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名取 道治 Michihari NATORI
2021年3月30日 21:58
はっきり云って、Noteに小説を載せるほど身はすり切れる。 無料公開の作品に、命は擲てないだろう。てきとうに。てきとうに。そうおもうほど、創る力は腐ってしまう。命の火をかきたてながら、創ることが肝なのに、冷気に命を漬けて、火を葬っている。 しかし、Noteで試みたことは、現代への道を築くことであった。 私は4編『快刀乱麻』『汽車ごっこ』『蛙は風になる』『珍客』を載せた。けっこう駄作だと
2021年3月28日 18:17
「大きく云えば、戦争、災害、小さく云えば、事件、病気、人間生きてりゃ、それなりの理不尽にぶちあたるさ。葉が枯れるように、空が陰るように、血が黒ずむように、風が凪ぐように、乾いた濁った張りつめた静寂に、ぜんぶが呑まれちまうさ。それでそいつはたまらなく苦い味なんだ。なんで苦い味を舐めながら生きにゃならんか、苦悩が始まってしまうんだ。つまり、(語り手は、手を右から左に動かす。)理不尽→苦悩の図式があるの
2021年3月26日 21:05
幸福というものはたわいなくっていいものだ ――草野心平 暮れ方に、山の音。 蛙はうすめをひらき、風にたなびく水田をうつし、「……おれは風かもしれない。ちょっと、周りを揺すって、それでおしまい……。なあんの意味もない。そうさ、そうさ、おれは風だ。ああ、おれは風なんだ」 ふわあっと、蛙は大きな口をあけました。緑いろの顔に、青いろの隈。すいみん不足でした。きのう、月にみとれていたのです。蛙