タイ滞在に関する備忘録③ カメラフィルムの空港保安検査に関して

今年の10月に再びタイに向かった。人生5回目だ。今回は初めてフィルムカメラ2台(35mm一眼、120mm二眼)を持ち込んだ。空港保安検査のX線によるフィルムのダメージを回避するために行ったことをメモする。未来の自分のために、あなたのために。

カメラフィルムはそれに光を焼き付けることで写真が撮影される。ゆえに、空港保安検査でX線の機械を通すと、その影響を受けてフィルムがダメになっちゃう恐れがある。ああ、せっかくの思い出が、とがっくりとしてしまうことになる。

もしX線の機械を通しても「ISO400以下なら問題なくいけるやろう」とまことしやかに言われているが、お気に入りのMARIX400Dなど感光しやすい映画フィルムについては、行きつけのカメラ屋・現像所からも「ちょっとX線通しちゃうともう微妙かも」となんともいえない忠告を受けていた。また、今回合計4か所の空港保安検査を通過することになるため、すべての検査でX線を通すのは不安があった。

ハンドチェックは「これはフィルムです」とわかりやすく

自分をフィルムカメラ沼にいざなおうとする友人JMに、対策について聞いた。「とにかくフィルムであるとわかりやすくしておくことがだいじ」と助言を受けた。

透明ジップロックに持参するフィルムをバラバラと入れた。この時、数本まとめて1箱パックになっている場合は箱から取り出し、丸い一本ずつのケースごとにしておいた。一本ずつ買ったフィルムの場合、箱に入っている場合やパウチにパックされている場合は、そのパッケージのラベルに「カメラフィルムですよ」とわかるように製品名などが英語等で記載されていれば、そのまま開封せずにしておいた。そして、箱がないフィルムケースに入っている場合も、とくに取り出さずにしておいた。

ネットでは箱やケース、パウチからすべてフィルムを取り出してフィルムを裸の状態にして透明ジップロックに入れるという方法を紹介する人がいたが、つまり、そうはしなかったのだ。できるならあえてパッケージのままにしておいて、ちゃんと売られている正真正銘のフィルムですよ!とアピールする方法をとった。

ハンドチェックが必要な理由を「オフィシャルに」アピール

フィルムを詰めたジップロックには、KODAKのサイト(下記リンク)から「No X-ray」とでかでかと表記されたKODAK社名入りのチラシを印刷して入れておいた。要は、「自分が身勝手にハンドチェックをお願いしているんじゃないんです。商品のメーカーがX線はあきません言ってるんです」をアピールした。そして、一応丁寧に、「申し訳ないんだけど大事な思い出がつまったフィルムなんでハンドチェックしてもらえませんか」と英語とタイ語で記載した用紙を自分で用意してジップロックに入れておいた。それも長々と書かずに、読みやすい大きさの字で5行以内にした。


今回は保安検査所が空いていたからいけたのかも?

結果としてすべての空港の保安検査でフィルムをハンドチェックしてもらうことができた。平日朝の関空(国際線)、平日昼のドンムアン空港(国内線)、日曜日夜のウボンラチャタニ空港(国内線)、平日朝のドンムアン空港(国際線)を通過した。要は、自分が通過した場所は、曜日的に、かつ、空港の規模的に保安検査所が空いていたのだ。これが、もし激込みの土日のスワンナプーム空港だった場合は取り合ってくれなかったかもしれない。ドンムアン空港(国際線)が一番の鬼門かとおもわれたが、「X線だめなんですか?」「そうなんです、フィルムにダメージがかかってしまうんで。ハンドチェックでお願いしたいんです」とKODAKのチラシを見せてアピールすると、X線検査でなんか変なもん見つかってバッグをその場で開封させられてる人たちのところに、フィルムは渡っていきハンドチェックしてもらえた。

ハンドチェックの方法は、パウチや箱に入ったものは開封せずに目視のみだった。フィルムケースに入っていたものは中からフィルムを取り出されて目視された。120mmフィルムは撮影後ロールをテープで止めた状態になるが、当然テープをはがされて中身を見ようとするなどしたら、フィルムが感光して一発で終わる。中身をバラバラと開かれないかなあと心配ではあったが、そんなことは全く起きなかった。これも目視だった。
一番厳しかった(丁寧だった)のはドンムアン空港(国内・国際)の保安検査だった。パウチや箱のパッケージに入れたものは開封されることはなかったが、パッケージの外側をなにかしらの布でこすられ、へんなもんが付着していないか検査されていた(ように見えた)。

検査後は本当にありがとう!大事な思い出がつまったフィルム!と感謝の気持ちを検査官に笑顔で伝えた。

現地で現像しちゃうソリューション

空港保安検査で交渉がうまくいかなかった場合、反抗的な態度をとるなんかヤバいやつということで別室に連行されるかもしれないから、検査官に「ぜったいX線通させろ」と言われたら諦めて従うしかない。もし交渉がダメだったらX線通されちゃうなあ、それなら、できることなら現地の現像所で現像してもらおうかなあと考えていた。で、今回、ウボンラチャタニのVespa Foto FilmとバンコクのLERT'Sで現像およびデータスキャンをしてもらった。事前にFBとIGのメッセージで、料金と仕上がりにかかる時間などを問い合わせておいた。そして、仕上がったデータを見ると、日本のいつもの現像所と明らかに写り方が違うので、なんかしっくりこない違和感みたいなものはあったが、これはこれでありなのかもなあと思った。日本に戻ってから現像後のネガを持ち込んでデータ化してもらってもいいかなと考えた。

また、現地で買った見たことも聞いたこともないフィルムEUROPACOLOR100は、日本に持ち帰っても現像を断られるかもしれないと思い、そのまま現地で現像してもらえたのでありがたかった。

さらに、現地で現像してもらうとき、何日の何時にどういう方法でネガを返却しらもらうことができるのか、フィルムを預けるその場でもう一度しっかり確認しておくほうがよい。特に互いに言語の壁がある場合は、予定を紙に書いて店員に見せて確認することも大事だ。なぜなら、ウボンラチャタニのVespa Foto Filmでは、自分の英語が伝わっておらず、現像してもらえる予定の日が希望していた日より一日遅れていたのだ。なかなかデータが送られてこないなあと思い、facebookのメッセンジャーで問い合わせたところ、その行き違いが分かった。なんとかしてこの日までに終わらせてほしい!と頼み込み、お願いを聴いていただきぎりぎり間に合ったのだった。

以上が自分が初めて空港保安検査で体験したカメラフィルムのハンドチェックである。かなりビビっていたが、検査官はみんな慣れている感じで優しかった。ああ、はやくまたタイに行きたい。写真撮りたい。

(おしまい)


EUROPACOLOR 100 (現像とスキャンはLERT'S)赤いねえコントラストすごいねえ


MARIX400D (現像とスキャンはVespa Foto Film)青と赤が強いねえコントラストすごいねえ

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