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詩歌

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自作の詩・短歌・長歌。東方Project二次創作含む。
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2024年2月の記事一覧

【詩】美少女のファンタジー

 美少女なんていはしない  少女でさえ存在は怪しい  言葉の中にしか  理想の中にしか  い…

【短歌】燃え尽きた死体へ

 燻りが業火へと成るその理由にいかなる生者も迫れはしない  孤独の死、事故死、情死に、脳…

【短歌】バンド

 青春の帰らないとき削り得た路銀がくれたレンタルCD  十五年聴き続けてるその叫びあたらし…

【短歌】才と孤独

     才能を妬む已で諳んじる 頑張ってない人なんかいない    金、生活、寿命を削り…

【詩】酩酊要らず

 「わたしに触らないで」  雑居ビルの六階 呑処にて  もんどり打つように俯き ことばを放…

【詩】プレイリストに祈りを

   溺れる心を救った歌が  頭蓋に響いて ぼくの思考が  拡声する  果たしてこの痛まし…

【短歌】わたしが死んでも、

成すことは多大な罰を齎して残った総てを呪う始末で 要するにきみは他殺も自死もなくただ成り行きで世を去っただけ また寝坊、そんな非難のひとつさえきみの唇《くち》から消えてしまった しんでいくわたしを見殺しにする気ね そんな抗議は知られもしない 生き死にはいうほど大事なことじゃないけれど痛いよ華の吹雪は ※東方Project作品『東方妖々夢』に登場する妖怪  八雲紫 および  東方Project作品『東方妖々夢』に登場する亡霊  西行寺幽々子 をモチーフとした短歌

【短歌】承認の向こうに

空を飛ぶために放棄が必要だ他人に理由を求めることの すごいねと言われたいのはみずからの選…

【短歌】怪物の条件

不器用な友人の手がひらひらと熱を求めて彷徨う夜長 云うべきと思うことには手つかずで君を化…

【短歌】紅い線

   六畳間拡がる酒に口吻てみじめという字を思い出せない  金と銀 首、耳、腕の装飾に見…

【短歌】針ほどの姫

きみがよく曲を聴いてるスピーカー わたしの頭蓋とおんなじ幅だ 一世の覚悟で飛び降りる姿勢…

【短歌】無痛

 だいじょうぶ苦しまなくて済むように神経回路を切っておくから  迂らない躰で笑う顔を差す…

【短歌】悪魔道

 朝ぼらけ一刹那に咲く紅三日月かざした爪の形とおなじ  望むならこの血をどうぞと差し出す…

【短歌】血流すたびに

  短歌 血流すたびに    住み慣れた故郷の町に流る星その間に浮かぶ緋月の妙  陰ばかり視界を埋める暗い夜が連れてきたんだ血滴る蝙蝠  人間をけっして包めはしない翅くびすじに立てる刃を覆う  息だけで息絶えてった人の手がきみの往く手を後ろ手に閉じる  言葉ではもう分かれない隔たりを生み続けてなお至る孤高よ     ※東方Project作品『東方紅魔郷』に登場する吸血鬼  レミリア・スカーレット をモチーフとした短歌