きっと、クラスメイト達も私のことを「やばい奴」と思っていたことは間違いない。

そして今あの頃の行為を思い出しても、なぜあのようなことをしたのか理解ができない。どう考えて、ただの痛いJKじゃないか……。

中田、前園ブームからさらに時が経ち、そして私たちも少しずつ大人になっていく。

やがて親友は野球にハマりだすようになり、いつの頃からかサッカーの話を彼女とすることはなくなっていった。

サッカーも決して人気がなくなったという訳ではないが、少しずつ昔ほどのブームではなくなっていった。

サッカー人気が落ち着いてからも、私はサッカーバーや、男友達と一緒に試合を見に行くといった行為を繰り返していた。

そんな私も、実はサッカーのルールなんてほとんどわからないし、誰がどう上手いのかさえわからない。

私がサッカーを好きな理由は、にわかファンの人でも一緒に楽しめてしまうところだ。

野球となると、そこそこルールに詳しい人や、それぞれのチームをこよなく愛する熱狂的なファンが多い。

他のスポーツに至っては、本当にルールがわからないと「えっ、今何が起きたの?」という感じで、ポカーンとしてしまう。

もちろんサッカーにも複雑なルールがあるけど、比較的どのスポーツよりも「ゴールにボールが入れば1点」というわかりやすさがあると思う。

そして、このわかりやすさが30年前にサッカーブームを巻き起こしたような理由でもあるような気がするのだ。

今、世界はウイルスの存在により自粛の道を辿っている。オリンピックの開催も来年に延期となった。オリンピックどころか、各スポーツが無観客試合、もしくは自粛の傾向を辿っている。

スポーツ選手、そしてスポーツ好きな人からすれば、こんな辛い時期はないのではないか。

試合を見ることを生き甲斐にしている人からすれば、明日の希望を失ったも同然。そして、それ以上にスポーツ選手達はもっと絶望感に苛まれているかもしれない。

スポーツや文化には、日々生きている人たちに勇気や元気を与える力がある。

選手たちが頑張っている姿を見ることで、「明日も頑張って仕事しよう」と思えたり、感動して涙を流したり、試合の様子、あの選手かっこいいよね、可愛いから好き。などなど。他愛ない話で、友達と盛り上がることもできる。

スポーツバーや試合に行けば、隣の人とひょんなことから打ち解けて仲良くなるなんてこともある。

スタジアムやスポーツバーに行くと、現地にいる人たちと仲間意識を共有し合い、その場を楽しむことができる。

試合に勝てば、見ず知らずの人とハイタッチしたり、お酒を飲んだり、抱き合ったり。人と人との心を繋ぐスポーツの力の凄さを思い知らされる。

なお、私はあくまでサッカーの試合やサッカーバーばかり足を運ぶので、スポーツの中でも特に推しなのが「サッカー」なのである。

サッカーの魅力を120文字で語れと言われると上手く説明できないが、とりあえず現地に行けばサッカーファン達と一緒にハイタッチして楽しめる自信はある。

あとは、中田選手のオタクだった頃の話も一通りできるかと。

高校時代に中田英寿選手にハマりすぎてファンレター書こうとしたとか、実は中田選手は税理士目指して勉強してたんだよって話とか。

あとは、私が机に中田英寿選手の名前掘ってニヤニヤしてたとか。中二病全開の思い出話なら、いくらでもできると思う。

まあつまり、サッカーそのものには大して詳しくないのだけど、サッカーというスポーツの与えるパワーと、中田英寿選手そのものの魅力にどっぷりハマった青春時代を過ごしたのは間違いない。

スポーツにも自粛傾向が見られる中、なかなかスポーツの話ができず悶々としている人は多いのではないだろうか。いや、スポーツ好きな気持ちは決して自粛する必要なんてない。

友達同士で、zoomなどのオンライン飲み会をしたり、LINEグループで話し合うでもいい。それも面倒なら、私みたいにnoteやブログでスポーツに対する想いを思う存分語ってもいいと思う。

きっと、選手たちもファンのこういった行為が嬉しいはずだ。

人々からスポーツの関心が消えてしまう、忘れられてしまうのは選手達にとって最も辛いのだから。

私はこれからも、あの選手カッコいいなぁとか。爽やかだけど彼女いるのかしらとか。

そういや、中田選手最近何やってるんだろうとか。日本に住んでるのかしら。外国にいるなら今は無事なのだろうか、とか。それとも、またカップヌードルのパッケージデザインでも考えてるのかなぁとか。

とりあえず、どこかで元気に暮らしてくれたらそれでいい。……って、私は中田選手の母親か!

これからも、サッカー選手のどうでもいい話とか、他愛ない話を、私はダラダラゆるゆると夫に話し続けるつもりだ。

私の青春を、ずっと支え続けた「サッカー」というスポーツを今後も失わないためにも。


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