最高の晩餐#4 銀杏と蕎麦&パスタとヘソ曲がり
秋は金木犀からイチョウにバトンタッチをした頃に、わたしはパートナーと喧嘩をして、1週間まともにLINEを送らなかった。
喧嘩というよりも会えないことの寂しさから、わたしが一方的にそうしてしまった。
まともに連絡をしないまま会う日が来て、最近じゃがバターにハマって毎日食べていることとか、1人でラーメン屋さんに入ったけど激まずだったこととか、トイレが壊れたこととか、本当は話したくてたまらなかったんだなということを実感した。
心が荒れた原因を話しながら、一緒に3回目の秋の景色を見た。
出逢ったばかりの年に見た秋は真っ赤な紅葉で、昨年見た秋はもみじ灯路まつりだった。
冬には一緒に雪を見て、春には桜を見て、夏には向日葵を見て、秋にはイチョウを見る。
こうして季節は巡って、2人で同じものを見てるけど、人の心もたまに少し移ろいでいく。
秋の天気みたいに、気まぐれなものではないけれど。
それでもパートナーは変わらず美味しいものを作ってくれて、「愛してるよ」と言った。
わたしは変わらず感謝の意を込めて洗い物をした。
1日目は茹でた蕎麦と、葉唐辛子が入ったオリーブオイルソースと小ネギを炒めて、その上にゴマ、海苔、温泉卵を乗せてくれた。
寒いからカップスープを買おうとしたら、「作るよ」と言って、野菜たっぷりの中華スープも作ってくれた。
2日目は立川の昭和記念公園に行ってパスタを食べた。彼は和風きのこパスタで、わたしはミートソースパスタ。
3日目のお昼ご飯にもパスタを作ってくれた。
野菜たっぷりのシーフードペペロンチーノと、葉唐辛子とオリーブオイルのソースに豆乳と卵を混ぜ入れて、マッシュルームたっぷりのピリ辛カルボナーラ風に。
麺類を毎日食べても全然飽きない。
彼といくら一緒にいても飽きないから、時々遠距離恋愛について、激しく理屈っぽい考え方になってヘソを曲げてしまう。
きっとこの先も曲げると思う。
ヘソを曲げながらも、
「また来年も一緒に秋を見たいな」
と思ったら、今回曲がったヘソは定位置に戻ってきた。
そして「美味しい」が溢れる秋がしあわせです。
ご馳走様でした。
ありがとうございます。
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#麺類は無敵
#秋の空
#イチョウと銀杏