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【短歌】バンド




 青春の帰らないとき削り得た路銀がくれたレンタルCD


 十五年聴き続けてるその叫びあたらしい曲うまれなくとも


 イヤフォンの向こうで響く慟哭のバンドサウンドでやっと眠れる


 瞳さえ知らない人の爪弾きを気づけば毎夜口遊んでた


 死んだりはしないよきみは眠るだけまた目覚めては誰かを照らす