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詩・小説

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2024年9月の記事一覧

小説を投稿して。なぜ文章表現が好きなのか

最近noteで小説を読んで、数年前に書いたものを思い出し、投稿してみた。こうして出してみると…

成瀬未来
3週間前
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小説|十七月の歌 6/6

時は満ちて ヘリコプターが過ぎてゆく音圧を感じて、僕は自分が横たわっていることに気が付い…

成瀬未来
3週間前
8

小説|十七月の歌 5/6

混沌とそれぞれの秩序 その週末、僕は後輩のバンを連れて山へ向かった。目的地は四方を千メー…

成瀬未来
3週間前
8

小説|十七月の歌 4/6

選択と相克 ルツから僕とユノのいるグループにニュースが送られてきた。 ――山中で男性遺体…

成瀬未来
3週間前
4

小説|十七月の歌 3/6

精神的血縁 僕が目を覚ますとタローは起きていたらしく、こちらを見ていた。まだ薄暗い部屋の…

成瀬未来
4週間前
6

小説|十七月の歌 2/6

籠の中のオリュンポス 社会で身を立てると決めた僕は、「とにかく動け」と、ヤスという男と会…

成瀬未来
4週間前
13

小説|十七月の歌 1/6

病めるものに世界は微笑む レールを外れた十七月、僕は世界が微笑むことを知った。穏やかな陽気に甘い香りが漂い、目をやれば若葉や柔らかい花々、それだけのことで僕の心は大きく揺さぶられた。それと歩調を合わせるように、芸術の中に呼吸できる場所を見つけ、それからというもの、希死念慮を吹き飛ばすような生の肯定を探した。僕はそれを生の芸術と呼んだが、不死を叶える石のように存在しなかった。 両親は山羊と狂犬だったといえば説明しやすい。その関係は年々悪化し、テーブルが折れ、窓ガラスが割れ、

詩|蒼暮

冬枯れの山路に蒼が差し 夜明けみたいな暮れ 清らかに今日を讃えて それは少女のようだった

成瀬未来
1か月前
24

詩|水辺の蝶

苔生した岩壁に 一匹の蝶がひらひらと 羽根を閉じたり、開いたり 朝の光は優しげに 手のひら…

成瀬未来
1か月前
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詩|流離

たとへば秋の夕立の 枯草流し、行き倦ね 溢れ、砕け、渦をつれ 水面に贄を残し消ゆ ただひと…

成瀬未来
1か月前
8