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【詩】プレイリストに祈りを

 




 溺れる心を救った歌が
 頭蓋に響いて ぼくの思考が
 拡声する
 果たしてこの痛ましい感慨と
 あなたのうつくしい歌によって
 拡声されたような言葉と
 どちらが先にあったのか
 翳る あなたは
 ぼくを救い出したのか
 ぼくを押し留めたのか
 なにもわからない なにも

 夜闇に踊る灯りのようでありたいと
 次第に語りは加速して
 走って 走り抜けるように
 過熱した脳漿を持ってして
 興奮気味に灯りを求めて
 夜闇の灯りは ぼくである必要などなくて
 あなたがいればいいと 気づいて
 次第に指は静止して
 黙する 黙秘したがるように
 醒めきったジェルを頭に詰めて
 冷笑的に灯りをみつめて
 夜闇の灯りになりたかった頃に 戻りたくて
 次第に詩が重なる
 醜くもうず高く
 いつまでもそんな日々

 あなたの暖かみが
 連れ出したのは楽園か奈落か
 わかる日は来ない
 結局ぼくは、
 はじめてその歌を聞いたときから、
 今日、聞いているそのときもまた
 祈り続けているだけ
 その光で、ここではないどこかに
 連れて行ってくださいと
 祈り続けているだけ