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国際情勢:何がロシア・ウクライナ戦争の停戦を妨げているのか?

 2025/01/20が来た。(14,307文字)
 JanuarySixがあった2021/01/06から4年経った。
 あのトランプがカムバックしてくる。

 だがホワイト・ハウスに、帰ってくる前から暴れている。カナダのJustin Trudeau首相は、もう寿命だったけど、トランプに州知事と言われて、ショックで辞めた。
 
 メキシコ湾をアメリカ湾と、トランプが命名すれば、メキシコの女性大統領は、北米大陸の古地図を広げて、メキシカン・アメリカと呼びましょうと提案する。
 
 パナマ運河はアメリカのものだとトランプが主張すれば、1ドルで売ったのはおたくのプレジテントだとやり返す。(年末に亡くなったジミー・カーター元大統領)
 
 グリーンランドをデンマークが所有するのは根拠がないと、トランプは言いながら軍事的オプションさえちらつかせる。

 困ったデンマークはNATOに泣きついて、ドイツのショルツ首相に、NATO加盟国への攻撃は、NATO加盟国全体の攻撃であると言わせる。
 
 でもよく考えれば、NATOの盟主はアメリカの筈なのに、恰も、NATO加盟国ではないかのような扱いを受けている。
 
 NATO加盟国が、NATO加盟国を攻撃するという事態は、深刻な論理矛盾であり、誰も考えていなかったから、これは完全にギャグである。
 
 
これらは先に最大要求を言って、後で現実的な要求を通す営業的な手法だ。相手から譲歩案を言わせたら、勝ちである。ビジネスの世界で使われる手だ。いわゆる、トランプのアタック、アタック、アタックだ。(富野由悠季のアニメ『聖戦士ダンバイン』のOPじゃない)
 
 今回一番ビックリしたのは、大陸の某国家主席だろう。まさかの招待状である。関税60%かけるとか言いながら、大統領就任式に呼ぶとか、どんだけ?と思った事だろう。とりあえず、お飾りの副国家主席を送り込んで様子見だ。

 2025/01/20のトランプの大統領就任式には、アルゼンチンのミレイ大統領が来る。「オレはライオン」と歌って大暴れして、大統領選挙に勝ち、役所をブッ潰して、財政赤字から脱しつつある。中南米希望の星だ。(この人、ちょっと昔のサッカー選手、マラドーナに似ている。国民性?)
 
 このミレイ大統領の二番煎じをやるという事で、トランプの右腕?イーロン・マスクがホワイト・ハウスに入る。政府効率化省?だ。
 
 トランプの大統領就任式には、アマゾンのジェフ・ベゾフ、メタのザッカーバークも招待された。GoogleやマイクロソフトのCEOもいる。全社、多額の献金をしているが、内心どう思っている事やら。それにしても、これではまるで、プレジテントの就任式である。ビジネス界の希望の星なのか?
 
 皆、おたくのプレジテント、大丈夫?と思いながら、眺めるのだろう。経営者たちのホワイト・ハウスは上手く行くのか?もしかしたら、最初に脱落するのは、イーロン・マスクだったりするかもしれない。

 一期目の元首席戦略官のスティーブ・バノンは、ホワイト・ハウスに「嵐の日々」が来ると言う。前回もそうだったので、誰も驚かないが、ホワイト・ハウスが、ブラック・ハウスになるのは時節の風流だろう。
 
 就任前にこれだけ暴れた大統領もいないと思うが、成果はあったのか?あった。中東だ。トランプが、就任前に人質を解放しないと、
    All hell will break out in the Middle East.
 
(中東に地獄が現われる)と脅した結果、
 ハマス・イスラエル戦争は停戦した。
 
 トランプとイスラエル首相の蜜月ぶりは、前回もそうだったので、ハマスも本当に地獄が訪れそうだと感じたのか、停戦交渉に応じた。当然、アメリカの民主党政権は、自分たちの手柄だと言っている。
 
 トランプは中東外交に強いと、改めて印象付けられた。瞬殺?である。今一番恐怖しているのがイランだろう。潰される可能性がある。だから慌てて、イランはロシアと軍事的な攻守同盟を結んだ。シリアを失ったロシアもこれ以上後退できない。中東で足場を全て失う訳にはいかない。

 ただトランプとイスラエル首相の蜜月ぶりは、正直怖い。一期目の時、紛争中のゴラン高原を、トランプ高原と持ち上げられて、まんさらでもない顔をするトランプを見て、うわ、この人、クソだな。そんなお追従に乗るなよと思った事は、今でも忘れない。
 
 どっか他社だったら、おたくのプレジテント、大丈夫?で済むが、今回、合衆国のプレジテントになるのだから、皆巻き込まれる。全世界だ。別にトランプ・オーガニゼーションの社員になったつもりはないが。
 
 トランプも、イーロンも、そしてタッカー・カールソンも、間違いなく仕事はできる。仕事はできるのだが、性格はクソである。だが偉大な精神性も兼ね備えているので、始末に負えない。だが英雄とはこういうものだ。

 こういうプレジテント、こういうボス、皆さんも覚えはないか?渡る世間は鬼ばかりではないにしても、(仏は時々いる)売上を立てるため、雇用を守るため、こういう鬼は必要だ。
 
 アメリカのビジネスマンに通底して言える事かも知れないが、底意地が悪い。これ、カウボーイの文化なのか、何なのか、知らないが、日本やフランスでやらない無作法を平気でやる。特に東海岸で見かける気がする。

 ホワイト・ハウスに嵐の日々が吹いて、ブラック・ハウスになろうと、当方の知った事ではないが、爆風はこちらに向けないで欲しいなと思う今日この頃である。ちょっと前置きでふざけすぎた。本論に入ろう。

 

Ukraine


 
 2025/01/07、Mar-a-Lagoの記者会見で、トランプは公約を取り下げた。就任したら24時間でロシア・ウクライナ戦争を停戦させる公約だ。半年、もしくはもっと早くに、戦争を終わらせる事を目指すと言う。
 
 大変残念だ。正直、これだけを希望に、トランプを待っていた。だがトランプでも、見通しが立たなくなったという事だろう。戦争のエスカレートが速く、間に合わななかった感じだ。
 
 現在の予定では、トランプ就任後、電話で首脳会談をやると言う。電話一本で戦争が止まるとは思わない。優先度が下がっている。
 
 長期戦を覚悟して、何度も電話して、話を詰めて行くのかもしれない。本当に重要な部分に差し掛かったから、対面で会うのかも知れない。それであれば、仕方ないというか、理解はできる。だが見通しは暗い。
 
 中東の停戦は、行き掛けの駄賃みたいに片付けたのに、欧州は無理か。すぐに終わらせると考えていたのは、現在の状況ではない時だろう。ロシア・ウクライナ戦争のフェーズが変わったのは、冬に入ってからだ。
 
 では何が原因でそうなり、
 どういう結果(フェーズ)が生じたのか?
 原因はアメリカ民主党政権がロシア本土攻撃を許可した事だ。
 その結果、ウクライナからロシア・クルスクへの逆侵攻が起きた。

 
 最初、ATACMSとストーム・シャドーが、ロシア本土に落ちた。それに合わせて、ウクライナの越境侵犯と逆侵攻が始まる。
 
 だが去年の夏頃から、アメリカの許可なく、ウクライナは勝手に、長距離ドローンで、ロシア本土を攻撃していたのだ。
 
 これは絶対に止めるべきだった。だがまさかの追認だ。これで、一体どうやって戦争を終わらせるのか?青写真はあるのか?
 
 そういう意味では、アメリカ民主党政権は、戦争犯罪を犯している。後世、大統領は厳しく断罪されて、裁かれる事になるだろう。

 だが今はその時ではない。今の問題はウクライナだ。ウクライナによるクルスクへの逆侵攻は、最悪の一手である。北朝鮮が参戦してしまったように、戦争をエスカレートさせた。
 
 政治的にも正統性がない。これはウクライナのロシア侵略だ。
 軍事的にも、戦略的に意味がない死地に、精鋭を送り込んでいる。
 
 何がロシア・ウクライナ戦争の停戦を妨げているのか?という問いに対する答えは、ウクライナによるロシア・クルスクへの侵攻となる。

 西側が本土攻撃を取り下げない限り、ロシアは停戦には応じないだろう。ウクライナがクルスクから撤退しない限り、ロシアも進撃を止めない。
 
 それどころか、ロシアだって、
 西側を本土攻撃するかもしれない。
 
 ベルリン・パリ・ロンドンに、
 ロシアのミサイルが落ちるかもしれない。

 世界の平和が大きく損なわれて、欧州大戦になるので、やめて欲しい。だが西側が本土攻撃をOKしたら、理論的には東側も同じ事をやれる。

 ロシア本土攻撃を許可したのは、アメリカの民主党政権だ。最悪、欧州が火の海になっても、ロシアが弱ればいいと考えているのか?アメリカ本土は傷つかないで、後方支援に徹していればいいのか?
 
 同じ発想で行けば、米中衝突の時、日本が火の海になっても、アメリカが無事ならいいのか?経済的に繁栄していればいいのか?

 同盟国を捨てる選択をするアメリカのデモクラッツは悪手を打っている。レパブリカンは違う考えを持っていると思いたいが、正直分からない。
 
 とにかく、ロシア本土攻撃をOKした事は、この戦争の分水嶺になった。戦争が始まった時は、あれほど慎重だったのに、今は180度変わった。
 
 次のトランプ政権はどうするのか?取り下げるのか?継続するのか?だがもう一度やっているのである。ロシアは報復の権利を保有する。それにしても、ロシアのプーチン大統領は、かなり抑制的だと思う。
 
 ソ連の共産党書記長だったら、確実に撃ち返して、報復する。通常弾頭だと予告した上で、欧州各都市に落せと命じるだろう。プーチン大統領は我慢している。だが無限の忍耐力はないだろう。

 ウクライナの大統領は、クルスク侵攻は、奪われた領土を取り返すための一手と考えているのかも知れない。交渉材料だ。
 
 だが戦争に勝っているのは、どう見てもロシアである。交渉材料にはならないだろう。むしろ交渉を妨げるだけだ。
 
 ウクライナによるロシアのクルスク侵攻は、戦火を拡大させた。停戦交渉の役に立たない。戦争を泥沼化し、終わりが見えなくなった。

 ウクライナの大統領は、最初から、この戦争をどう終わらせるか、見通しを描けていない。ただ西側の支援を得て戦っている。
 
 だがもうすぐ二年終わって、
 三年目である。厭戦の気配は濃厚だ。
 
 ロシアも、ウクライナも、
 脱走兵は10万人を超えると言う。
 
 
もう戦うのは、馬鹿らしい、
 という戦場の空気はあるだろう。
 
 西側が幾ら武器を渡しても、肝心の兵士が逃げて行くのである。ウクライナ第155機械化旅団の事件は象徴的だった。

 同旅団は、全て西側の資金と装備で構成され、2024年に創設された。5,000人弱のウクライナ兵をフランスで訓練した。脱走兵はすでにいた。
 
 そして2024年12月末、訓練が終わった同旅団はウクライナに送られた。だが1,700名も兵が脱走したと言う。2025年1月から戦闘に参加した。

 装備は全て西側兵器で、資金も訓練も西側が無償で提供した同旅団は、初陣でロシア軍から壊滅的な損害を受けて、2025年1月に解散した。

 これがフランスのマクロン大統領が肝いりで進めていた計画の結末だ。同旅団のフランスでの訓練中に、視察に訪れて、コメントしていた。
 
 フランス語のニュース動画でも、今後のモデルケースと紹介された。だが肝心のウクライナ人がもう戦わなくなっている。これはどういう事か?
 
 一つは、この戦争が長過ぎるという事があるだろう。
 二つは、この戦争に意味を見出せなくなっているのだろう。

 ウクライナによるロシアのクルスク侵攻は、
 深刻な矛盾を抱えた。
 
 ハッキリ言って、この戦争に正義がないと感じ始めているのだろう。国土防衛と言いつつ、交渉を有利にするため、侵略したのである。
 
 これは完全にポリティクスだと思うだろうし、軍事作戦でしかない。そして終わる見込みのない戦いをしていると思うだろう。負け戦だ。特に北朝鮮が参戦してきた事は、戦争の泥沼化を予想させた。
 
 ロシア側も事情は切迫している。装備・兵器の在庫が払底している。特に戦車がなくなってきている。とうとうT-34を引っ張り出した。
 
 T-34は第二次世界大戦中の戦車で、独ソ戦争で使われた。こんな古い戦車まで使う羽目になった。北朝鮮兵が乗るのか?

 北朝鮮では、T-34は現役で稼働しているので、ちょうどいい?だがすでに訓練は始まっていて、極東ロシアでやっている。
 
 戦場にはまだT-72やT-55がいる。だがロシアの戦車工場では、新規生産は殆どできないので、在庫がどんどん減っている。
 
 西側の経済制裁は、ロシア経済に何の効果もなかった。だが半導体を中心とした電子部品の輸出禁止は効果があった。

 ロシアは今、戦闘機も戦車も作れないのである。部品がない。新しい兵器・新しい装備ほど、西側に依存していたのである。
 
 まだデータ上は、あるいは書類上、ロシアは兵器や装備がある。だがただのスクラップや耐用年数が近い装備・兵器が多い。
 
 ロシア軍は古い資産をずっと使い回し、新規生産は外国に売った。今、装備や兵器、部品、特にエンジンを外国から買い戻している。
 
 ロシアも、ウクライナも、砲弾の生産は間に合い、回復しつつある。だが152mm砲の砲身の寿命が尽きて、スクラップが生じている。
 
 この砲身問題は西側も同様で、155mm砲の生産が間に合っていない。冶金的に言って、砲身を作る事は、砲弾を作る事と全く異なる。
 
 砲身は簡単に大量生産できない。難しい。年間数十本単位だと聞く。だから今、軍艦の砲を外して使っている。代用だ。陸上に回している。
 
 このまま行くと、ロシアもウクライナもいつか、大砲が撃てなくなる。その場合、自然休戦になっていいかも知れないが、まだ先の話だ。
 
 双方、無理が祟って、多くの人が死んでいる。もう停戦時だろう。ロシアはまだもつが、ウクライナはもう長くはもたないだろう。
 
 フランスのマクロン大統領も、ウクライナに対して、取られた領土は、もう諦めるように言っている。そうしないと戦争が終わらないと言う。
 
 だがウクライナの大統領は、諦めが悪く、クルスクの確保にやっきだ。これが停戦交渉の妨げになっている。ウクライナの大統領が戦争を長引かせている。負けを認めず、いつまでも抵抗を続けている。
 
 戦争が長引けば、ウクライナはどんどん領土を失うだろう。だが戦略的に要衝の地であるオデッサまで、ロシア軍が来たら、EUも黙っていない。参戦する。それが今のNATOの作戦だろう。これが怖い。欧州大戦だ。NATOはオデッサ防衛の準備を進めている。ロシア軍はオデッサまで来るのか?
 
 トランプにも止められない状況になれば、アメリカは手を引くだろう。アメリカはウクライナに対する支援を停止するだろう。理由はアメリカ・ファーストだ。NATOは割れる。
 
 そうなると、EUがウクライナを全面的に支えなければならなくなり、戦争はさらにエスカレートする。戦場はウクライナに限定されない。
 
 イギリス・フランスは、ロシアと戦う気がある。これは危険な誘惑だ。ドイツ・ポーランドは、ロシアと戦いたくないが、軍備は増強している。
 
 イタリアのメローニ首相は、アメリカのトランプ大統領と仲がいい。まるで恋人の様に語り合う。彼女もロシアと戦いたくないと考えている筈だ。それにしても、Mar-a-Lagoで寄り添う二人のあの目線には驚かされた。
 
 トランプとプーチンの電話会談が、どうなるのか分からないが、条件が合わなくても、もう停戦したいという気持ちはある筈だ。そこに賭けるしかない。あとはもう二人の話次第だ。

 なおエマニュエル・トッドは、停戦交渉は上手く行かない。失敗すると言っている。理由はアメリカの政権が交代すると、方針が180度変わる事があるためだと言っている。ロシア側からみて信用できないという事だろう。
 
 だがこの戦争が止まらないと、人類は本当に不味い事になる。戦争の火が止まらず、各地で広がって、小規模紛争も止められなくなる。特にアフリカだ。この星の人間は、お互いを殺し合って、絶滅の危機に陥る。
 
 ハマス・イスラエル戦争の停戦は喜ばしい事だが、根本解決はしていない。正体を現したイスラエルの首相に退陣の気配はない。長期政権か。
 
 中東の戦争は停戦したが、一時的なものになる可能性は高い。そして欧州の戦争は止まらず、アジアで第三の戦争が在りえる。
 
 

White house


 
 最後に、今後のトランプの動きについて、少し触れておきたい。就任後、前例のない規模で、不法移民を強制送還すると言う。
 
 この事に関して、政権内でも意見は、微妙に異なる。選挙時、主戦力だったMAGA派は、不法移民は全員送還だ。だがイーロン・マスクなどの少数派はそう考えていない。
 
 不法移民でも、ITなどの資格を持つ高度技術者は残したいと、イーロン・マスクは考えている。移民を選別している。

 トランプが言う不法移民の定義がよく分からないので、こういう混乱が起きている。アメリカの移民全体が怯えている。
 
 トランプは、イーロン・マスクの力を借りたいと考えている。だがこれまでの主流派もいるので、支持は確保したい。だから移民政策に関しては、微妙なかじ取りを迫られる。
 
 今回、トランプ政権の外にいる元首席戦略官スティーブ・バノンは、嫉妬心を剝き出しにして、イーロン・マスクに決定権はないとか、あいつの顔を引き裂いてやりたいと言っている。個人攻撃だ。
 
 これはかなり奇妙な事で、イーロン・マスクも変だと思っている筈だ。一見して、古いトランプの腹心が、新しいトランプの腹心に、嫉妬しているように見えるが、恐らくそうではないだろう。これは、トランプが、スティーブ・バノンにそう言わせている。無論、当方の推測で証拠はない。
 
 トランプは、イーロン・マスクを牽制しているのだ。主導権は渡さないという意志表示だろう。
 
 バノンはバノンで、イーロン・マスクが脱落したら、トランプ政権に入るつもりなのだろう。取引だ。

 トランプは、二人の力を借りたいが、
 ミッションが異なり、全体のバランスを見て、
 どうするのか決めている。
 
 トランプのこういう人の使い方は、経営者ならお手の物だし、一期目でも、ジュリアーニ元ニューヨーク市長がやられた。彼はトランプに協力した結果、破産したとみるべきだろう。トランプに不徳が発生している。

 やはり経営者たちのホワイト・ハウスはブラック・ハウスであり、スティーブ・バノンが言う嵐の日々になるのだろう。
 
 別にトランプが悪いと当方は思っていない。こんなの当たり前だし、そもそもビジネスの世界はこんなものである。それが政治ショーになっただけだ。マスコミが社内同報化しただけだ。トランプだって、何が何でも勝ちたいから、目的を達成したいから、そうしているだけだ。悪意なき破壊だ。
 
 トランプを擁護するつもりはないが、元々彼はナイーブな人間だったと思っている。メラニア夫人との子、バロン・ウィリアム・トランプは、子供の頃の、青年の頃のトランプと似ている。きっとあんな感じだったのだ。
 あの俯き加減で、ちょっと微笑む感じは、若き日のトランプの面影だ。
 
 トランプのリアル・TVショー?『アプレンティス』でも印象的なシーンがあった。なぜか末期がんで死ぬ予定の子供が出演したがり、トランプから「You're fired!」(お前はクビだ!)と言われたいという変な子供が出た。
 
 トランプは最初、その子を見て、口を開くのだが、珍しく言葉が出ない。少年は末期がんで死ぬのに、目をキラキラさせている。とうとうトランプは「You're fired!」(お前はクビだ!)と言えず、「Good Luck!」(がんばれ!)と言って立ち去る。見てられなかったのだろう。
 
 こういうところに、トランプの本来の性格が出ている。どんなに頑張っても、悪人になれないのだ。やっぱり、時々、凄く合わない事、不思議な事を言うので、ナイーブな部分は完全に消えた訳ではない。
 
 それでも、普段のトランプは、アタック、アタック、アタックで行くのだろう。そして世界中のコメンテーターがけしからんと怒り出し、攻撃された当事者はうろたえる。別に言っているだけだから、ほっとけばいいのに。
 
 そして我々はトランプ・オーガニゼーションの社員よろしく、ウチのプレジテントは大丈夫だろうか?とハラハラするのである。かくしてブラック・ハウスは世界を支配するのである。ホワイト・ハウスは遠い。
 

 
 
ここから先は霊的な話になるので、読みたくない方は回避推奨だ。サイエンスとも、テクノロジーとも、一切関係がない。文献学的考証とか、第三者検証性とか、そんなもの、一切ない話になる。だから読まない方がいい。
 
 理性が好きな方は、ここまでで得られた情報で、満足されたなら、もうお帰りになられても構わない。常識的な話としては十分だろう。
 
 最後、手加減なしで霊的な話をするので、常識的な方は無理しない方がいい。一体何を言い出すのか、興味がある方だけ、お読みになられるとよい。
 
 ただし日本人には、かなりきつい話で、理解を遥かに超えているかも知れない。全く何を言っているのか、分からないかも知れない。そんな世界、在り得ないと思うだろう。正直、当方でも判断がつきかねる面はある。
 
 小手調べに、トランプの話から行く。だが徐々に厳しくなる。
 最後は大上段に構えて、一気に振り下ろすので、ついて来れない方は、ここで立ち去って欲しい。お帰りになる方には、これまでの読了に感謝する。
 
 それでは伝える。

 トランプは、神によって与えられた使命があり、それは「絶対に負けられない戦いに勝て」というものがある。
 
 神仏は、地上で、絶対負けられない局面になると、この魂を送り込んで、地上の戦いに勝つのだ。英雄が英雄たる所以だ。

 トランプは、ギリシャのテミストクレースの転生者だと、当方は考えている。理由はあまりに似ているからだ。
 
 ペルシアとギリシャ、敵と味方に、それぞれ情報を流して牽制し、自分が持って行きたい方向に、戦局を整えるあのやり方だ。
 
 
これは今、スティーブ・バノンとイーロン・マスクに対してもやっているし、あらゆる局面でもやっている。独特な情報戦、人心掌握術だ。
 
 トランプが、テミストクレースだと当方が確信したのは一期目だ。トランプが、あるプロジェクトに参加した人の名前を全部暗記して、皆の前で読み上げて、激賞するのを見て気が付いた。似た事をテミストクレースもやっている。かなり特徴的な行動だ。他にも色々あるが、これが決定的だった。
 
 当方は自分の過去世は分かるが、他人の過去世までは分からない。だが一部例外事項はあって、世界史的人物は、過去の歴史のお陰で、分かってしまう事がある。類似した思考は、よく似た運命を、再び歴史にもたらすのだ。
 
 例を言おう。ロシアのプーチン大統領は、ローマの初代皇帝アウグストゥスの転生者だと思っている。戦争下手、長期政権、女性から恨まれているなどなどだ。これはソ連のゴルバチョフの運命から派生的に読める。
 
 ローマ
 カエサル→ブルトゥス→アウグストゥス
 ロシア
 ゴルバチョフ→エリツィン→プーチン
 歴史
 旧体制→クーデタ→新体制
 
 あの時代の空気を知らないと、分からないかも知れないが、もしゴルバチョフがいなければ、1980年代に米ソは核戦争に入っていた可能性は極めて高い。第三次世界大戦だ。(映画『ターミネーター2』などがあの時代の空気の参考になるか)だがゴルバチョフは、ソ連を平和裏に解体して、米ソによる核戦争を未然に防いだ。これは一種の人類救済だ。
 
 大げさに言えば、ゴルバチョフはある意味、救世主だった。少なくとも、政治的、軍事的に文明の破滅から人類を回避させている。これほど偉大な政治家は人類史でも少ない。できる魂は限られてくる。トランプでも無理だ。
 
 ミハイル・ゴルバチョフが、ガイウス・ユリウス・カエサルの転生者だと読めた時、当方が思った事は、ゴルバチョフがカエサル同様ハゲである事、来日時に日本の女子高生に異様にもてて、ゴルビー人形なる推しぬいが鞄にぶら下がっていた事を指摘しておきたい。転生者にしか見えない。
 
 2,000年も時間が空いているので、これらの人物は、他にも転生もしているかもしれない。だがバラバラに転生されるともう分からない。ローマとロシアの比較例は、かなり例外的に分かりやすいが、他にも例はある。
 
 世界を変えるという使命を持ち、短期間で圧倒的な戦闘回数をこなしたアレクサンドロスとナポレオン・ボナパルトは同一の魂だろう。転生者だ。彼らは共通してエジプトに行き、ビジョンを見ている。いつか小説化する。

 トランプとて、テミストクレース以外にも転生していると思うが、当方が分かる範囲で言えば、テミストクレースだけだ。
 
 それでもテミストクレースの運命から、トランプの運命も読める。この後、二期目のトランプは、重大な敵と戦う事になる。
 
 それはすなわち、トランプにも、サラミスの海戦があるのだ。具体的に言うと、中共による台湾侵攻だ。これは絶対負けられない。
 
 このサラミスの海戦は、日本近海で行われるため、自衛隊も出動するだろう。恐らく殉職者が大量に出る。だがこの死は、決して無駄ではないと今のうちに言っておく。21世紀以降の日本のために、必要な礎だ。
 
 2023年の米軍のシミュレーションでは、米空母二隻喪失するが、台湾から中共の人民解放軍を撃退する事に成功している。
 
 現時点では、まだアメリカが勝つ見込みは高いという事だろうが、大陸のあの国家主席も愚かではないので、ギリギリまで引っ張るだろう。
 
 問題はいつ、中共による台湾侵攻が起こるだが、異例の四期目を目指す大陸の国家主席は、三期目中に台湾を落して、中華統一を狙うだろう。
 
 党総書記が2027年、国家主席が2028年に、任期が切れる。2026年か、2027年辺りが、台湾侵攻のタイミングとなるか。
 
 なお当方は、自分の夢で、21世紀後半の台湾の台北を歩いている。時空確率的に、今の台湾が存続する可能性は高いと見ている。恐らく、トランプは、このサラミスの海戦に勝つのだろう。
 
 二期目のトランプ政権が始まるが、絶対に負けられない戦いがあるので、ロシア・ウクライナ戦争も、ハマス・イスラエル戦争も、前哨戦に過ぎず、中共による台湾侵攻が始まった時が、トランプの正念場、本番だろう。
 
 世界の三つの地域で、重大な紛争が同時に起きていれば、それはもう世界大戦と言っても過言ではないだろうし、後世の歴史家は、今よりもっと前に始まったと判定するかもしれない。
 
 いずれにしても、負け戦は停戦し、勝ち戦は勝って終わりたい。戦争の死者たちも、大量の不成仏霊になって、地上を彷徨うだろうが、そうなる前に、早く戦争を終わらせて、死者を弔う事が重要だ。
 
 戦争で死ぬ事は不幸だが、必ずしも無意味ではないと伝える事が供養になる。未だに南洋の日本兵たちも、ジャングルを彷徨っている。悪夢だろうが、早く終わる事を祈る。
 
 出会った瞬間から、別れが始まると仏教は言うが、あと4年で、泣いても笑っても、トランプとはお別れである。
 
 最後はどうなるのか分からないが、アメリカから「陶片追放」を喰らって、現代のペルシアたるロシアに亡命して、プーチンと仲良くしていたらウけるが、これは妄想だろう。
 
 流石にそんな事はないと信じたい。同じ魂でも、同じ運命とは限らない。螺旋状に運命は上昇していくのだ。
 
 日本も長く漂流している。心配だ。
 
 現代の日本人はとても賢いから、ロシア・中共・北朝鮮と三正面作戦になりそうな状況にあるのに、ビジネスしている。同時にこの三か国を相手して、勝てる訳がない。だがそういう状況は、ゼロじゃないと思っている。
 
 極東ロシア軍は、ロシア・ウクライナ戦争で、戦力減となっていない。基幹戦力は残っている。北海道侵攻は在り得る。ロシアの体力であれば、二正面作戦はできる。北海道にはもう二個師団しかいないから、防衛は無理だ。
 
 中共は、台湾侵攻をやるだろう。内部事情がそれを許さない程、逼迫すれば話は別だが、経済的に行き詰まる前に侵攻する。そして米中で激突して敗れる。問題はその後で、中共が経済破綻する。これは金融のブラック・ホールが発生する程で、全世界の銀行が巻き込まれて、連鎖倒産する。
 
 北朝鮮は、ずっと韓国を狙っているが、邪魔な日米を牽制するため、攻撃してくる。ミサイル攻撃だ。本気でソウルを取りに行くなら、都内に北朝鮮のミサイルが降って来るかもしれない。ちょうど今、韓国はお祭り中だ。
 
 最近、日本の首相で交代があった。増税メガネと呼ばれた男が辞めた。彼が首相を辞めた本当の理由の一つとして、G7があると思う。今までは、何も考えずに、G7に合わせて行動してきた。彼は以前、外相だった。
 
 ロシア・ウクライナ戦争が始まると、日本の政権は、ウクライナ支持を表明して、復興資金と防弾チョッキを送った。ロシアは不快感を表明したが、大した支援ではないので、そのうち忘れ去られた。
 
 日本流外交、鳥とも、獣とも、判別がつかない鵺外交、妖怪外交だ。とりあえず、長いものに巻かれて、外敵から、どっち側にいるのか、よく分からないように、保護色を塗って、ステルス化する。日本妖怪外交の真骨頂だ。
 
 だが増税メガネは、ハマス・イスラエル戦争で、恐怖した。ハッキリ言って、日本以外のG6の考えが分からなくなった。ガザ地区で虐殺しまくっているイスラエルを支持するG6は、日本人として、違和感しかない。
 
 イスラエルに対して、注文を出しつつ、軍事支援を提供するG6は、戦後平和日本の国是にも反する。国際社会についていけない。増税メガネが陥った恐怖はよく分かる。だから責任が持てないと感じて投げ出した。
 
 この事は、広島と長崎でも、国民感情として一部出た。原爆関連の式典に、イスラエルを呼ぶか否かという問題である。イスラエルを呼ばなかった長崎は、G6から抗議の欠席を喰らった。日本人は孤立しつつある。
 
 イスラエルは、現代の踏み絵である。とんでもない国だ。人口僅か900万の国に世界は振り回されている。核兵器を持ち、イランと最終決戦をしたがっている。イラン側もそろそろ核兵器が完成して、実戦配備できる頃だ。
 
 黙示録のハルマゲドンは近いかもしれない。
 
 G7の中で、唯一の非キリスト教国である日本としては、G6の親イスラエル姿勢が理解できない。この感覚は当方も分かる。分かるが、このイスラエルの問題が分からないと、日本は国際社会の中で確実に置いて行かれる。
 
 日本人の常識として、国連に対するなぞの厚い信頼と、国際社会は善良であるから協調して動くべきという考えがある。これは日本国憲法に由来するが、そろそろこの国是が無理になりつつある。現実的ではない。
 
 日本人に、イスラエルの問題を理解するのは、もしかしたら無理かもしれない。いや、こんな話は、日本人にしない方がいいのかもしれない。
 
 この話はある意味、当たり前の話だが、秘中の秘かもしれない。
 欧米人はたとえ表面意識では意識していなくても、深層意識で影響を受けているものがある。
 
 イエス・キリストだ。

 
 イスラエルの問題にはイエス様が関係している。だからG6はイスラエルを守ろうとする。先の大戦の贖罪意識ではないのだ。イエス様は、ユダヤ人が滅びる事を望んでいない。イスラエルという国が滅びる事を望んでいない。
 
 ご自身を十字架にかけた民族にも関わらず、守ろうとしている。だから多分、大天使ミカエルをイスラエルの守りにつけている。ジャンヌ・ダルクの時、オルレアンを解放した最強の天使だ。イエス様は、中東で大虐殺が起きるのを防ぎたいのだろう。
 
 だからクゥルアーンを読んでいるムスリムの前に姿を現し、奇蹟を起す。そしてハマスの過激派がキリスト教に改宗する。この話は、英語圏・フランス語圏で薄く広まりつつある。
 
 現代の中東に、イエス・キリストが出たと、ムスリムが叫んでいると。皮肉な事に、キリスト教徒の前には現れず、異教徒の前にその姿を現すのである。これがイエス様お得意の逆説だ。いつもこういう事をする。
 
 中東のマスコミ、アルジャジーラが伝えている。彼らがイエス・キリストに忖度したり、何か配慮する理由はない。それだけに驚きがある。
   
 イエス様は、もう地上の教会から離れている。そっちは、聖母マリアに投げている。彼女も、東欧や中南米に出ている。霊感があるシスターたちが、指示や指導を受けている。これはヴァチカンも承知の上だ。

 サイエンスやテクノロジーに囲まれた日本人には、現代の世界で、イエス様が出たとか、マリア様が出たとか、そんな話、一笑に付すだろう。
 
 勿論、欧米人だって信じないかもしれない。だが深層意識では影響を受けている。そして集団としては、イエス様の影響下で動く。政治家も影響を受けている。だが日本人は、少なくとも、集団として影響を受けていない。

 イエス様は実際に出ていて、現実的な力を持っている。世界を変えようとしている。霊天上界上層部の考えとして、イスラエル防衛は決定事項に見える。この事を知った時、当方も唸らざるを得なかった。
 
 もちろん、イエス様とて、イスラエルのあの首相を良いとは思っていないだろう。だがそこにいる国民、ユダヤ民族は守りたいのだろう。
 
 だが仏教的に見た時、中東に渦巻くアラブ人たちの怨嗟の声は無視できない。縁起の理法は、宇宙の法則である。虐待・虐殺された同朋パレスチナ人の恨みを晴らす復讐劇は必ず起こるだろう。大虐殺は回避できるのか?
 
 もうどうなるのか分からない。そして日本がどう動くべきなのか、分からない。一切中東には手を出さず、見ているだけにするのか。欧州にも手を出さず、見ているだけにするのか。そして台湾だけ対応するのか。
 
 このまま行くと、日本は地域の一小国にまで堕ちて、影響力を失うだろう。現実的にも、霊的にも、まるで国際社会の動きについていけていない。重大な情報を掴めていない。信じる、信じない以前に日本人は眠っている。
 
 最近、古代ローマのプリニウス『博物誌』を読んで思った事だが、彼はどんなに荒唐無稽な話でも、記事として残しているのである。これはある意味、世界に対して真摯な態度と言えないか?後世に解明を託している。
 
 自分で量れないものはあるのだ。日本人は自分の眼と耳を塞いでいないか、よく考えるべきだろう。いつまでも眠り続ける事はできない。

                                以上

国際情勢:プーチン大統領について 1/12

ギリシャ・ローマ編 政治家編 5/5

国際情勢:正しい情報の取り方_言語的三角測量について

 
 
 
 
 
 

 
 
                               



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




 
 
 
 
 

  
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

 
 
 

 
 
 

 
 
 
 
 

 
 

 

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