หมีขาว

なんやかんやでタイに縁がある🐻‍❄️。 ナコンサワンに行ったことがあるが、アユタヤは行ったこ…

หมีขาว

なんやかんやでタイに縁がある🐻‍❄️。 ナコンサワンに行ったことがあるが、アユタヤは行ったことがない。タイ語勉強中。 映画のこととか、タイのこととかあれこれを書きます。

最近の記事

タイ滞在に関する備忘録③ カメラフィルムの空港保安検査に関して

今年の10月に再びタイに向かった。人生5回目だ。今回は初めてフィルムカメラ2台(35mm一眼、120mm二眼)を持ち込んだ。空港保安検査のX線によるフィルムのダメージを回避するために行ったことをメモする。未来の自分のために、あなたのために。 カメラフィルムはそれに光を焼き付けることで写真が撮影される。ゆえに、空港保安検査でX線の機械を通すと、その影響を受けてフィルムがダメになっちゃう恐れがある。ああ、せっかくの思い出が、とがっくりとしてしまうことになる。 もしX線の機械を

    • 一室で繰り広げられる男たちの見栄 会話劇 映画「スオミの話をしよう」感想

      舞台演劇を見ているかのようだった。 詩人で大金持ちの男、寒川しずお(坂東彌十郎)のもとから失踪したスオミ(長澤まさみ)。スオミの行方を追って、寒川の邸宅にこれまでの夫たちが集まり、会話劇を繰り広げる。男たちの会話は、多くは邸宅のリビングのセットのなかで映される。俳優たちの全身を映すロングショットの長回しで、途切れることなく俳優たちのセリフの掛け合いが展開されていく。観客は彼らの会話を近くで見つつ、その行く末を見守るような形を取る。(スオミと草野圭吾(西島秀俊)の回想シーンでや

      • 映画を書いて見ること

        以前投稿した、映画「オールド・フォックス 11歳の選択」の感想文において、いわゆるアクティブ・ビューイングを試みた。 要するに注意深く作品を見て、構図やライティング、ショット、衣装・美術、登場人物、時代背景などを考えるのだ。 「オールド・フォックス」は、1回目なんばパークスシネマでメモを取らずにとりあえず楽しく見た。で、これなら書けるかもしれないと思った。台湾映画がもとより好きだし、台湾の現代史は大まかに知っているし、登場人物もそこまで多くなく、テーマがある意味身近だった

        • "我不是你(僕は僕だよ)" 自分が何者になるべきかを決める 台湾映画「オールド・フォックス 11歳の選択」

          「オールド・フォックス 11歳の選択」(原題:老狐狸 / 監督:シャオ・ヤーチュエン / 2023年 / 台湾/ 112分) 世間の波と大人たちから影響を受ける少年台湾バブル期の背景を説明する字幕のあと、父・タイライがウェイターを勤めるレストランの厨房の片隅のショットから物語は始まる。夜、仕事が終わってタキシード姿のままの父・タイライと子・リャオジエが、厨房の隅で食事をする様子をミドルショットでとらえる。タイライは椅子に座らず立ったまま調理台に腰をもたれさせるような姿勢で食

        タイ滞在に関する備忘録③ カメラフィルムの空港保安検査に関して

          映画の「祈り」について(はじめに)

          今年に入って、映画学に触れるようになった。クィア映画が好きなのでクィア映画が専門の同志社大の菅野先生とか金沢大の久保先生の書籍とかコラムとかを読み始めた。そうしているうちに、「あ、映画ってこうやって注目すると見たことを言語化できるのか」と腑に落ちた。これまで映画を見終わってなんか印象に残ったシーンやセリフや撮影の仕方とかキャスティングとかいろいろ感じるんだけど、『なんかすげえ!』レベルの非常に漠然と抽象的な感覚で落ち着いていた。けど、演技だけじゃなくて、演出や撮影の仕方、音や

          映画の「祈り」について(はじめに)

          映画館に通い始める話

          「ゲイの役を演じた人が史上最年長でアカデミー助演男優賞を取ったんだって」。19歳の当時、交際していた6つ年上の男性に誘われて梅田ガーデンシネマに初めて行った。 見た作品は「人生はビギナーズ」(原題:Begginers/監督マイク・ミルズ/2011年/アメリカ/105分)だった。  控えめなアラフォー独身男性の主人公オリヴァーが、母の死後、75歳の父ハルから「実は自分はゲイだ」とカミングアウトされることから物語が始まる。父は若い同性の恋人をつくり、余生を楽しくいきいきと過ごす

          映画館に通い始める話

          タイの姉

          何歳になっても旅で叱られている。むろん自分がだらしがないから。旅に計画性があるようでない。前日に目的地をかえることなど当たり前で、飛行機のチケットを出発3時間前に取り直すことだってある。「いつまでたっても、私がいないとダメ。本当にこれから先もどうするつもり」夜20時のスワンナプーム空港のチェックインカウンターでJBが呆れた顔で言う。えへへごめんねmy sister。JBは、ハイハイと聞き流す。 JBとは5年前、大学院の交換留学で知り合った。3歳年上で高齢者の健康医療支援を専

          夜の映画館

          映画館の外に出ると夜の闇の濃度が濃くなっていることに気づく。 街の光、におい、温度、吹く風、行き交う人々の姿が変化している。 ああ、自分はこの2時間たしかに箱の中で過ごしたんだと実感する。 みんな駅に向かって歩いていく。仕事おわりの人、飲み会終わりの人、デート終わりの人、友達同士で遊んでた人。そのなかで自分は彼らと異なる時間と空間にさっきまでいた。平日でなおさら客が少ない映画館の箱の闇の中に身を据え置いて、2時間たっぷりと画面とスピーカーから光と闇、音と静寂にひたり続けた。

          タイ滞在に関する備忘録②

          2023年8月タイ6泊7日の「やっといてよかった」をまとめる。自分🐻‍❄️のために。あなたのために。 初級タイ語のスピーキングとリスニングがある程度できることに加えて、リーディングもできるようトレーニングした。つまり自分🐻‍❄️はタイ文字が読める。どうだまいったか。 某有名タイ語学校のグループレッスンでは、音声記号を用いてタイ語の発音や文法を学びそのあとタイ文字を習得しにかかるが、自分はタイ文字も同時に勉強した。なぜなら現地で音声記号でタイ語を書き表すことがなく、音声記号

          タイ滞在に関する備忘録②

          タイ滞在に関する備忘録①

          2023年8月タイ6泊7日で経験した、「どうにかならんかったんか」をまとめる。未来の自分🐻‍❄️のために。 タイにはビールがいっぱいある。海外でも売られるシンハーやチャーンが有名だけど、それ以外にドメスティックな会社がとても多い。特にチェンマイビールはいっぱい種類があって、繁華街のバーやニマンヘミンのモールで飲んだり買ったりできる。日本でお留守番の彼氏🐻にリクエストをもらったので何本か買った。490mLのロング缶。日本に持って帰る分に加えて自分がホテルで飲む分も多めに買った

          タイ滞在に関する備忘録①

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話⑤

          たまに"自分はこんな人生もあったのかな"と思うときがある。直接会って話した人やドキュメンタリー作品で見た人とか。その人の断片的な姿に自分を投影するに過ぎない行為で、だから、まるで無意味なことだと分かっているし、場合によっては傲慢でもあると分かっている。けど、時折、急に、想像する。「ひょっとしたら自分はこんな生き方もあったのかなあ」 17時30分発のランパーンからチェンマイへ戻る終電でうとうとしていると、通路を挟んで向かいの席から幼児がこっちを見てくる。目が合う。幼児、すぐに

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話⑤

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話④

          ワット プラタート ドイ プラチャーン 一切の知識がないまま、ソンテオのおっちゃんのおすすめで連れてこられた。ソンテオから下りて、近くにあった巨大なお堂を見物していると、おっちゃんが後から追いかけてきて大声で呼ばれる。目当てはこのお堂じゃないらしい。腕を引かれ売店に連れて行かれる。ここでバスのチケットを買えと言われる。 「バスってなに?山の上に寺があるってこと?じゃあ、この麓にある近くの大きなお堂は別ってこと?山から下りるときはまたバスを使えるの?てかバス乗らないと行けな

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話④

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話③

          バスで行くの?あ、電車かあ。電車旅もいいね。絶対いい思い出になる。時刻表とかは調べた?エアコンがあるかないかで料金が変わるけど。朝は渋滞するかもだから早めにホテルを出たほうがいいね。ランパーンは花馬車が有名だよね。お寺なら、ワット プラタート ランパーン ルアンがいいと思う。とても古くて歴史的に価値があって、そしてすごくきれいだから。あ、そうこのガイドブックに載ってるこれね。でも、チェンライに行くのをキャンセルしてランパーンって、面白いことするね。— ガイドブックでもネット

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話③

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話②

          「なんでチェンライに行くの?チェンマイが一番いいのに」 チェンマイ大学のそばの、学生が集まるにぎやかなカフェで、アイスココアをストローで吸いながらJOは静かに言った。「チェンライは何もないぞ。めっちゃ暑いし、交通の便も悪い。虫もいっぱいだ。お前ひとりで行けるのか」JOは続けた。 JOはチェンマイ出身のチェンマイ大生だ。頭がよく勉強熱心で行動力のある人だった。バンコクに住む友人JBの弟で、自分がタイに居る間はよく気にかけてくれて、なにかと世話をやこうとしてくれた。こんかい自

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話②

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話①

          助手席に乗った瞬間に後悔した。これはやばいかもしれない。事故ったら最悪死ぬかもしれないし、そもそも本当にちゃんと走れるのか? 焦りと不安が一気に頭を巡った。 ランパーン駅についたのは昼11時くらい。チェンマイ駅から特急で2時間。とちゅう電車に乗っていたときは、山あいで雨が振っていたが、駅についた頃には快晴で容赦なく日差しが照りつけていた。駅の出口に自分以外の観光客の姿はなく、数人のソンテオの運転手が観光客を相手に(つまり自分しかいない)待ち構えていた。タクシーは見当たらなか

          思い立って1人でタイ語しか(ほぼ)通じない街へ行く話①