夢みたいだ。ラジオに自分の名前が紹介された日
数年前からライター業と、noteを細々と続けている。ラジオは、自分が話すよりも誰かの配信を聴くのが好きだ。
自分から配信することもあるが、得意ではない。そもそも、自分の声があまり好きじゃない。録音した声を再生しては「変な声だなぁ」と、落ち込むこともしばしば。
話すことは、苦手。でも、うまく話せるようにはなりたい。話し上手になると、これからいろんな場面で役に立つ気がする。ぼちぼちではあるが、ラジオも引き続き頑張ってみようと思う。
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思い起こせば、誰かのラジオで自分が紹介されることなんて、これまで一度もなかった。
そもそも私はインフルエンサーでもなければ、有名人でもない。売れっ子アイドルでもないし、誰もが知るような人気ライターでもない。
「あと10年遅かったら、AKB48のメンバーに入れたかもしれないのに」
「さんまのから騒ぎの3段目に座って、一軍女子にチャチャ入れてそう」
「新婚さんいらっしゃいに出てそう」
「ナイナイのお見合い大作戦に出て欲しい」
TVに出演してそうな人。これまで腐るほど言われてきた。けれども、残念ながらTVに出演したことは一度もない。応募したこともない。私はあくまでインターネットの片隅で記事を書く、ライターの1人である。
そんな私に、まさかラジオで「自分の名前を呼ばれる日」が訪れるなんて。
「みくまゆたんさんが〜」と、ラジオで自分の名前を呼ばれると、照れと嬉しさでニヤニヤしてしまう。
嬉しさのあまり、もう一回ほんの少し巻き戻して、「みくまゆたんさんが〜」と紹介されてる部分を聴いてみる。嬉しい。
もう一度、少し戻す。再生する。これを「みくまゆたんさんが〜」と名前が上がる度に、5〜6回繰り返していく。ラジオで私の名前が呼ばれる度に、私はニヤついた。
紹介してくださったのは、私がライターを始めて少しした頃に出会った宿木さんだ。
宿木さんは現在、言葉に関わるコンテンツの執筆・編集を手がける会社「宿木屋」を経営している。
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雪樹さんとの初顔合わせは、とあるオンライン飲み会だった。フランクに話し合えるメンバー同士、和気藹々とお話しができて、楽しかったことを今でも覚えている。出会った頃から、すでに雪樹さんはバリバリ活躍されていた。きっとこれから、業界の第一線で活躍していくんだろうなぁ。眩しかった。
それから何年かしたのち、雪樹さんとはワークシップさんのもくもく作業会や座談会でご一緒する。
オンライン飲み会をしていた頃は、まさかお仕事でご一緒できるとは思いもよらず。
同席していたじきるうさん、少年Bさん、夏野かおるさんも業界の第一線で活躍する方々だった。業界で活躍する方々のお話を聞いて、レポートにまとめる。ハンターハンターのヒソカみたいにゾクゾクした。
というか、お話を聞いている段階で胸のドキドキが止まらなかったような。業界のスターたちの会話を、こっそり覗き見している感覚だった。これが俗に言う、武者震いというやつか。座談会や取材の面白いところは、素敵なお話の第一情報を真っ先に聞けることなのかもしれない。
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私が先日noteで企画していた「自分語りは楽しいぞ」というイベントだが、実はそんな宿木さんとX(旧Twitter)で何気ないやり取りをしたことがキッカケで誕生した。
きっかけは、私が「10万文字くらい、noteで自分語りでもしてみたい」という思いつきをXに投稿したのが始まり。そのツイートに対し「面白そう!」と、宿木さんが話に乗ってくれたのである。
そこから宿木さんの提案を聞いて「面白そうだ」と思った私は、翌日noteに企画を提案する。「みんなで、noteに思い切り自分語りしてみない?」と。
何気ない思いつき。雑談。そこから面白い企画が思い浮かぶこともある。たかがジロー。されど雑談。人の意見に耳を傾けたり、雑談を楽しむことを侮ってはいけない。
企画はnoterのみなさんが楽しく参加してくださったこともあり、大盛況を迎えた。参加してくださった方々、本当にありがとう。
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「みくさんの記事、ヤフーニュースで見たよ」
リア友からLINEが届く。私、Yahoo!に乗るようなメディアで今、記事書いてたかしら。調べてみると、私の本名と全く同じライターさんの記事だった。
実は私の本名、世間一般によくある名前である。業界には、同姓同名のライターさんもいる。私のデビュー前には、その方がすでに多くのメディアで活躍されていた。本名、使えないな。おそらく、これから先もずっと。
「ごめん。私、本名で活動していないんだ。この方は、私よりもっと売れているライターさんだよ」
そんなやり取りを、一体何度行っただろうか。同姓同名の人気ライターさんを友人へ紹介し続けるうちに、まるで彼女専属のマネージャーみたいだなと思った。
思いつきで決めた「みくまゆたん」という名前。40過ぎたあたりから、本当にこの名前で今後もやっていくのかと我に返る。しかし、今更名前を変えたらゼロからのスタート。また振り出しに戻って、もう一度キャリアを形成し直す度胸はない。
これからペンネーム、アイコンを決めてフリーランスとして活動したいと考えている方へ。一度決めると、変えるのが大変なので「長く使えそうな名前、アイコン」をおすすめする。
なお私は、同姓同名の同業者さんがいたからこそ被らない名前がいいなと考えていた。でも、だからって「みくまゆたん」って一体なんなんだ。過去に「人間離れした名前なので、他にペンネームはありませんか」と言われたことは数知れず。ペンネームを考えるにしても、人間らしい名前がいいのかもしれない。
私は今、45歳。50歳になっても、はたして「みくまゆたん」は通用するのか。悩んでいたこともある。それまでゆるふわなペンネームだった同業者さんたちが、続々と「姓名判断」ができそうな名前に改名していく。
そんな同業者さんを横目で見るなり、私も焦り始める。みんな、ちゃんとしてるじゃないか。周りの人達が人間界へ戻っていく中、まるで私だけがファンタジーの世界に取り残されているみたい。
そんな中、ラジオで「みくまゆたんさんが〜」と呼んでもらった時。ふと「あら、可愛い名前じゃない」と思った。誰かに名前を呼んでもらうことで、その良さに気づくことはあるのかも。
思いつきで決めたペンネームだけど、かれこれ8年位は使っている。変な名前とは思いつつも、使っていくうちに愛着も沸いてきた。
まさかこのペンネームを8年使い続けるとは。正直、こんなに長くペンネームを使う気はなかったし、ライターの仕事が続くとも思っていなかった。まあ、これも何かのご縁。これから先も、「ペンネーム:みくまゆたん」とは、長く付き合い続けていきたい。