Vol.10 【0学期の今だから③】新年度にスタートダッシュを切るためには?のお話
皆さん、1週間お疲れ様でした。HANABIが勤務する中学校は、「残り11回登校」すれば卒業式という段階になりました。時間が過ぎ去るのは早いものですね。4月から現在の中学校に異動、しかも久しぶりの公立中学校ということもあって、内心ものすごく緊張していました。しかし、HANABIと関わってくれる多くの生徒や教員のみなさんのおかげで、何とかここまで走り切ることができました。卒業式の2日後には、県立高校の入試が控えています。死に物狂いで頑張る姿を間近で見てきたからこそ、絶対にその努力が報われてほしい…。そういう気持ちでいっぱいです。ただし、そうは言っても全員が希望を叶えられるわけではありません。結果がどうであれ、これまで積み上げてきた努力を誇りに思い、4月から新しいステージで思いっきり羽ばたいていってほしいです。全国にいる中学生と保護者の皆さんにエールを送ります!本番は「楽しむ」気持ちを大切に!!
前々回(Vol.8)と前回(Vol.9)に引き続き、今回も新年度に向けての「私自身の心の準備」を書いていきます。テーマは「中学校教師として、どのようにして4月を作り上げていくの?(主に新1年生対象)」です。
主に中学校教師向けのお話になってしまいますが、保護者の方で初めてお子様を中学校に送っていただく人、小学校教師として中学校の学校運営を知ってみたいなという人にとっては、少し有益な情報があるかもしれません。少しの時間ですが、お付き合いください😁
「中1ギャップ」にどう向き合っていくのか?
ボクは以前、ある教育雑誌に「中1ギャップ」についてのお話を社会科の側面から書かせていただいたことがあります。その時に書いた内容はこんな感じでした。引用が少々長くなります(本当にすいません!)。
簡単に言うと、小学校から中学校に進学すると、何から何まで全てが変わって、戸惑いが増えて参ってしまう中学1年生がいるということです。これを「中1ギャップ」と言います。
授業時間が50分になること(勉強が苦手と思ってしまっている生徒にとってはプレッシャーがかかる)、全ての科目で先生が変わること(担任と相性が悪くても絶望的な気持ちにはならない)、教室移動が増えること(自分で準備することが苦手な生徒はここでつまずく)、礼儀の基準が信じられないくらい上がること(先輩・後輩の関係、教師・生徒の関係で疲れる生徒が増える)、部活動があるけど何が何だか分からないうちにどこかの部活に入らなければいけないこと(これが一番かわいそう)…。
中学校教師として考えておかなければいけないのは、「当たり前の日常」が「当たり前ではない日常」になる生徒が目の前にいるということです。実は、こういうことを真っ正面から考えられる中学校教師が少ないのが現状です。
「中1ギャップ」の恐ろしさはここだけに留まりません。4月が過ぎると、5月から本格的に学校生活が始まり、中学校で初めての「定期試験」があります。この時期を境に、「もう中学校はやっていけないかも…」と思う生徒が増えていきます。その後の展開は…。言葉にすることがつらいですが、学校に行きづらくなる生徒が生まれてきてしまいます。
このような状況をつくり出さないために、ボクたち中学校教師は何ができるのでしょうか?「0学期」の今だからこそ、考えておきたい問題です。
4月は「ドキドキ」する期間へ!!
そういえば、今週からサッカーJリーグが開幕しましたね。サッカーファンにとっては、「新チームがどんな形で仕上がっているのか」「この1年間でどれくらい楽しませてくれるのか」を占う大切な試合が続きます。
Vol.10の表紙は珍しくF1(出典は、HANABIが愛読している「auto sport Web(https://www.as-web)」さんです)!実は、F1も来月開幕するんです!!先週から各チームの新車発表が始まり、HANABIの心はドキドキする毎日(笑)チャンピオンシップの行方がまだまだ分からないこのような時期だからこそ、こんな気持ちになるのかもしれないですね!とにかく応援してるぞぉーー、TSUNODA!!
そう、このような感覚を、新しい中学校1年生は持っているはずなんです。誰だって、最初は!!このモチベーションを4月のどれだけ上げさせることができるのか?ここが最大のポイントかなと思います。
当たり前のことを言っているようですが、4月は生徒も教師もやることが本当に多く、このポイントを見失いがちです。双方「雑務」に追われ、ただ機械的に提出物を出したり見学に行ったり体験に行ったり…。
そこで、HANABIがオススメしたいのが、OW(オープンウィンドウ)64です。大谷翔平選手が高校時代にやっていたことで有名になっていますが、もともとは原田隆史さんが考案し、日本中に広めていったものです。ボクも原田さんの講座に何度も通ったほども「原田通」なのですが、OW64を正しく実践すると、ビックリするくらい1年間の学年・学級運営が上手くいきます。なぜなら、1年後の目標が明確になるだけでなく、今やらなければいけない行動目標もはっきりするからです。
HANABIが受け持つ学級では、必ずOW64の作成から入ります。クラスメートと真剣に話し合う場を作れば、1時間もかからないで作成することができます。そして、その後「学級目標」「学年目標」を決めていくことになります。ちなみに、朝の学活と帰りの学活では、64個の目標から2個選んだ目標の発表(朝)と反省(帰り)をします。ぜひみなさんの学校でもやってみてください!もちろん、個人やご家庭、会社でも作成すると、目標達成率は上がるかもしれません!!
まとめると
小学校から中学校への進学は、ボクたち大人からは想像ができないくらいのプレッシャーがあります。しかし、プレッシャーがありながらも、心のどこかでワクワク・ドキドキしている気持ちがあるのも事実です。
中学校だからと言って、そんなに変なプレッシャーをかけないであげてください。
これがHANABIからのメッセージであり、全国にいる中学校教師への注意喚起です。
Vol.8でも書きましたが、中学校教師は、幼少期〜初等教育期から引き継いだ重要なバトンをいただく大切なランナーです。もっと大切に目の前の生徒を育てていきましょう。不登校生徒を生み出していることの要因は、社会全体の閉塞感や家庭環境の問題ではなく、「自分たち中学校教師にあるかもしれない」という危機感を持った方が良いと思います。
さぁ~、希望のある毎日を送っていただけるように、今から準備していきましょう。
おっと、その前に…。良い卒業式を迎えられるように、そして万全な状態で県立高校の入試へ行ってもらえるように頑張ります!!
*最後までお読みいただき、ありがとうございました。
中学校社会科教師のHANABIです!学校教育の現状、中学校社会科の面白さ、自分の生徒・卒業生や全国にいる中学生へのメッセージ、時にはHANABIのプライベートまで、いろんな角度から掘り下げて綴っていきます!!SNS初心者ですが、よろしくお願いします(*^▽^*)