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【「好き」を言語化する技術】本語り#01

はじめに

「好き」を伝えたい。「推し」を伝えたい。「推し」の「好き」を誰かと共有したい。
でも、「面白い」「やばい」しか出てこない!!!!!

「推し」がいる人なら、誰しもが一度は思ったことがある悩みではないだろうか。

私にも「推し」のアーティストがいるし、「推し」の本があるし、「推し」のドラマや映画もある。
毎日を彩ってくれる「推し」を自分一人で満足するのではなく、たくさんの人に伝えたい。そう思ってこうしてnoteを書いている。
でも、なかなか言葉が浮かばない……。

そんな時に、この本が書店で大きく取り上げられていて、頭の片隅にこびりついていた。
そして、何の因果か、数日後に偶然、好きなポッドキャスト番組のゲストとして、著者の三宅香帆さんが出演されていた回を聴いた。
この本が猛烈に読みたくてたまらなくなって、買いに走った。

購入後一気に読み切り、「<好き>や<推し>を言語化したい!」という気持ちがさらに強烈になった。
そんな熱い想いのまま、この「推し」本について、私なりに言語化したいと思う。

≪こんな方におすすめ≫

  • 映画やドラマを観たあと、他人の感想をSNSでリサーチしまくってしまうが、本当は自分の言葉で感想を発信したい

  • 好きな作品について、うまいことを言いたい

  • 好きな作品や推しについて語ろうとすると「おもしろかった」「すごい」「やばい」「よかった」という凡庸な表現しかでてこない

  • ファンレターやブログを書きたいけど、ネタが思いつかない

  • なぜ、その作品や人に魅かれるのか言語化したい


「推し」や「好き」の言語化で重要な3つのこと

推し語りには、語彙力や文章力が必要だと思われがちですが、それは間違いです。
必要なのは、自分の感想を言葉にする「ちょっとしたコツ」だけ。
そのコツさえ知れば、あなただけの言葉で好きな作品の素晴らしさを語れるようになります。

「言語化には語彙力が必要」私もそう思っていたし、語彙力があった方がもちろん良いだろうが、それよりも自分の感想を言葉にする「コツ」が要るのだそう。
それでは早速、その3つの「コツ」を挙げようと思う。


1.自分の言葉をつくる(他人の感想は見ない!)

大事なのは、他人や周囲が言っていることではなく、自分オリジナルの感想を言葉にすること。
SNSやインターネットで自分の推しについての感想を見るのは、自分の感想を書き終わってから!!

現代は、SNSやブログなどですぐに他人の感想が見れてしまう。
他人の意見に引っ張られることなく、あくまで「自分の言葉」「自分の感情」「自分の感想」を作ることが大切だと書かれている。
他人の言葉を見ているうちに、自分の言葉が薄れていってしまうという。

ギクッとした。
確かに、これはあるあるだなと思った。
ドラマや映画を観た後にすぐにSNSやブログで他人の感想や考察を見てしまって、そうこうしているうちに、自分がどう思っているのか忘れてしまい、自分の言葉を記すことがなくなってしまうのだ。

すぐに他人の言葉を検索するのではなく、自分の言葉をつくるためのプロセスを踏むことが最重要課題だ。
プロセスについては後述する。


2.「妄想力」をこねくり回して、感想を生みだす

「妄想力」とは、自分の考えを膨らませる能力のこと。
「なんでよかったのかな?」「どこがよかったのかな?」という点から、思考という名の妄想を膨らませてみる。 「よかった」理由について、昔見たものや昔好きだった推しを引っ張りだしつつ、自分の妄想を広げていく。

「妄想力」で自分の考えを膨らませて、過去の経験などから、なぜそう思うのかに思いを馳せる。
「自分の体験」や「自分自身の気持ち」のフィルターを通すことで、自分だけの言葉が生まれる。


3.よかったところを細分化するだけで、あなただけの言葉になる

言語化とは、いかに細分化できるかどうかなのです。
推しのよさを言語化したい。そう思ったときにまずやるべきは、「自分は」「どこが」よかったのかを具体的に思い出すことです。

「自分は」「どこが」よかったのかを具体的に思い出す。
例えば、下記の通り。

  • 好きな/好きじゃないキャラクター

  • 印象に残ったセリフや歌詞

  • 心に残っている場面

  • びっくりした展開

  • 結局さいごまでわからなかった心情

  • 舞台装置で気に入った点

  • ぐっときた髪型や衣装

  • 好きになったきっかけ

「細分化」に関しても、自分の心や気持ちなど、自分というフィルターを通すことで、感想は自分だけの言葉になる。

感想のオリジナリティは細かさに宿るからです。あなたの心に、どこが響いたのか、それを細かく挙げることによって、あなたの感想はあなただけの言葉になります。

この言葉に勇気づけられた。
「自分にはどこが響いたか」を細かくメモし、挙げていくだけで、感想は自分だけの言葉になる。
これなら、「自分にもできる!」と思えるのではないだろうか。


「言語化」のプロセス

それでは、実際に「言語化」していくためのプロセスを見ていこう。

自分の言葉をつくるための3つのプロセス

1.よかった箇所の具体例を上げる
2.感情を言語化する
3.忘れないようにメモをする

このプロセスについても、「他人の感想を見ない」ことが重要だ。
見るのであれば、この3つのプロセスを一通り終えてからにしよう。

私は、ドラマや映画を観た後に検索をかけることはやめて、まずはNotionかnoteにメモがてら殴り書きをして、ざっくりと書き上げてから、他の方の感想を見ようと思う。


ポジティブ/ネガティブな感情を抱いた理由を考えるヒント

1. 自分の体験との共通点を探す
2. 好きな(嫌いな)ものとの共通点を探す
3. どこが新しいのかを考える/どこがありきたりだったのかを考える

例えば、「不快だったな」「つまらなかったな」と思った時でも、何らかの理由がある。
どうしてそう思うのか、その原因となる原体験はあるか、どういう点がつまらない、もしくはありきたりに感じたのかを探ろう。


さぁ、<好き>や<推し>を言語化しよう

どうだろうか。言語化できる気持ちにはなっただろうか。
私はこの本を読んで、言語化したくてたまらない衝動に駆られた。
読んでくださっているみなさんも、そんな風に思っていただけたら嬉しい。

こちらの本は、誰でも分かりやすい優しい文章で書かれているので、とても読みやすかった。
気になった方は、ぜひ本を手に取ってみて欲しい。

嬉しい本の連鎖

良書を読むと、連鎖して別の本も読みたくなることはよくあること。
そう言う意味でいうと、この本は間違いなく良書だ。
引用されている本のどれも読みたくなった。本の世界が連鎖的に広がっていくこの感覚が、好きでたまらない。
下記の本も、近いうちに手に取ろうと思う。

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹
『スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険』谷川 嘉浩
『短歌の友人』穂村 弘
『好きになってしまいました。』三浦 しをん


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