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中央公論新社『哲学の歴史』 全巻の目次
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この『哲学の歴史』シリーズは、内容はいいのだけど、ぶっきらぼう。
古典から現代にかけて、哲学史に名の残るメジャーどころから少しマイナーな方までの記事が、ほぼ網羅されている。
それぞれの記事は新書とまではいかないけれど、哲学史一冊モノに比べると十分な知識を得られるお役立ち叢書。
ただし、使いにくい。
各巻の目次が見つからない。
出版社HPやネットにもない。
実際に本をあたらないといけない。
さらに、本の目次も粗い。
目次には、各記事の執筆者もないし、各記事の詳細目次もない。
ページをめくって、各記事そのもので確認するしかない。
目次をまとめてみた。
『哲学の歴史』シリーズについては、こちらの動画を参考にしてほしい。動画作成者とわたしは関係はなく、動画をすべて見てさえいない。書籍はこういう外観をしている、くらいで選びだした。厚い本であることはわかっていただけると思う。
全巻の構成
特長(別巻を除く)
各巻の始めには「イメージの回廊」という記事で、地図や肖像などから、各巻の概要が述べられている
巻末には、各記事ごとの、やや詳細な参考文献が列挙されている。洋書も挙げられている。
複数のコラムも載っている。
下記するように、シリーズでは多くの思想家の記事が取り上げられている。それでも漏れている事項が多くあり、それらを拾うように、比較的短めの記事がコラムとして加えられている。たとえば、12巻にはバタイユ(酒井健)がある。各巻で収めきれなかったコラムは別巻に集められている。たとえば、ヴェイユ(冨原眞弓)、ゲーデルとタルスキー(飯田隆)、チョムスキー(酒井邦嘉)。
この記事では、コラムの詳細まで載せていない。気が向いたらするかもしれない。
第1巻 古代 1 『哲学誕生 』 内山勝利責任編集
「総論 始まりとしてのギリシア」内山勝利
「最初の哲学者たち」内山勝利
「初期ギリシア哲学の文献事情 : 学説史の系譜と著作断片」木原志乃
「ギリシア七賢人」丸橋裕
「エレア学派と多元論者たち」三浦要
「ソクラテスの師 : アテナイのアルケラオス」三浦要
「ヒッポクラテス医学と初期ギリシア哲学」今井正浩
「ソフィスト思潮」納富信留
「ソクラテス」山田道夫
「小ソクラテス学派」三嶋輝夫
「プラトン」内山勝利
「プラトンとアトランティス伝説」國方栄二
「初期アカデメイア」中川純男
「アリストテレス」中畑正志
「プラトンとアリストテレス : 逸話と真実」中畑正志
「テオプラトスと初期ペリパトス学派」中畑正志
「歴史意識の誕生」桜井万里子
「アテナイの弁論家たち : 哲学・政治・弁論術」小池澄夫
「古代著作の再発見 : 中世写本から古代パピルスへ」内山勝利
第2巻 古代 2 『帝国と賢者 : 地中海世界の叡知 』 内山勝利責任編集
「総論 地中海世界の叡知」内山勝利
「エピクロスと初期エピクロス学派」小池澄夫
「エピクロス学派の書物 : 羊皮紙綴本・パピルス・碑文」小池澄夫
「ゼノンと初期ストア学派」神崎繁
「古代懐疑主義」金山弥平
「中期ストア学派 : パナイティオス/ポセイドニオス」神崎繁
「一六世紀を中心とする古代懐疑主義の再発見」金山弥平
「ギリシアの数学」和泉ちえ
「ギリシアの天文学」和泉ちえ
「アレクサンドリアとローマの医学」今井正浩
「大プリニウス『自然誌』 : その執筆動機をめぐる一考察」和泉ちえ
「キケロとギリシア学芸の受容」瀬口昌久
「セネカ」土屋睦廣
「エピクテトス」國方栄二
「マルクス・アウレリウス」荻野弘之
「プラトン哲学・アリストテレス哲学の復興」中畑正志
「アスカロンのアンティオコス」大草輝政
「ディオゲネス・ラエルティオス」丸橋裕
「テュアナのアポロニオス : いかさま師と聖者のあいだ」内山勝利
「プロティノスと新プラトン主義」山口義久
「ボエティウスと古代世界の終焉」秋山学
「アレクサンドリアの盛衰」野町啓
「カルキディウス」土屋睦廣
「初期キリスト教と古代思想」秋山学
第3巻 中世 『神との対話 』 中川純男責任編集
「総論 信仰と知の調和」中川純男
「アレクサンドリアの神学」野間啓
「アウグスティヌス」中川純男,松崎一平
継承される古代
「ポエティウス」野間啓
「偽ディオニュシオス・アレオパギテス」今義博
「エリウゲナ」今義博
「アンセルムス」飯塚知敬
「ビザンティンの哲学」大森正樹
「一二世紀の哲学」永嶋哲也
古典イスラームの哲学
「イブン・シーナー」トビー・マイアー
「イブン・ルシュド」野元晋
「スコラ哲学とアリストテレス」川添信介
「トマス・アクィナス」水田英実,藤本温,加藤和哉
「ボナヴェントラ」長倉久子
「ラテン・アヴェロエス主義」山内志朗
「ガンのヘンリクス」加藤雅人
「ドゥンス・スコトゥス」小川景子
「オッカム」渋谷克美
「エックハルト」中山善樹
第4巻 15-16世紀 『ルネサンス : 世界と人間の再発見 』 伊藤博明責任編集
「総論 世界と人間の再発見」伊藤博明
「ペトラルカ」近藤恒一
「市民的人文主義者(ブルーニ/アルベルティ/パルミエーリ)」根占献一
「ニコラウス・クザーヌス」八巻和彦
「フィチーノ」根占献一
「ピーコ・デッラ・ミランドラ」伊藤博明
「ポンポナッツィ」伊藤和行
「マキアヴェッリ」服部文彦
「エラスムス」川村辰雄
「トマス・モア」高田康成
「ルター」清水哲朗
「ジャン・ボダン」清末尊大
「モンテーニュ」大久保康明
自然哲学者
「カルダーノ」榎本恵美子
「テレージオ」伊藤博明
「パトリッツィ」伊藤博明
「ブルーノ」加藤守道
「スアレス」小川景子
「カンパネッラ」近藤恒一
「ガリレオ」伊藤和行
「フランシス・ベイコン」伊藤博明
第5巻 17世紀 『デカルト革命 : 神・人間・自然 』 小林道夫責任編集
「総論 神・人間・自然」小林道夫
「ホッブズ」伊豆蔵好見
「メルセンヌ」宗像惠
「ガッサンディ」宗像惠
「デカルト」小林道夫
「アルノー」塩川徹也
「デカルト主義の発展」松田克進
「パスカル」塩川徹也
「スピノザ」松田克進
「マルブランシュ」鈴木泉
「ライプニッツ」松田毅
「ベール」安孫子信
「フォントネル」山口信夫
「ニュートン」松山壽一
第6巻 18世紀 『知識・経験・啓蒙 : 人間の科学に向かって 』 松永澄夫責任編集
「総論 人間の科学に向かって」松永澄夫
「ヴィーコ」上村忠男
「ロック」下村潔
「バークリ」一ノ瀬正樹
「ヒューム」中才敏郎
「アダム・スミス」柘植尚則
「イギリス道徳哲学」柘植尚則
「リード」朝広謙次郎
「モンテスキュー」川出良枝
「ヴォルテール」王寺賢太
「ルソー」増田真
「ディドロ/ダランベール」佐々木健一
「コンディヤック」山口裕之
「観念学派とその周辺」村松正隆
「メーヌ・ド・ビラン」村松正隆
第7巻 18-19世紀 『理性の劇場 』 加藤尚武責任編集
「総論 カントとドイツ観念論」加藤尚武
「ヴォルフとドイツ啓蒙主義の暁」小田部胤久
「カント」福谷茂
「ハーマン」川中子義勝
「ヤコービ/ヘルダー」栗原隆
「ラインホルト/シュルツェ」山口祐弘
「フィヒテ」座小田豊
「ヘーゲル」加藤尚武
「ドイツ自然哲学」松山壽一
「シェリング」高山守
「シュライエルマハー」山脇直司
「ドイツ・ロマン主義」伊坂青司
「ヘルダーリン」久保陽一
第8巻 18-20世紀 『社会の哲学 』 伊藤邦武責任編集
「総論 進歩・進化・プラグマティズム」伊藤邦武
「フランスの社会主義」今村仁司
「トクヴィル」宇野重規
「コント」安孫子信
「一九世紀フランス哲学の潮流」川口茂雄
「デュルケム」重田園江
「ベンサム」土屋恵一郎
「ミル/スペンサー」横山輝雄
「アメリカン・プラグマティズム1」伊藤邦武
「アメリカン・プラグマティズム2」船津衛
「ホワイトヘッド」中釜浩一
第9巻 19-20世紀 『反哲学と世紀末 』 須藤訓任責任編集
「総論 マルクス・ニーチェ・フロイト」須藤訓任
「フォイエルバハ」服部健二
「マルクス/エンゲルス」的場昭弘
「ショーペンハウアー」鎌田康男
「キルケゴール」藤野寛
「ニーチェ」須藤訓任
「新カント学派」大橋容一郎
「カッシーラー」直江清隆
「ディルタイ」竹田純郎
「ジンメル」北川東子
「ヴェーバー」鈴木宗徳
「シャルコー/ジャネ」立木康介
「フロイト」新宮一成
第10巻 20世紀 1 『危機の時代の哲学 : 現象学と社会批判 』 野家啓一責任編集
「総論 現象学と社会批判」野家啓一
「ブレンターノ」村田純一
「フッサール」榊原哲也
「シェーラー」熊野純彦
「ヤスパース」中山剛史
「ハイデガー」後藤嘉也
「ガーダマー」佐々木一也
「ベンヤミン」柿木伸之
「クローチェ」篠原資明
「西欧マルクス主義」
「ルカーチ」高幣秀知
「グラムシ」上村忠男
「アルチュセール/ルフォール」松葉祥一
「フランクフルト学派」
ホルクハイマー」大貫敦子
「アドルノ」麻生博之
「ハーバーマス」三島憲一
第11巻 20世紀 2 『論理・数学・言語 : 科学の世紀と哲学 』 飯田隆責任編集
「総論 科学の世紀と哲学」飯田隆
自然科学の哲学
「ドイツ語圏における展開」今井道夫
「フランスにおける展開」小林道夫
「フレーゲ」金子洋之
「ラッセル」戸田山和久
「数学基礎論の展開とその哲学」岡本賢吾
ウィトゲンシュタイン
「前期」野村恭史
「後期」丸田健
「ウィーン学団とカルナップ」蟹池陽一
「科学哲学」伊勢田哲治
「エピステモロジー」金森修
「日常言語の哲学―分析哲学1」飯田隆
「クワインとクワイン以後―分析哲学2」飯田隆
第12巻 20世紀 3 『実存・構造・他者 : モダンとポストモダン 』 鷲田清一責任編集
「総論 モダンとポストモダン」篠原資明
「ベルクソン」檜垣立哉
「反省哲学」越門勝彦
「マルセル」杉村靖彦
「サルトル」澤田直
「構造主義」
「ソシュール」加賀野井秀一
「レヴィ・ストロース」渡辺公三
「ラカン」新宮一成
「メルロ=ポンティ」加國尚志
「レヴィナス」斎藤慶典
「リクール」杉村靖彦
「アンリ」中敬夫
「フーコー」須藤訓任
「ドゥルーズ」鈴木泉
「デリダ」加藤恵介
「ヴュイユマン/グランジェ」小林道夫
別巻 『哲学と哲学史 』
「哲学史研究の意義と今後の課題」小林道夫
「哲学史研究の現在・鼎談」神崎繁」熊野純彦」鈴木泉
「日本における哲学史の受容」藤田正勝
「日本における中世哲学研究」清水哲郎
「哲学/哲学史の読み方・インタヴュー」松永澄夫
哲学の場所
「(古代)知のスタイルをめぐる葛藤と競演,納富信留
「(近世)自分の金で自由に研究することを選んだデカルト」山田弘明
「(現代1)ポール・ケイラスと雑誌『モニスト』」伊藤邦武
「(現代2)ラディカルな問題提起を続ける「フランス哲学」」杉山直樹
哲学の始点における断片的対話,内山勝利
アンコール・追補コラム集
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