![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173170843/rectangle_large_type_2_3db58c11348846b4823682df3b003d33.png?width=1200)
人生を彩る「Awe体験」とは
世界は「美しさ」にあふれている。
「ワオ!」「はあっ。」
果てしないものに対して、息をのむような深い感覚。
なんて素敵なんだろう。
わあ、神々しい・・・。
信じられないくらい、びっくり。
口が開いてふさがらない。
自然に涙があふれてくる。
素晴らしくて圧倒される!
生きててよかったあ。
背筋がピンと伸びる。
ゾクゾクっとくる。
わけがわからない、理解できない。
体が震えるほど、衝撃。
本当に求めていたのはこれ!
ドキドキときめきがとまらない。
誰しも、心の琴線にふれるような体験があるでしょう。
手の届かないような存在、悠久で広大な風景を目前に
自分の小ささを感じること。
言葉にならないことを言葉にし始めると、
当人の意味や思考、解釈が後で加わってくる。
鋭い感覚から得た、深い気づき。
そこから生まれる純粋な想いが、次の新しい行動や変化につながる。
Awe体験に関する私の解釈
「Awe体験」とは、自然や宇宙、アートなどに対する感覚で、深い感動や畏怖畏敬の念を持つこと。
Aweとは、例えば、オーロラを初めて見た人が「おお!」と自然の雄大さや美しさに感動する体験から、小っぽけな自分を感じて、湧き出てくる感情や感覚のことです。Awe体験とは、大自然や宇宙、音楽や絵画などの芸術、異国の旅、憧れの人との出会いで、自分の小ささを感じて抱く、深い感動や畏怖畏敬の念。最近、脳科学やポジティブ心理学で注目され、心身や脳に良い影響を与えるだけでなく、人生における意識の変容や自己成長の機会につながるとされています。
私は、Awe体験を通じた「人の変容・成長・進化と創造」に興味を持っています。Aweにまつわる研究や人のAweに関わるような仕事をしている方々と一緒に情報交換をするのが、最近楽しくてたまりません。
畏怖畏敬の念(Awe)体験は、ポジティブなものとネガティブなものが存在します。それらの感情が混在する場合もあります。例えば、大きな自然災害を経験したり、雄大な自然の風景、あるいは環境破壊などを目の当たりにした際に、自然の怖さと尊さ、生命の儚さや有り難さを感じる。手の届かないような憧れの人物、作家の念の強さを感じるような芸術作品に出会った時に、尊敬と同時に畏れ多く感じる、自然とひれ伏してしまうなど。
日本人がAwe体験を通じて、どう変わっていくか、もしくは日本人のDNAに埋め込まれている精神性、そこも関心の高いところです。日本人にもともとある文化、農耕民族であった自然との関係性、海と山に恩恵があり、島国である特性、四季折々の気候、自然災害の多い地質、八百万の神々への崇拝や自然信仰、細やかさや謙虚な振る舞い、わびさびの美意識、神や先祖を敬う行事や祭り事。そうした様々な要素がかけ合わさって、日本独自の背景や環境から育まれた精神性や美的感覚が、日本人特有のAweを創り出しているように思えます。
Awe体験で、愛を感じ、自然や生命を、他人を優しく思えてきます。何かに深く感動して自分の中での小さな器のようなものを感じると、その器を広げて、枠を広げて、大らかに受け入れようとする。自己中心的な考えから解放され、社会や他者との関わりの中での利他精神や寛容さ、慈悲深さが生まれます。心にゆとりを感じると、時間にゆとりを感じられるようになります。
手の届かないような存在を前に、小っぽけな自分を感じて、一人では何もできないことを自覚すると、より他者への感謝の気持ち、協力姿勢も生まれてきます。また悠久で広大な自然を前に、自然に対する怖さを感じながらも、自分の生命が大いなる自然の循環の一部に感じて、日常の悩みや不安も小さく感じられやわらぎます。Awe体験は、心が満たされるマインドフルネス、潜在的な意識や脳の活性、生命や自然からの神秘的感覚など、精神的な世界と密接に関連しています。
Awe体験にも大小あり、特に圧倒されるほどの大きな体験は、人生や仕事などの大きな転換の機会や節目になっていることが多い気がします。その後の生き方や働き方、在り方そのものを変えるほどの出来事。そこからどう成長したか、乗り越えてきたか、転換してきたか、その人だからこそ起こりうる唯一無二の体験であり、その後の行動や変化を深掘っていくと、その人の人生の目的や社会での役割なども見えてきます。
また、Awe体験による身体感覚や反応から、幼少期の体験や童心を思い出すことがあります。思考では理解や認識できないような身体的、もしくは生理的な反応が起こることもあります。自然に涙がこぼれたり、そばにいる誰かと共鳴したり。微細に過去の感情が湧き出たり、蓋をしていた自分に気付いたり。そこからの繊細な気づきもあります。幼少期から育まれたその人独自の感覚や大切なものに時空を超えて繋がり、その感情を俯瞰的に受けとめた時に、自分という存在を改めて自覚し、人の進化や変容、大きな成長、そして新たな価値創造や行動に影響を受け合うのではないかと、私は仮説を立てています。
現代人は、日々忙しさに追われ、思考を巡らせています。思考をしないで、感覚を研ぎ澄ます時間、Aweを日常的に感じる意識を取り入れると、身体的にも精神的にも健やかで幸せや喜びで満たされます。そうした感覚で人が自由に生きられるようになった時、見える世界や生きる世界線を自分の望む理想に気づき生き始めた時に、その後の人生や現実がどう変わっていくか、人がどんな世界を創り出していくのか、人間の進化の可能性を感じています。
感受性が豊かで、純粋な想いを大切にする、ポジティブ思考がAwe体質
私は「感」じて生きる、直感を大事にしながら生きてきました。日頃から好奇心にあふれ、「感性」で捉える領域や意識、見えない世界の顕在化や魅力化が得意です。Aweで素敵!と魅力を感じて、気づかされる価値や存在もあります。小さなものに身体感覚を向けるセンス・オブ・ワンダーの世界。創造的な活動やクリエイティブな仕事をする上で大切にしている「真・善・美」にも通じるものもあります。
感性をひらき、五感を研ぎ澄まし、日常的な「センス・オブ・ワンダー」に意識的になれば、誰もがAwe体質を高めることができます。小さな些細なことにも「感動や驚きを喜び」に感じられるようになると、心が穏やかになり、人生を美しく、より彩りある世界にできるのではないでしょうか。
Awe体質とはどんな人?
●純粋さ、本心に従う
●感謝の気持ち
●ポジティブ思考
●誰かや社会の役に立ちたい
●俯瞰して自分に向き合う
Awe体験を日常に
●感動する、笑う
●小さなときめきを大切にする
●美点(良いところ・長所)を見つける
●偽りのない自分を生きる
●自然のそばで暮らす・旅をする
●ひとりの時間を持つ
●瞑想・深呼吸をする
●芸術やアートに触れる
●神社仏閣や聖地に足を運ぶ、墓参りをする
●早寝早起き、良い睡眠
●掃除、断捨離、整理整頓
『Awe Effect〜人生に喜びをもたらす「Awe体験」の効果』
【Awe】については、2023年に出版された『Awe Effect〜人生に喜びをもたらす「Awe体験」の効果』で初めて知りました。自然や芸術などから感じていた「センス・オブ・ワンダー」や普段から自身が大切だと感じていた見えない世界の捉え方を「Awe」という視点でわかりやすく言語化されています。
以下、『Awe Effect〜人生に喜びをもたらす「Awe体験」の効果』目次より抜粋
Aweの効果ー私たちにもたらす変化
①健康になる
②ストレスが軽減する
③時間のゆとりを感じる
④頭の回転が速くなる
⑤創造力が豊かになる
⑥自己中心的な意識が薄らぐ
⑦思いやりの気持ちが強くなる
⑧満足度が高くなる
⑨環境に優しい選択をする
Aweの源ーさまざまなものが与えてくれる恩恵
①自然
②人間
③スキル
④文化
⑤スピリチュアリティ
⑥共同体
日々のAweー好奇心を鍛えるための日常のエクササイズ
①Aweウォークに出かけよう
②美しいものを写真に撮ろう
③星空を見に行こう
④Aweを与えてくれるものを読もう
⑤Aweを感じさせるものをみよう、聴こう
⑥Aweを書き留めよう