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高雄曼荼羅の宇宙〜神護寺 空海と真言密教のはじまり展(東京国立博物館)
東京国立博物館で開催中の「神護寺 空海と真言密教のはじまり」展へ。
関西に住んでいたとき、きっと行こうと思いつつ、時間切れで辿り着けなかったお寺のひとつが神護寺でした。
だから、関東にいながらご本尊をはじめとする寺宝の数々にお会いできる展覧会を、とても楽しみにしていたのです。
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「神護寺」の文字に迎えられて会場内に入ると、秘仏、弘法大師像が出迎えてくれます。
空海直筆の品や、空海が師匠から拝領したと言われる法具なども展示されていて、密教の世界へと誘われます。
空海が灌頂という儀式を行ったときの名簿は、誤字を塗りつぶして書き直した跡などもあり、人柄がしのばれます。
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国宝が17件、重要文化財は44点も出品されていて見どころ満載なのですが、まずはじめに心を打たれたのは、初めてお寺の外に出るというご本尊、薬師如来立像です。
薬師如来は人びとを癒す、穏やかなイメージがありますが、こちらの薬師如来はいかめしいお顔つき。
体もずっしりとして、何とも頼りがいのあるお姿です。
ご縁に感謝して手を合わせ、御朱印もいただきました。
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そして、この展覧会の目玉のひとつ、空海が制作に携わったとされる両界曼荼羅(高雄曼荼羅)。
「金剛界」と「胎蔵界」の2幅で一対になっていて、前期では胎蔵界、後期では金剛界を見ることができます。
千年以上の年月を経て劣化が進んでいたものを、6年がかりで修復したとのこと。
貴重な紫根染の絹に金や銀で仏の姿が描かれている様子が、肉眼でも確認できます。
ルーペがあれば、細部までしっかり見ることができるかも。
縦横4メートル以上ある画面の前に近づくと、迫力というか圧というか、ぐっと空気が変わるような感覚がありました。
電気も液晶画面もない時代、薄暗いお堂の中で、金銀の線で描かれた仏たちはとても神秘的に、宇宙そのものみたいに見えただろうと想像するのも楽しいです。
心を奪われてしばし画面の前に立ち尽くし、ほかの展示室を巡ってはまた曼荼羅の前に戻ってくる、ということを何度か繰り返しました。
曼荼羅について、美しい映像で詳細に解説してくれるコーナーもあり、人だかりができています。
感動しすぎて、神護寺が発行している高雄曼荼羅の記念誌を買いもとめ、抱きしめて帰ってきました。
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2時間ほどの滞在でしたが、空海が活躍していた時代の高雄を旅したような、とても濃密な時間。
なぜだか背すじが伸びて、元気が湧いてきました。
後期展示も、ぜひ見に来なければと思いつつ、法隆寺宝物館のカフェでひと休み。
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平成館から本館へ移動し、江戸時代の女性たちの夏着物を見学します。
今よりかなり気温は低かっただろうけど、それにしてもエアコンのない時代。
いかに涼しく夏を乗り切るか、現代の私たちと同じように素材や色柄など工夫していた様子が垣間見え、親近感を覚えました。
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200年後を生きる私の今日のきものは、この夏大活躍している流水紋の浴衣。
上野駅からトーハクまでは意外に距離があり、炎天下を歩くとかなり汗をかくので、吸水速乾のひんやり素材に助けられました。
今日は熱中症対策のためお腹まわりの補正も、伊達締めも省略。最低限の紐だけで着てみました。
かっちり着付けたときに比べれば崩れやすいですが、布が減るとその分ぐっと涼しく感じられます。
保冷剤と、冷んやり触感の汗拭きシートも持参。
快適に和装を楽しめるよう、日々研究なのです。
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![髙橋三保子](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/123104755/profile_71e5e0c15505b79b3e26527e6a68f765.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)