私の読書遍歴 Part1
今日は私の読書遍歴について書いてみよう!
たまにnoteでも書いている人がいて、いいなぁとずっと思っていて、作ってみたかったのだけど。なかなかうまく形にならかった。
とても個人的な本読みの軌跡。
不器用ながら言葉にしてみるのもいいかもしれない。
《幼少期に好きだった本》
物心ついたときから本が大好きだった。
地域の図書館も、学校の図書館も、大好きでよく通っていた。
時に「ちょっと買い物に行ってくるから、ここにいてね」と本屋さんで待っているよう親から言われることがあったけど。母親いわく、戻ってくると同じ棚のところから一歩も動かず、本を眺め続けている私を発見し、びっくりしたことがあるらしい。それくらい本が好き。
よく読んでいたのは、児童書の王道『かいけつゾロリ』。
『忍たま乱太郎』『わかったさんシリーズ』『ペンギンシリーズ』
シリーズものを片っ端から読んでいた気がする。
シリーズの中でも幽霊とか、妖怪が出てくる回がすごく好きだった。
怖い話もよく読んでいた。
幅広く何でも読むというよりは、表紙のかわいさに対する好き嫌いも強くて、自分が気に入った絵じゃないと読まないような性格だった。小さい時からすでに、好きな本を繰り返し読むタイプだった。
この頃の読書は、今思うと「最高に面白い!」とか、そういう強い感情はあまりなくて、なんとなく好きで読んでいた、という感覚が強い。
《小学生時代に好きだった本》
小学生の時にものすごくはまっていた本と言えば、きっと誰もが一度は手にしたことがあるであろう、『青い鳥文庫』だ。
講談社から出版されている文庫シリーズで、ミステリ、SF、感動物、恋愛、名作、などなど。幅広いジャンルの本で構成されている、子どもむけの文庫シリーズである。
この頃の私のお小遣いはほとんどこの文庫本に費やされ、おそらく多い時で、5、60冊くらい持っていた。
小学生の頃は周りの子も、なにも言われなくても本を読む子が多かった気がする。クラスの図書係を買って出て、友達と学級文庫を運営し、大量の本を学校に持ってきて自分の本をみんなに貸し出すこともあった。
数あるシリーズの中でも、私が好きだったのは、
はやみねかおるさんの『夢水清志郎事件ノート』『クイーンシリーズ』
松原秀之さんの『パスワードシリーズ』
そして、あさのあつこさんの『テレパシー少女蘭の事件ノート』だった。
最初の二つはミステリーや謎解き小説で、三つ目は謎ときが混ざったSF作品である。学校でもとても大流行。特に大人気作品だった。
同世代の人は「あーあれね!」とピンとくるかもしれない。
私にとって一番大きかったのは、あさのあつこさんの作品だった。
なにを隠そう、私が初めて「小説家になりたい!」と切実に思ったのは、この、あさのあつこさんの作品がきっかけである。
人の心が読める能力を持った女の子の話で、冒険や謎解き、笑い、ホラー要素も入りつつ、人間の心の闇だとか、それでも人のことを信じる大切さとか、魅力がたくさん詰まった作品だった。
当時5年生だった私は、読み終わった時に震えた。
ものすごく好きすぎて、この感動をどこにぶつけたらいいのかわかんない!なんだ、これ…。私も、私もこういう話を書いてみたい!と、読む側から、書く側への欲求が芽生えた瞬間だった。
あさのさんに関しては、いつか、好きな作家さんをまとめて書いてみたいので、その時にまた深く語ってみたい。
青い鳥文庫の中で『星のかけら』という本も好きで、学校の関係か何だったか忘れてしまったけれど、作者の名木田恵子さんには、実際にお会いすることができた。
私が初めて生でみた作家さんだった。今でもサイン本を持っている。
大人になってから気が付くのだけど、青い鳥文庫の小説は大人の小説を、子ども風にアレンジしたものが多い。何かしらの名作とつながりがあったり、名作のコンセプトが話の下敷きになっていることがある。
子どもの時に読んだもの欠片を、大人の世界で見つけると、妙に親しみやすかったり、初めて会うのに懐かしかったり。この頃からせっせと次の読書に繋がるような、扉をたくさんもらっていたんだなと感じる。
大人になってからこの文庫の良さが改めて伝わってきた。
それから、小学生時代で外せないのは、やっぱりハリー・ポッターだ。おそらく小学一年生くらいの頃。まだ映画化もされていなかったけど、売れに売れていてものすごく話題だった。
「すごく面白いらしい」ということで、夜に父親と車で本屋さんに買いに出かけたことを覚えている。
ものすごく分厚い本で、かっこよくて、買ったときはものすごくワクワクした。
けれども小学一年生の頭には少し、早すぎた。トライしてみるものの、言葉の一つ一つが難しくて、なかなか頭に入ってこない。始めの三ページくらいで放り出した。それから間もなくして公開された映画は二度見に行くくらい大好きで、完璧にはまり込んだけど、本にはなかなか手が伸びなかった。
当時は「大人も楽しめる児童書」ということで話題だったので、挫折した私の代わりに、それから何年かは母の愛読書となった。
いつだったか正確には覚えていないけど、『炎のゴブレット』が出版されるころには、再トライしてすっかり本にも夢中になっていた記憶がある。
これまた好きすぎて、写経したり、何十回も読み返したりした。
『不死鳥の騎士団』あたりから、出版を心待ちにするようになり、あんなに分厚いのに家と学校の往復に持ち歩いていた気がする。
そんなに特別なことでもなく、小学生高学年になると、ほとんどの人の引き出しの半分をこの本が占領していたような記憶がある。
恐るべし、ハリー・ポッター。
リアルタイムで楽しめたのは幸運だったと思っている。
私が「文章は具体的に書かなくちゃいけない」と思うようになったのは、ハリー・ポッターの緻密さの影響が多分にあるし、ものの言い回しはハーマイオニーの話し方からかなり学んだような気がしている…。
よく読むと、こんなに昔から伏線を張っていたのか…と本当にびっくりさせられる、いうまでもなく決定的名作ファンタジーである。
《中学生時代に好きだった本》
中学生になった初めの頃、教室で青い鳥文庫を読んでいた私に、
「なんだ、まだ『青い鳥文庫』なんて読んでるのか。俺は5年生の時に卒業したけどな。」
と言ってきた生意気な男の子がいた。隣の席の男の子だった。
どうやら、むこうもものすごく本が好きなご様子だった。
彼のお気に入りはダレン・シャンで、それはそれで「児童書じゃないか」と思ったけど、一緒に持っている『夏の庭』という本は新潮文庫。
いわゆる大人が読む小説だった。
カチンときたけど。確かに。
それは私だって、うすうす感じていたことではあるんだ。
もうそろそろ、青い鳥は卒業かなとも思っていたんだ。
そうして、悔し紛れに「大人が読むちっちゃい本」に手を出すようになった中学一年生のはじめだった。行き慣れた書店に行って、いつもとは違うコーナーをのぞくと、どれも難しそうで面喰った。その中で一番、かわいくて面白そうな本を選んだ。
森 絵都さんの『アーモンド入りチョコレートのワルツ』だった。
エリック・サティという実在の音楽家が出てくる話だった。
誰しもが一度は聞いたことがある『ジムノペティ』という曲を作ったクラシックの作曲家だ。本のタイトルにも使われているけど、彼が作る音楽の作品名はとても変わっている。物語はそんなサティにそっくりな通称「サティのおじさん」がいるピアノ教室に通う女の子の話だった。
読んでみて、すごくわかったわけではないけど。
とりあえず、文庫本を読み終えたことにほっとした。
森絵都さんは、今でも大好きでたまに読み返している好きな作家さんだ。
当時はわからなかったけど、情景描写が神がかっていると思う。
当時は国語の授業で「読書メモ」というものがあって、読んだ本のあらすじと感想を書いて提出すると、成績のポイントとして加点してもらえた。
私は隣の席の嫌な奴とずっと、このメモで競争していたような記憶がある。
中学校に上がると小学生の時ほど、周りは本を読まない。
本をたくさん読む人がそばにいるのは貴重で、毎日話しているといつの間にかその「嫌な奴」のことが好きになってしまっていた。
『耳をすませば』みたいな感じだった。物語と違って、あいにく、片想いで終わってしまったけど(笑)
どうしようもないからかい合いとか、言い合いが多くて、今考えると、もっと好きな本のこととか、一緒に話せたらよかったのになと思う。
中学生って、とっても不器用だなー。
そうして、文庫本を読むようになった私だけれど。文庫を読んだことで、またまたお気に入りの作家さんと出会った。
ながくなるので、それはまた今度。気が向いたら書いてみようと思う。