大切なものを大切にする
あなたは何で出来ている?
僕という人間を構成しているものを考えてみました。僕には家族がいます。僕の中で生きるための最大の源となっています。ですので、家族なしでは、僕を語ることは出来ません。また、単純に考えると、僕の身体や心があるからこそ、僕は生きているとも言えます。それに、今の仕事も僕という人間を維持していくために、大切なものであるといえるのではないでしょうか。社会との繋がりや、社会に貢献出来ていることを実感することは、僕にとって、大きな価値を感じているからです。
その他にも、大切にしたいものはあります。時には、僕に知識をくれたり、時には勇気をくれたりする、僕にとって、バイブル的な本やアニメといったものや、好きな音楽、映画や絵画といったものたち。他にも、思いが詰まった場所であり、今、心地よく住むことが出来ている、自宅や地域も大切にしたいという思いもあります。お気に入りの、スニーカーやアクセサリーだって大切なものです。
こうした、自分の中で、いつまでも大切にしたいと感じているもの。あるいは、長い付き合いであるもの。自分という人間を構成しているもの。価値を感じているもの。これらは、自分なりにでも、手間暇をかけることは当然のことであるように考えています。
それなのに、僕らはちょっと油断をすると、全然大切でないものに、多くの時間と労力を費やしてしまうように思えるのです。
大切にしたいはずなのに
ある知人の夫婦の話を聞いた時の話です。旦那さんは家族が何よりも大切であると、奥さんがいない時に、僕に熱く語ってくれました。ですが、奥様の話によると、話も聞かずにいつも携帯ゲームばかりしているのだそうです。
もちろん、スマホそのものを否定するつもりは毛頭ありません。SNSをしたり、ゲームや様々なコンテンツを利用するといった時間が、かけがえのない時間になることだってあります。僕自身、SNSでつながった方々の暖かい言葉や「いいね!」によって、救われたように感じることを、何度も味わったことがあるからです。
僕は、過去に離婚を経験しています。大切にしたいという思いを抱いていたはずなのに、家族を失いました。かけがえない存在であったことは間違いありません。家族を守りたい気持ちだって、強く持ち合わせていました。
それなのに、自分の気持ちとは裏腹に、家族をほったらかしました。家族の気持ちも聞かずに、仕事ばかりしていました。一生懸命にまじめに働くことが、家族を支えているという、化石のような怠慢な気持が僕の中にはあったのかもしれません。
家族の行事に参加したことは一度もありませんでした。これまで、働いてきた職場が、それを決して許してくれなかったからです。これは、僕の言い分で、当時の家族からすると、会社の言いなりになって、その為の努力は何もしていないじゃないかと、思っていたのかもしれません。
やがて、仕事が上手くいかなくなると、僕は追い込まれていき、どんどん仕事にはまり込んでいきました。家に帰ることも出来ないくらいに。僕は非常に焦っていました。何とか結果をださないと、家族に申し訳ないと思ったからです。その焦りによって僕はどんどん良くない方向へと突き進んでしまったのです。
後戻りも出来ないと思い込み、もう、どうにもならないところまで、自分を追い込んでしまったのでした。時すでに遅しはこのことで、助けて欲しいと思った時には、手を差し伸べてくれそうな人は誰もいませんでした。助けを求めることも出来ない判断した僕は、人として、最も勝手なことをしてしまったのでした。
自ら命を投げ出そうとしたのでした。
当時、家族に言われた言葉が今でも、心に残っています。「何をしたのか分かっている?あなたは、家族を捨てたのよ。」自ら、家族の前からいなくなろうとすることは、家族にとっての最大の裏切りなんだって。
家族は、ほったらかしにされていたにも関わらず、僕になんども手を差し伸べてくれていたのです。心配の声をいつもかけられていたことを、後になって、ようやく気付くことが出来ました。それを僕は、自分の気持ちを優先するあまり、聞く耳すら持っていなかったのです。自業自得でした。
こうして、僕は大切なものを、一度何もかも失ってしまったのでした。
僕の中で、後悔を強く残した、この出来事は、今の僕に強くメッセージを残してくれています。
大切なものを大切にしなさい。
僕らは、本来、何に時間を使ってもいいものです。多くの人は、一日24時間しかないと感じているが、みんな平等に24時間貰っているのです。その時間を何に、どれくらい使うかは全くの自由なのです。
自分にとって、何が大切なのか。それは人それぞれであり様々です。その時によっても、自分の心境でも違うものです。でも、これだけは確かなことは、大切でないことに時間や手間をかけることは、たちまち、時間に追われることになってしまうのです。人生において、いくら時間があっても足りないものだと感じるものなのです。それは、足りない足りない思考のはじまり。いつも不足感を感じる原因になってしまうのです。
だからこそ、自分が大切にしたいという思いを大切にすることで、自分を満たしていくことができるのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー